企業のトップに立っている者であれば、誰しも一度は真剣に考えないといけない「倒産」。
直接的な要因として、「売上」が立たないことや、「キャッシュフロー」が回らないことが挙げられます。
その原因は様々ですが、中でも多くの起業家・経営者にぜひ読んでおいてほしい3冊をご紹介します。まだ読んだことがない方は、ぜひ本屋さんで手に取ってみてください!
Contents
1. 社長失格(日経BP社、2005年)
ハイパーネット板倉雄一郎氏の自叙伝。初版から17年が経ち、今なお売れ続けている書籍です。
時代はインターネット黎明期、板倉氏は大学時代に起業し、インターネットのプロバイダー料金を無料にするビジネスモデルを誰よりも早く思いつきます。
"板倉さんはさ、アイデアを最初に考え出して起業するまではいいんだよね。でも、起業したあとに組織を作って安定的に経営するのはあんまり向いていないんじゃないの(本書P252より)"
組織規模拡大に伴う諸々のマネジメント不足が倒産に至ったのではないかと推測されます。起業家と経営者は求められる能力が違うということですね。
1997年の倒産後は「板倉雄一郎事務所」や新会社の設立、現在は「新たな優秀な人間と共に、新たなステージに入っている」とFacebookで投稿されています。
2. 30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由(ダイヤモンド社、2014年)
エスグラントの杉本宏之氏の自叙伝。アップダウンの激しい波乱の半生が描かれています。
24歳で起業、不動産業界で最年少の28歳で上場を果たし、100億円近くの資産を得ます。しかし、レバレッジを利かせた不動産購入が景気変動に対応できず、資金繰りが悪化します。その結果、31歳で倒産に至るというプロセスが如実に描かれています。
"僕がリーマン・ショックを通じて学んだのは、会社は決して外的要因で潰れるんじゃないということだ。会社が潰れる理由は内側にある。つまり、経営陣がしっかりと本質を理解していれば、たいていの問題は解決されると言ってもいいだろう"(本書P246より)
杉本氏は32歳で再起業。当時4人だった会社は2015年4月で300人の規模となっています。自己資本比率を意識した経営の重要性や、経営陣の機能について考えさせられますね。
3. 破綻-バイオ企業・林原の真実(ワック株式会社、2013年)
岡山のバイオ企業、林原の林原靖氏の自叙伝。過去の粉飾決算を指摘され、マスコミが多くの誤った報道を行い、最終的に民事再生に入った経緯を当事者視点で描かれています。
林原では研究開発に対する投資を長期で考えていて、30年スパンで回収できればといいと考えていた結果、銀行との暗黙の了解で、短期的に会計数値を修正していた、ということが粉飾決算の背景にあったようです。
"銀行というものは借りたいときに貸してくれず、要らないときに借りろ借りろと迫ってくる(本書P223より)"
また、破綻申請した後の問題も多く、「弁護士や会計士などは、中長期的な付き合いをしておかないといけない」と感じるエピソードが満載でした。
※動画インタビューもあります⇒「バイオ企業林原、倒産の背景:グローバル・リサーチ・アソシエイツ 林原靖氏」
まとめ
いかがだったでしょうか?
一般的には、銀行による融資がストップし、運転資金が枯渇してしまって倒産するケースが多いようです。
銀行依存の経営体質は見直すべきではありますが、事業を大きくするためには、融資という手段が取りやすいことも事実です。
リスクヘッジするところはちゃんとして、事業にチャレンジし続けることが大事ですね。ぜひ参考にしてください。