SWOT分析のやり方は…

SWOT分析―
フレームワーク内に経営特有の要素がないため、あらゆる場面において応用可能な汎用型フレームワークです。

しかしながら、そのやり方には注意が必要です。
「強みと機会の混同」「分析の順番を間違える」「目的が曖昧」など、正しいやり方を理解していないばかりに無用なミスを招いてしまいます。

というわけで、今回は5つのステップに分けてSWOT分析のやり方を解説します。
これで、スライドに申し訳程度にのせる「なんちゃってSWOT分析」は卒業しましょう。

【確認】SWOT分析とは


まずはSWOT分析の意味を確認しておきましょう。

SWOT分析は自分や組織の置かれている状況を、内部資源(強み・弱み)外部資源(機会・脅威)の4項目に分けて分析するフレームワークです。

2×2のマトリックスで表されるSWOT分析は非常にわかりやすいフレームワークとして人気を博しています。

ただ、やり方を学ばなくても何となくできてしまうほど「わかりやすい」ゆえに、あまり有効でない、もしくは意味のない方法で行われていることも多い不運のフレームワークともいえるでしょう。


ここからは5つのステップでSWOT分析の正しいやり方を学んでいきます。

STEP1|SWOT分析を行う目的の明確化


最初にやることは「目的の明確化」です。
まだマトリックスは使いません。

なぜSWOT分析を行うのか、考えてみましょう。

多くの場合、「戦略の策定」が目的となると思います。
ここではそこで止めずに、なぜ今戦略が必要になっているのか(問題の明確化)、何をもって成功とみなすのか(指標の明確化)なども考え、SWOT分析をやる動機をより具体的にしておいて下さい。

このSTEPは、後のプロセスをスムーズに進めるために、チームで行うことが必要です。

SWOT分析はファイブフォース分析などに比べると自由なフレームワークなので、挙げようと思えばいくらでも要素を挙げられます。
しかし、本来の目的に関係のない要素まで挙げていては非効率です。

実際の分析に入る前にチームの共通認識をつくっておきましょう。

STEP2|外部環境分析(SWOTのO&T)


いよいよ分析が始まります。
まずはOpportunity(機会)Threat(脅威)の分析、外部環境分析です。

外部環境分析から始める理由は、「外部環境はコントロールできない」からです。
内部の資源はある程度コントロールが効きますが、外部の環境はそうもいきません。そのため、まずはコントールできないものを確定させ、そこからコントロール可能な要素を挙げていく方がよいのです。

ではOpportunityとThreatが何を表すか見ておきましょう。

Opportunity-機会-

自社にとってプラスになる環境の変化です。自社に有利な法改正や技術革新などを見つけます。
注意ですが、SWOT分析でいう機会は、必ずプラスに結びつくものを指すわけではありません。
上手く利用すれば自社にとって有利に働く環境の変化のことを指すのです。

Threat-脅威-

自社にとってマイナスになる環境の変化です。
こちらも機会と同じように必ずしもマイナスになるわけではないという点に気をつけてください。
外部環境は一般的にマクロ環境、ミクロ環境に分かれます。それぞれの視点からSWOT分析を行いましょう。

外部環境分析に使える分析フレームワーク

ファイブフォース分析

5つの競争要因により業界・ビジネス構造を明らかにするフレームワークです。
やり方はこちらの記事から➡

PEST分析

4つの要因からマクロな経営環境を導き出すフレームワークです。
やり方はこちらの記事から➡

3C分析

自社・顧客・競合の3要素を用いて強み・弱みを発見します。内部環境分析にも使えます。
やり方はこちらの記事から➡

STEP3|内部環境分析(SWOTのS&W)


外部環境の次はStrength(強み)Weakness(弱み)の分析、内部環境分析です。

Strength-強み-

自社の強みを考えます。ここでいう強みとは、競合に対して優位にあるという意味での強みです。
自分の中では強みであっても、競合に負けていてはその市場における強みであるとは言えません。

Weakness-弱み-

自社の弱みを考えます。競合にたいして劣っている点のことを指します。
StrengthとWeaknessに関しては、価格やチャネルなど、いくつかの項目をまとめて表にしておき、自社と競合たちを順番に比べていけば効率がいいでしょう。

内部環境分析に役立つ分析フレームワーク

VRIO分析

4つの要素から企業の経営資源を把握するフレームワークです。
やり方はこちらの記事から➡

 

ビジネスモデルキャンバス

9つの観点からビジネスモデルを明らかにするフレームワークです。
やり方はこちらの記事から➡

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

市場成長率・市場占有率の2軸によって複数の事業の状況を把握するフレームワークです。
やり方はこちらの記事から➡

ここまでで2×2のマトリックスに各要素が入りました。


STEP4|クロスSWOT分析


外部環境と内部環境の分析が終わったら、SWOT分析のクライマックスともいえる「クロスSWOT分析」の時間です。

クロスSWOT分析ではその名の通り、S/WとO/Tをクロスします。
STEP3までで作ったSWOT図を下画像のように変形してください。

再び空白になったフレームに入るのは「戦略」です。
都合、4つの戦略が出てくることになります。

SWOT戦略① 強み×機会 (Strength×Opportunity)

自社の強みを使って、機会を最大限に活かす戦略です。
もっとも攻撃的で、成長が見込める戦略志向であるため、積極的にこのタイプの戦略を取りたいものです。特に、ベンチャー企業が狙うべき戦略志向であると考えられるでしょう。

SWOT戦略② 強み×脅威 (Strength×Threat)

強みによって、脅威による不利益を避ける、できるなら機会にまで変えてしまうような戦略がこのタイプです。
たとえ、自社にとって不利な状況でも、自らの強みを活かして生き残れる企業こそ、強い企業であると言えるでしょう。

SWOT戦略③ 弱み×機会 (Weakness×Opportunity)

自社の弱みのためにせっかくの機会を逃してしまわないようにする戦略志向です。
どのような形でその弱みを補強・補填するのかを考えます。資源の少ないベンチャー企業が安定して生き残っていくためにはぜひ考えてほしい戦略になります。

SWOT戦略④ 弱み×脅威 (Weakness×Threat)

弱みによって、脅威による不利益が大きくなることを避ける戦略です。
この戦略に失敗すると、企業にとっては大打撃、最悪の場合、倒産もありえます。そのため、すべての企業、経営者が常に気にしておくべき戦略志向であると言えるでしょう。

これがクロスSWOT分析によって導き出された4種の戦略です。

STEP5|戦略策定


最後のSTEPでは戦略の策定を行います。
STEP4クロスSWOT分析で導き出された4種の戦略志向から1つを選択し、具体的な戦略を練っていきます。

ここでSTEP1にて決めた目的を達成していればSWOT分析は成功です。
ここまでの思考をまとめ上げれば、十分な提案書、プレゼンができることでしょう。


SWOT分析を行うタイミングとは

以上、SWOT分析のやり方について紹介しました。
SWOT分析は、上手く行えばとても有効なフレームワークです。

ビジネスの文脈では、戦略構築の初期において使われます。
また、初期では情報量が少ないこともあるため、フェーズが進んでからダメ押しで実施することもあるでしょう。

またビジネス以外の文脈でも多く使われます。
SWOT分析のいいところは「わかりやすい」ことです。
十分に分析ができていれば、その過程を話すだけでプレゼンテーションになるでしょう。

ぜひ様々な場面でSWOT分析を試してみてください。

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