足りない人財、採用すべきか育成すべきか-コンピテンシーの導入

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深刻な人財不足。それは、経営者なら誰もが抱える悩みです。「人材」ではなく、会社の財産となる「人財」は簡単には手に入りません。
 
採用方法を見直せばいいのか、人材育成ノウハウを改善すべきなのか。人財確保のための評価方式の構築は、難題であるとともに重要なことです。
 
そこで、今の起業tvでは、人事系ワードの1つ、コンピテンシーとは何なのかを考えていきたいと思います。
 
コンピテンシーは、ハイ・パフォーマー(高業績者)の行動に着目する評価基準のことを指します。その種類やコンピテンシー・モデル、コンピテンシー・リストについて紹介していきます。
 

コンピテンシーとは、何なのか

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コンピテンシーは「高業績者に共通してみられる行動特性のこと」。
つまり「成果に結びつく行動とはどのようなものか」を示すものです。
 
コンピテンシーの始まりは、アメリカの心理学者マクレランドの、「外交官という難関試験を乗り越えたはずのエリートたちの間で、業績に著しい差が現れるのはなぜか」という研究からでした。
 
その後、さまざまな意味を与えられている概念ですが、今回は特徴の1つである「成果につながる行動特性」に焦点を置きます。
 
具体的なコンピテンシーの内容に関しては次項から紹介するとして、まずはそのメリット・デメリットを考えましょう。

コンピテンシーのメリット・デメリット

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まずデメリットですが、モデル設計に手間がかかります。汎用モデルといえるものが存在しにくく、企業ごとにカスタマイズして作らなければなりません。
また、事業内容の変更や環境の変化に応じてのメンテナンスも必要です。
 
次にメリットです。
1つ目は、成果に繋がりやすいということです。効果的なコンピテンシー・モデルは業績との結び付きが強くなります。
2つ目は、目に見える行動を評価することが基本なので、評価者の役割が容易になることです。また、評価の妥当性も向上するでしょう。
3つ目ですが、どのような行動をとれば成果が出るのか明確になるため、社員にとって行動指針のもとになり、モチベーションの向上も見込めます。
 
また、コンピテンシーは面接にも活用することができます。面接への活用法に関しては、また別の記事で取り上げます。
 

コンピテンシーの種類

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では、コンピテンシーとは、具体的にどのようなものなのか見ていきましょう。
 
まずはいくつか例を挙げます。
 
効率的であるかを評価するなら、
「目標・スケジュール・達成レベル・達成手段を明らかにしている」「達成手段を整理して優先順位を考慮したスケジュールをつくっている」
 
コミュニケーション力を見るなら、
「一度相手の主張を受け入れてから、自分の考えを主張する」
 
マネジメント層を評価するなら、
「その計画における自部門の役割やビジョンを、具体的かつ簡潔に部下に共有している」
 
などなど様々なコンピテンシーが考えられます。次はコンピテンシーの種類を見ていきます。
 

対象によるコンピテンシーの分類

まずはコンピテンシー評価の対象で、コアコンピテンシー専門コンピテンシーマネジメントコンピテンシーの3つに分けられます。
 
コアコンピテンシーは、全社・全員を対象とするものです。
例としては、「自分の考え、意見を率直に言う」などが挙げられます。
 
専門コンピテンシーは、営業や開発など、それぞれの職務に応じたものです。
例としては、「エクセルでの資料作成を迅速に行っている」「顧客に満足を与えるポイントを明確かつ簡潔に説明している」などがあります。
 
マネジメントコンピテンシーは管理職を評価するためのものです。
例は「部下との報告・連絡・相談を活発に行い、意思の疎通を図る」などです。
 
評価対象が異なるため、これらコンピテンシーは分けて考えた方が効率的です。
 

内容・特性によるコンピテンシーの分類

コンピテンシーはその内容や特性によっても分類することができます。
しかし、対象による分類とは異なり、こちらには決まった分類は存在しません。各企業で自社に合った分類を作る必要があります。
ここでは、いくつか代表的な例をあげます。
 

  1. A.自己成熟性…冷静さやストレス耐性、ビジネスマナーなどの指標
  2. B.変化行動・意思決定…自立志向や自己革新、チャレンジ性などの指標
  3. C.対人(顧客)・営業活動…親密性やプレゼン力、人脈などの指標
  4. D.組織・チームワーク…同僚との関係、ムードメーカー性などの指標
  5. E.業務遂行…専門知識、文章力、コスト意識、計画性などの指標
  6. F.戦略・思考…視点の広さ・深さ、論理思考やアイデア力などの指標
  7. G.情報…情報の収集・整理・伝達などの指標
  8. H.リーダー…理念・方針の共有、部下への配慮、公平さなどの指標

(株式会社あしたのチーム、コンピテンシーマスターより)
 
成果達成志向/コミュニケーション/チームワーク/マネジメント/部下育成/顧客満足/自己研鑽/行動・時間管理/論理的な問題解決/関係構築の10種類(日本生産性本部 生産性労働情報センターより)
 
コンピテンシーの種類について学んだところで、次はいよいよ導入手順を考えていきます。

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