3C分析という言葉を知っていますか?

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出典:quartet-communications.com
3C分析とは、戦略マーケティングにおいてよく使われる言葉ですが、知っていても意味を理解していない方も多いのではないでしょうか。
また、理解はできていても実際にどう使えばいいのかがわからない方もいると思います。
そこで今回は、3C分析の言葉の意味と活用方法について具体例を交えて紹介していきます。

3C分析とは?

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出典:http://free-illustrations.gatag.net/
3C分析とは、
Customer(市場、顧客)
Competitor(競合)
Company(自社)
という3つのCで始まる軸に沿って分析をし、そこから成功要因を見つけ出し、自社の強みと弱みを特定するためのフレームワークです。

それぞれどのような分析をしていくのでしょうか。

①「Competitor=競合」

競争状況や競合他社について分析します。
そこから自社が競合他社とどのような点で差別化をしていけるかを考えます。

②「Company=自社」

自社の経営資源や強みの現状について把握します。
市場の変化と競合企業の市場の変化への対応と自社を比較することが求められます。

③「Customer=市場、顧客」

ここでは顧客の購買意思や能力を分析します。
具体的な分析の視点としては、市場規模や成長性、各セグメントのニーズ、購買過程等が挙げられます。

3C分析活用の具体例

では、実際にどのように3C分析を行うのか具体例を紹介します。
ここでは、例として
丼屋としてステーキ丼を売り出していく!
というビジネスを考えるとします。

前提 :長年丼屋さんを営んできたが、この度大手丼屋チェーンが近所にやってきてしまい、売上が減少傾向にあります。この事例では、3C分析を利用してどの様な対策を行うとよいでしょうか。
3つのCの視点で情報収集を行い、分析をしていきます。

①「Competitor=競合」

ここでは他社の強みと弱みを徹底的に調べ上げます。特に弱みは自社の入り込むチャンスが見えてくる可能性があるのでしっかり調査します。
a、営業時間は丼屋チェーンは24時間営業となっている
b、価格については一杯につき150円ほど丼屋チェーンのほうが安い
c、接客はアルバイトの流れ作業で顧客との関係性はほぼない
d、食材は全店舗同じものでとくにこだわったものということではない
このなかで競合の特徴を整理すると、aとbが強み、cとdが弱みということが見えてきます。


②「Company=自社」

上記で見つかった競合の弱みを自社で克服することで差別化をはかれないかを考えます。
地域でアンケートや聞き取り調査を行ったところ
・実際に自社の丼屋の接客の良さはOLの方や学生に評判になっていた
・丼屋チェーンよりも値段は少し高いがそれに見合う美味しさがあるという認識もある
ということがわかったとします。

③「Customer=市場、顧客」

上記のようにCompetitorとCompanyの分析によって自社がターゲットにすべきは
接客とコスパが良くおいしく食べられることを求める女性や学生
という仮説をたてることができます。
この仮説が正しいか調査、検証を行います。本当に女性が丼屋で丼を食べるか、接客の良さが足を運んでもらう要因となるかなどです。
実際にその仮説が正しいということを確認した上で、女性向けのメニューや徹底した接客マニュアルをつくるなどの施策を決定します。

3C分析が難しいのはなぜ?

3C分析を行うことを会社で上司から求められ、実際にやってみる方はたくさんいると思います。
しかし、3C分析を上手くできる方が全てかと言われるとそうではないでしょう。
その理由として考えられるのは、以下のようなものがあります。

① 情報収集が難しい

3C分析においては、Competitor=競合、Company=自社、Customer=顧客という切り口からそれぞれを分析していくわけですが、そもそも情報収集を行って、分析できるだけの情報があるということが前提となります。
この情報収集に想像以上に時間がかかりなかなか3C分析が進まないということはよくあります。
企業の規模が大きくなれば自社の強みや弱みを、分析を行う人が全て把握していないということさえありえます。

② BtoB

BtoBマーケティングの場合はBtoCに比べて顧客数も少なければ、競合の情報が公になっていないということがよくあります。
顧客を理解するということが重要であるにもかかわわらず取れるサンプルが少なくなかなか必要な情報を集められないということがあります。

③ 時間

上記のように正しい情報を突き止めるまでに時間がかかりすぎて、その間に市場が変化してしまうということが考えられます。
正しいと確信した上で分析を行ったとしても、間違っている可能性も十分にあります。1度で正解に辿り着ければそれほど嬉しいことはありませんが、常にこの情報は正しいのかという意識でいることも重要なポイントです。


3C分析をうまく行うコツ

3C分析を行う上でのコツを3つ紹介します。

① 二つの視点

3C分析の中の各Cの分析を行う上で大切なことは二つの視点を持つことです。
二つの視点というのは、全体を見通す大まかな視点と具体的に見る視点です。いわゆるマクロの視点とミクロの視点ということです。
例えばCustomerで考えたときに、全体的な視点で市場規模はどの程度というような情報は数字で捉えることができ比較的手に入れやすいのですが、具体的に「一顧客のイメージはどのようで、なぜその層が顧客となっているか」などということは数字にはしにくいということもあり見逃しがちです。しかし、実際には具体的な分析が鍵を握ることも多々あります。
具体的な分析は手間がかかるので後回し、もしくは行われないということがありますがより良い分析を行うには必要不可欠です。

②  情報の取捨選択

上記で説明したように具体的な視点は必要不可欠ではあるのですが、具体的な視点となると全体的な物と違って数は限りなく出てきてしまいます。
全部を追う余裕がある場合はなかなか無いと思うので、「顧客の中でも特にここの層の動きは無視できない」というようにある程度絞って分析を行うことが円滑に良い分析を行う上で重要になります。

③  一貫性

3C分析において陥りやすいこととして、各Cの分析を切り離して行ってしまうということがあります。
例えば、自社の強みや弱みを社内の感覚だけで行ってしまい、後に市場や競合を分析した上で見てみると強みや弱みになっていないということがあります。自社の強みや弱みもその市場や競合とのバランスを見て初めて見えてくるものです。
社内で強みにしていきたい部分が実は競合がかなり優れていて差別化できないということが全体の分析からわかることがあります。
3C分析ではどの順番で分析をしていくかということも重要となります。

3C分析は実行を意識して行う

3C分析のようなフレームワークを利用すれば、見た目がきれいな戦略ができあがる可能性は高いと思います。
しかし実行できない戦略はいくら立ててもビジネスでは意味がありません。
あくまでも実行に移すための分析ということを意識して行えば、自社の資源や、顧客の自社にもっているイメージなどより具体的に分析を行うはずです。
実行までを3C分析を行う価値として捉えて、何度もやってみることが大切です。
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