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ベンチャーキャピタルとは? 起業したいなら知らなきゃ損!
出典:mongooseenergy.coop
ベンチャー・キャピタルとは、ベンチャー企業の株式などを引き受けることによって投資をし、その企業が株式公開するなどしたのち株式などを売却し、キャピタルゲイン(株式等の当初の投資額と公開後の売却額との差額)を獲得すること目的とした集団です。
ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行うと同時に経営コンサルティングを行い、投資先企業の価値向上を図ります。
ベンチャーキャピタルの投資のポイントをまとめると、以下の3点です。
① 原則として株式上場を目指す企業に投資を行う
② 契約などで資金の使途を限定し、その使途に沿って使われる
③ 投資事業有限責任組合(ファンド)からの投資が基本。(ファンドとは、機関投資家や富裕層から集めた資金を運用する投資のプロ)
ベンチャーキャピタルの役割
出典:www.fvc.co.jp
ベンチャーキャピタルは、以下の8つのプロセスで投資を行います。
① ファンド(投資事業有限責任組合)の組成
ベンチャーキャピタルがファンドを組成して管理運営を行う
② 出資
組成したファンドへの出資を募り、ファンドに賛同した人々が出資を行う。これにより、投資に必要な資金が確保される。
③ ベンチャー企業への接触・審査
ベンチャーキャピタルが、様々なルートからベンチャー企業にアプローチして、投資をするかどうかを審査する。
④ 投資する
審査を通過したベンチャー企業に対して、ファンドに集まった資金で投資を行う。
⑤ 育成支援・情報提供
基本的には、投資を行ったベンチャー企業に対して、ベンチャーキャピタルが育成支援を行う。(例外あり)
また、その過程において、投資先企業からベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタルからファンドの組合員へと情報提供がなされる。
⑥ EXIT
投資を受け入れたベンチャー企業が株式上場するなどした場合には、ファンドの保有株式を売却する。これをEXIT(出口)と呼ぶ。
⑦ 資金回収
ファンドは保有株式の売却などにより、資金回収を行う。
⑧ 分配
ファンドは、回収した資金を出資者に分配し、その後ファンドは清算される。
このように、ベンチャーキャピタルは「ファンドの運営責任者」であり、ファンドのリターンを最大化することが求められています。
その結果、投資先の企業がファンドの期限が近づいても上場できない場合は、ファンドで保有している企業の株式を発行会社や経営陣、第三者などに売却して資金を回収する必要が出てきます。
上場できなかった際には、大きな責任がついてくることを十分理解した上で、ベンチャーキャピタルからの資金調達を行ってください。
ベンチャーキャピタルから投資を受けるメリット
ベンチャーキャピタルからの資金調達にはどんなメリットがあるのでしょうか?以下のようなメリットがよく挙げられます。
編集部作成
① その後の資金調達がしやすくなる
最大のメリットは、VCから投資を受けると、その後の資金調達が行いやすくなります。
一度VCが入ると「この会社はVCに評価されている」とみなされ、追加出資がしやすいようです。
さらに上場を目指す企業にとっては、株式上場が実現できれば、その後の資金調達が容易になります。
よってVCが評価機関としての機能を果たすのであれば、VCからの調達はかなり有用だと考えられます。
② 事業提携先を紹介してもらえる
VCを利用することよって、事業提携先を紹介してもらえる可能性があります。
VCは複数の企業に対しても投資を実施しているもので、出資先のどの会社が繋がれば事業がうまくいくか考えることもあるはずです。
その結果、VCは提供資金が回収しやすくなり、投資を受けた企業同士は事業が成長する起爆剤となる可能性があります。
このように、VCは資金面以外でも重要な役割を担っているのです。
③ 直接、経営支援を受けることができる
VCから出資を受けると、VCから役員の派遣などがあり、経営支援が受けることできます。
VCが経営に関与することで、VCが保有する知識やノウハウを提供してもらうことができ、事業の軌道修正を行いやすくなります。
経営陣が若すぎて、業界の経験が不足している場合など、経営がうまくいく可能性があります。
ベンチャーキャピタルから投資を受けるデメリット
逆に、デメリットは以下のようなものが挙げられます。
編集部作成
① 出資者の意向に沿わないといけない
基本的に、ベンチャーキャピタルからの出資を得ると、出資者から派遣される役員から経営についていろいろな注文が来ます。
中には、自身が目指している経営プランとの対立が生じてしまうこともあり、折り合いが難しいものです。
特にお金を貸してもらっている側なので、反論するのも難しいところがあります。
よって、自身がやりたい事業の内容が根本的に変更されてしまう可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。
② 経営が立ちいかなくなると資金を早めに回収されてしまう
VCからの調達のデメリットの代表は、経営計画が立ちいかなくなると、資金回収を早めに行われる可能性があることです。
VCは将来性がある企業に資金を提供するものであり、お金が生み出せなくなってきたと判断されると、他の有望な企業に出資を行います。
急な資金回収になると、事業を継続することが困難となるでしょう。
③ 間接費用が多くかかってしまう
資金調達を早める為に株式上場を焦ると、逆に費用が多くかかってしまって経営が立ちいかなくなる可能性があります。
つまり、VCから出資を受けているほうが、上場準備や上場後の維持に一定の費用が必要だと言われています。
よって、企業の体力がないのにVCを入れて上場を目指すことは、難しいと言えるでしょう。
ベンチャーキャピタルと知り合うには?
では、VCと関係を持つためにはどのようにすればいいのでしょうか?
今回はその方法について紹介します。
編集部作成
① 自分から飛び込んでみる
まず、自分からVCに飛び込んでみる方法があります。
やはり知り合いたいと思えば自分から飛び込んでみるのが一番簡単な方法でしょう。
事業計画書を持って行って直接交渉してもらうこともいいですが、いきなり飛び込んでも相手にされない可能性があります。
例えばビジネスプランコンテストで受賞し、その評価を手土産に会いに行くと話がしやすいでしょう。
② 第三者に紹介してもらう
次に、第三者からの紹介でVCに接触する方法もあります。
例えばすでに出資を受けている企業の人や、VCと出資以外でなんらかの縁のある方など、いろいろな人からの紹介によって支援を受けるようなことが可能です。
この方法でしたら、自分から声をかけるよりは話が通りやすくなる面があると思います。ただし、第三者の評価が下がるような言動は避けてください。
③ ベンチャーキャピタルの目に留まるような行動をする
VCと知り合う方法としては、何も自分から積極的にVCに接触するというだけではありません。
自社から定期的に情報発信したり、外部のメディアを活用したりすれば、VCから連絡がくる可能性があります。
よって、自身の情報を積極的に発信して魅力をPRするのも一つの手段です。
日本のベンチャーキャピタルまとめ
日本には事業会社系、独立系等、様々なベンチャーキャピタルがあります。特に創業初期のスタートアップに出資するベンチャーキャピタル(シードアクセラレータ)については、過去の記事でまとめています。