フリップカートとは
フリップカートをご存知ですか?
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今ではインド国内で最大手のEコマースのスタートアップ企業にまで成長しました。フリップカートは創業以来、猛スピードで成長を遂げてきました。
インド国内での売り上げではあのアマゾンをも凌いでおり、多額の資金調達を成功させています。
2013年頃まで約1000万人だった利用者は2年で約4600万人にまで増加し、同年には米投資会社などから約7億ドル(約780億円)の資金調達に成功しました。
今日はそんなフリップカートやスナップディールなどのインド国内のオンライン小売市場について話していきたいと思います。
フリップカートの歴史
フリップカートはアマゾンドットコムの元幹部であったのサチン・バンサル氏とビニー・バンサル氏が共同創業者となって、2007年に設立したオンライン小売ベンチャー企業です。
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同じ名前ではありますが、二人の間に血縁関係はありません。
創業当時はオンラインでの書籍販売を手がけていましたが、今は多数の商品を扱う電子商取引のプラットフォームを展開しています。
現在ではインド最大手のECサイトに成長し、登録ユーザー数は2200万人を超え、取り扱いのある商品は数百万点にも登ります。
インドのEC事情
人口が約12億人、インターネット利用者数世界第3位の大国であるインドで今、EC市場が急速に拡大しています。
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2016年のインド国内の市場規模は前年と比べて67%増の380億ドル(約4兆4806億円)にまで拡大すると予測されています。これは2015年の前年比52%増を上回るペースで拡大する見通しであり、年々の成長度合いが伺えます。
このような急激な拡大の大きな理由の一つに国内でのインターネットとスマホの普及があります。
こちらのグラフをご覧ください。
出典:世界経済のネタ帳
このようにインドでは急速にインターネットが普及しており、2016年現在では総人口の20%である4億人を超えます。
日本の総人口の約3倍の人たちがインターネットを利用しているということです。
この数字を見るだけでもインドがいかに巨大な市場であるかがうかがえますね。
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またスマホの普及率も高く、2015年の1年間だけで1億台以上が出荷されています。
そのため、インドのネット通販売上高のうち7割はスマホなどモバイル端末による取引とされています。
このような巨大市場はフリップカートの独壇場であったのですが、アマゾンは2013年6月についにインドに参入しました。そして現在、猛烈な勢いでフリップカートを追いかけています。
またフリップカート、アマゾンに次いでインドでは第3位の売り上げを誇るスナップディールも追い上げを見せています。
現在、インド国内でのシェアはフリップカートが4割強、スナップディールが3割強、アマゾンが2割弱となっています。
続いては創業間もないのにも関わらず、ここまでのシェアを誇るまでになったスナップディールについて話していきたいと思います。
スナップディールとは
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スナップディールはソフトバンクが2013年10月、総額6億2700万ドル(約677億円)の巨額出資をして同社の筆頭株主となったことで話題になりました。
スナップディール社はクナル・バールCEOとロヒト・バンサルCOOが2010年に設立した会社です。始めは共同購入サイトとしてサービスを開始しましたが、その後現在行っている事業であるEコマースサイトに転換しました。今では登録ユーザー数 2,500万人以上、加盟店数 5万以上を獲得し、「インドのアリババ」と揶揄されることもあります。フリップカート同様に商品の幅も広く、電化製品からアパレル商品、スポーツ用品など何でも揃う点が人気を博しています。
現在もシェアを伸ばし続けており、インドの中で最も勢いのある企業の一つとされています。
2015年には中国のアリババやEMS(電子機器の受託製造サービス)最大手の台湾フォックスコンなどからも5億ドル(約600億円)の資金を調達しています。今後はさらにフリップカートを脅かす存在となるでしょう。
フリップカートの今後
インドのEコマース市場はますます広がり、フリップカート、アマゾン、スナップディールの三社の間ではさらに熾烈な争いが繰り広げられるでしょう。
その争いに勝ち抜くためには他社との差別化が重要になってきます。
今後の動きに注目です。