最近、頻繁に耳にする人材マネジメント用語として、「社内ベンチャー」という制度があります。
社内ベンチャーは通常のベンチャー企業とは異なり、あくまで「既存の企業」において、新規事業を立ち上げるベンチャープロジェクトのことです。
今回は、流行しつつある社内ベンチャー制度の利点と、多彩なキャリアパスについてまとめました。
社内ベンチャーのメリット
ここ数年、社内ベンチャーが国内で盛んに行われている理由の一つに「通常のベンチャーの起業よりスムーズ」であることが挙げられます。
つまりこれは、会社経営に必要な資本・人材が、親企業によって用意されるということです。
また、親会社の知名度が高ければ高いほど注目を集めることができるため、ベンチャー企業と比較し、より安価な広告費で済ますことが出来るのも、社内ベンチャーのメリットです。
社内ベンチャーで知られる企業
社内ベンチャーを採用している企業として知られるのが、「アメブロ」で有名なサイバーエージェントです。
2014年11月時点で61ものベンチャーを抱えるサイバーエージェントでは、新卒入社後間もない「ルーキー」を社内ベンチャーの社長に起用するという積極性も見せています。
日本では良く知られる社内ベンチャーですが、アメリカでは社内ベンチャーという概念はそこまで浸透していません。
その理由として、アメリカでは元々「失敗を善しとする」文化が根付いており、通常のベンチャー企業同士で切磋琢磨する環境があるためだと言います。
その競争に勝ち残ったベンチャーやスタートアップを大企業が買収する、というのがアメリカ式経営として浸透しているようです。
社内ベンチャー立ち上げ後のキャリアパスとは
大胆なチャレンジが許される社内ベンチャーですが、そこで仮説と検証を繰り返し、アイデアをブラッシュアップするために必要なのは自身の「忍耐力」です。
そして、新事業立ち上げる時に第一段階として行われるのは「チーム作り」であり、そのチームで学び・経験を積んでいきます。
続いて新規事業立ち上げ後の目標となるのは「顧客を見つけること」です。
社内ベンチャーに必要な「ヒト・モノ・カネ」を親会社に頼れるのが社内ベンチャーの利点でもあるので、顧客創出の為に親会社のネームバリューを存分に有効活用するためのキャンペーンアイデアが求められます。
社内ベンチャーは以上のように、アイデアだけでなく人間性も必要となります。
これらの経験によって自身のビジネスパーソンとしての質を高めることも、重要なキャリアパスとなります。
まとめ
今回は社内ベンチャーを採用している企業として、サイバーエージェントを例にして取り上げました。
しかし多くの場合、上記のような新卒入社間もない社員が社内ベンチャーを行えることは未だ少なく、その為には会社である程度の実績を残すことが必要とされます。
その中でも、社内ベンチャーという考え方は新規事業開発の新しい手法の一つとして期待されています。
今後もより積極的な社内ベンチャーにより、斬新なアイデアを持つ企業が誕生することを期待したいと思います。
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