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孫社長を分析してできたPDCA
ソフトバンク。孫正義。
日本のビジネスパーソンにとっては無視できない名前です。
ソフトバンクは圧倒的なスピードで成長し続け、いまやトヨタに次いで日本第2位の時価総額(2018/9/13時点)をたたき出しています。
そのソフトバンクを一代で築き上げたカリスマが孫正義氏です。
そして「PDCA」
こちらも日本のビジネスパーソンにはお馴染みの言葉でしょう。
もはや聞き飽きた、という人も多いかもしれません。
しかし「ソフトバンクの、孫正義のPDCA」と言われるとどうでしょう。
聞き逃せないかもしれません。
今回紹介するのはソフトバンクで社長秘書、プロジェクトマネージャーなどの経験を積んだ三木雄信氏による書籍『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』で紹介されている「高速PDCA」です。
ぜひあなたのPDCA強化の参考にしてみてください。
孫正義式「高速PDCA」とは?
書籍で紹介されている「高速PDCA」とは、三木氏が孫社長のスピードについていくために、他ならぬ孫社長を分析することで生まれた手法です。
その本質を以下の方程式で表現してみました。
基本的なプロセスや考え方は従来のPDCAと変わりません。
重要なのは「ソフトバンク3原則」に基づいたPDCAであることです。
ソフトバンク3原則は以下の3つになります。
① 思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する
② 1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する
③ 目標も結果も、数字で管理する
本記事ではこれらに焦点を当てて解説していきましょう。
① 計画はすべて同時に実行
最初の原則は「思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する」です。
一般的に、ある程度絞ってから計画を実行するものですが、ソフトバンクでは最初からすべての計画を実行に移します。
その後、有効な方法をピックアップしてその方法に集中して取り組んでいくのです。
この原則のコンセプトは、「過去の結果」ではなく「目の前の結果」を分析し、最も有効な戦略を探すことにあります。
Planの段階で過去のデータなどから必死に分析するのではなく、まずは実行して実際の結果を得ることでPDCAサイクルを素早く回すことができるのです。
また、この段階で重要なのは、漫然と実行するのではなく仮説を持って実行することです。
仮説に基づいて実行することで、より有効なデータを得ることができます。
② 1日ごとに検証・改善
2つ目の原則は「1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する」です。
1ヶ月で検証・改善をするやり方と1日で検証・改善を繰り返すやり方、どちらの方がより成長できるでしょうか?
高速PDCAでは毎日検証できるように目標と行動を設計します。
月単位の「大きな目標」から日単位の「小さな目標」を設定し、毎日その目標と結果を比較・改善し続けるのです。
ソフトバンクは圧倒的な資金力やネットワークによる強みが強調されがちですが、その成功の根底にあるのはこのような毎日の取組みなのでしょう。
③ 目標・結果を徹底的に数字管理
最後の原則は「目標も結果も、数字で管理する」です。
“「どうして君はこの数字が答えられないんだ!」”
孫社長は役員に対してこのような言葉を投げかけたことがあるそうです。
ソフトバンクでは数字によって説明することが徹底されています。
売上は当然数字で出てくるでしょう。
では、その数字はどのような数字によって説明できるのでしょうか?
このように数字によって目標・結果・原因を説明することは、正確に物事を分析することに他なりません。
また、数字による管理は検証のスピードも上げてくれることでしょう。
P、D、C、Aすべてのタイミングで数字を意識することが重要なのです。
今、数字の扱いが不慣れな人、定量化にストレスを感じている人も、日常的に数字に向き合い、数字を意識して仕事をすることでその力が磨かれていきます。
まずは自分の周りにある様々な「数字」を発見することがから始めてみてはどうでしょうか?
実行のハードルは低く、目標のハードルは高く
ソフトバンク、孫正義氏の成長を支えた高速PDCA。
その行動指針は「実行のハードルは低く、目標のハードルは高く」というものです。
ここまでソフトバンク3原則として3つの考え方を紹介してきましたが、これらは実行までスピードと目標達成のための検証・改善力を支えるものでした。
ソフトバンクは「実行ありき」で考え、その分野のトップを目指す企業です。
前例のないことでも次々とチャレンジ、失敗を繰り返しながら頂を目指してきました。
その結果、今の地位を築き上げ、さらに成長を続けているのです。
大抵の会社では「実行のハードルが高く、目標へのこだわりが低い」と、三木氏も述べています。
実行に移す前に言い訳を並べ、いざ実行するときには曖昧な目標と緩やかな検証・改善のサイクル。
ソフトバンク3原則を頭に入れた貴方ならば、この現状に不満を覚えるはずです。
いくら高速PDCAのメカニズムを整えたところで、従来のマインドセットのままでは急成長は望めません。
まずは自社の「実行のハードル」「目標のハードル」を見つめなおしてみてください。
だれでも孫正義になれる?
出典:gahag.net
孫正義は遠い雲の上の存在。
そのように思ってしまう人もいるかもしれません。
しかし彼とソフトバンクも多くの失敗をしてきました。
失敗することを恐れず、むしろ糧にしてきたからこそ、今のソフトバンクはあるのです。
その土壌となっていたのは、強い挑戦意欲と、PDCAでした。
高速PDCAを身に付けて、なりたい自分に近づいてみませんか?
『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』には、より具体的なメソッドが豊富に紹介されています。
もし本気で高速PDCAを習得したいのであれば、手に取って損はない1冊です。
ぜひ読んでみてください。