過労で倒れ、起業を決意

田舎をもうちょっと良くしたい

30歳のときに過労で倒れました。昼夜を問わずひたすら働いていたので、耳鳴りや頭痛が続いてしまって。
携帯の音でさえ身体が反応してしまうぐらい耳鳴りがひどくて、1か月半ほど病院でゆっくりしたことがあります。
100億円の投資で150億円の売上を作るのが、少し自分の中で矛盾があって。
その時に、「もうすこし自然に優しい仕事がしたい」「グレーよりもグリーンの仕事がしたい」「田舎をもうちょっと良くしたい」と思うようになりました。
農業で苦労している親族もいたりしたので、農業をもう少し見直してみたいということから、農業の分野で起業してみようと思ったんです。

起業の決意

自分の中で仮設定していたことがあります。未知なる分野なので、まずは35歳までトライして、ダメであればもう1回不動産金融業界に戻ろう、と。その業界に戻れば生活費を稼ぐ自信はあったので。
30歳から35歳まで、結婚と同時に起業をしてしまい、子供も生まれていたので、一緒に会社を設立した家内にはかなり苦労を掛けたのですが、彼女も農業を何とかしたいという想いがありました。
彼女も私のベンチャー時代をよく知ってくれているので、「突破力と企画力とパワーで35までやってみて、ダメだったら戻ってそっちで稼げばいい」という理解もあったので、農業を始めることができました。
ベンチャー時代に自分で稼ぐクセがついていたので、起業に対する不安は全くありませんでした。新しい仕事を作って稼ぐというのが当たり前だったので

働きたい人がいなかった

会社設立後は、社員が来なくて苦労しました。「農業は儲からない」というイメージから、働きたい若者が来ないのです。
動機が不純な人は、やはり長続きしなかったですね。
最近は若者の農業への考え方もだいぶ変わり、会社に有能な人が入ってくるようになったので、今は全くそんな問題はなくなりました。

経営者として大事にしていること

まずは、「自己責任」ですね。「他力本願にはなるな」というのは常に言っています。あとは本質を見極めることです。
最後に言うのは、「仕事は修行だ」ということです。
我々プロのビジネスマンなので、プロ野球選手と一緒で、常に修行をしないといけないんです。
まあ、アフター5だから飲みに行くという人もいいんですけれども、その時間に仕事している人と同じ土俵で戦った時にはおそらく負けるんですね。ベンチャーは厳しい社会です。
プロのビジネスマンとして40、50歳で花を咲かせるには、20、30歳のときにどれだけ働いたかで間違いなく変わりますので、「無理しない程度に無理しよう」と言っています。ただ、8時過ぎまでには帰ってほしいと。
それまでは必ず濃密な時間を過ごしてほしいという話をしています。

読者の方へ

ベンチャーでもたくさんの種類があり、最近ではゲームをつくるようなIT系の会社などが人気が高いようですが、我々みたいな農業ベンチャーは割とドメスティックで、1×1=100になるような世界観のビジネスではないんです。
ただ、今後、10年100年のスパンで考えると、残っている会社はどういう業種かを見極めた上で、ベンチャーは始めるべきだと思います。
きっと我々の会社は100年後も拡大し続けていると思います。
その代わりに、2〜3年後に売上が5倍10倍になるという会社ではないんですけれども、結局人生は死ぬときにどういう経験をしてどういう実績を残したかというのが重要だと思うので、そういった長いスパンでベンチャーを起こすべき、と私は思っております。
ですので、トレンドに巻き込まれないような企業理念のスタイルを貫いてほしいなと思います。
 
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