“小さくて、カワイイ”が社会を変える

クルマ、それはかつて日本の明るい未来を象徴するものであり、多くの人々に夢を与えてくれる存在でした。しかし、最近では増えすぎた車からの被害が逆に問題視されています。
 
中でもよく耳にするのは、お年寄りや持病を抱えたドライバーによって引き起こされる事故。利便性も高く、地方都市や一人暮らしの人にとっては、日常生活を維持するための大切な移動手段でもあります。
 
今回ご紹介する「rimOnO」(リモノ)は、そんな現代社会が抱える問題の解決の糸口になる可能性を秘めているのかもしれません。

“ノリモノ”から“NO”を無くした“rimOnO”

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出典:www.rimono.jp
株式会社 rimOnO (リモノ)は、経済産業省出身の伊藤慎介CEOとトヨタ自動車出身の根津孝太氏によって設立された会社です。彼らは、全く新しいコンセプトを持った超小型電気自動車を生み出しました。
 
コロンとしたフォルムと水色と白がベースのかわいらしい一台は、大きさや性能重視のこれまでの“クルマ”とは全く異なっています。
 
rimOnOの最高時速は45km、布やウレタンを使用したボディはやわらかく、「ふわーん♪」とかわいいホーンが鳴ります。一般的な乗用車の4分の1まで落とし込まれた車内には、大人2人か大人1人と子ども2人が乗るスペースがあります。2017年夏に100万円で市販化される予定となっています。

“天下り”ならぬ“天落”、元キャリア官僚の挑戦

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出典:www.rimono.jp
伊藤氏は、1973年生まれ現在43歳の元キャリア官僚です。京都大学大学院工学研究科卒業後、1999年に通商産業省(現・経済産業省)に入省し、自動車、テクノロジー、航空機など日本のモノづくりに関わるプロジェクトに従事されてきました。
 
熱狂的な車好きというわけではなかった伊藤氏ですが、根津氏が手掛けた「zecOO(ゼクウ)」という電動バイクに一目ぼれしたことがキッカケで、起業を決意します。
 
日本のモノづくりの黎明期を肌で感じて育ち、通産省で日本のモノづくりを支援していく中で、ふとその環境に限界を感じたそうです。
 
2年に一度の異動のシステムは癒着を避けるためでもありますが、強い思いを持ってプロジェクトを立ち上げてもこれからという時に発起人である自分自身が離任してしまう、後任はいるもののプロジェクトの当初のパワーも方向性も微妙に変わっていてしまう、そんな状況を歯がゆく感じていた時に出会ったのが根津氏でした。
 
アラブの富豪をも魅了したzecOOは価格が1000万円近くもする日本の下町技術の結晶です。日本はこんなすごい電動バイクが作れる!という伊藤氏の興奮はすぐに根津氏にコンタクトを取り、自分自身でモノづくりに関わりたいという強い思い実現させ腹をくくらせてしまう程大きなものだったのです。

小型車で作る新しい“街”のカタチ

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出典:www.rimono.jp
rimOnOが目指すのは、車を通して日本の街づくりを行うことです。街から騒音や排気ガスがなくなり、テラスでのんびり食事でき、お年寄りでも安心してでかけられる、そんな街が理想です。コンパクトで安全な車が持つ、どんな道でも通ることができる動きやすさと、乗り手にも歩行者にも優しい配慮が社会全体に広がって行くことを目指されています。
 
rimOnOは最終的な価格を50万円にすること、重量を200kg以下にすることを目標に改良が進められています。日本のモノづくりもまだまだ捨てたものじゃない、そう思わせてくれる伊藤氏は間違いなくすでに日本のモノづくりを支えているCEOの一人だと思います。

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