投資家や事業会社からお金を集め、そのお金を将来性のある企業(ベンチャー企業)に投資して、会社が大きくなった時にその回収することで、収益を得る会社をベンチャーキャピタル(VC)といいます。
その中でも、特に起業したての会社(一部起業前もある)に出資するシードアクセラレーターというVCが注目されています。
彼らが何者で、どのようなタイプの会社があるのか、またタイプごとに目的がどう違うのか、簡潔にまとめてみました。
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シードアクセラレーターとは
出典:www.katu.com
VC(ベンチャーキャピタル)の一種であり、特に起業したて、もしくは起業前のベンチャー企業に投資するものを言います。
投資の段階は「起業前」→「起業初期」→「成長期」→「拡大期」に区分することができ、これは「シード」→「アーリー」→「ミドル」→「レイター」とも言いかえることができます。
このシード期の企業に出資するため、シードアクセラレーターという名前で呼ばれているのです。
シードアクセラレーターは、ビジネスモデル全体ではなく、サービスやプロダクトの優位性、創業者チームの資質などを重視して投資するという特徴があります。
というのも、彼らが持っている組織的な強みや資産(ケイパビリティ)が最重要であり、ビジネスモデルは軌道修正しながら成長していくことが多いためです。
投資額は、最低限でも数百万円からとなっていて、起業家にとっては少ない自己資金で起業できる環境が整いつつあるのです。
日本のシードアクセラレーターの分類
政府系:日本の高い技術力を生かし、海外展開の可能性を秘めた企業に出資することが主な目的
◎株式会社 産業革新機構(http://www.incj.co.jp/)
金融機関系:早い段階で企業と関係性を築き、将来の融資先の開拓が主な目的
◎SMBCベンチャーキャピタル(http://www.smbc-vc.co.jp/)
◎ニッセイ・キャピタル株式会社(http://www.nissay-cap.co.jp/)
◎みずほキャピタル株式会社(http://www.mizuho-vc.co.jp/)
◎三菱UFJキャピタル(http://www.mucap.co.jp/ )
事業会社系(CVC系):事業上のシナジー(相乗効果)が主な目的
◎Intel Capital Japan(http://www.intelcapital.com/jp/)
◎株式会社サイバーエージェントベンチャーズ(http://www.cyberagentventures.com/)
◎株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ(http://www.nttdocomo-v.com/)
◎株式会社リクルートインキュベーションパートナー(http://www.recruit.jp/company/group/japan/)
◎グリーベンチャーズ株式会社(http://www.greeventures.com/ja/)
独立系(事業会社):成長可能性のある企業に出資し、株式売却による利益を得ることが主な目的
◎B Dash Ventures株式会社(http://bdashventures.com/aboutus.html)
◎アーキタイプ株式会社(http://archetype.co.jp/)
◎株式会社insprout(http://www.insprout.com/)
◎モバイル・インターネットキャピタル株式会社(http://www.mickk.com/)
独立系(個人):自身の経験を活かした後進の育成や、株式売却による利益を得ることが主な目的
◎ANRI(http://anri.vc/)
◎Femto Growth(http://femto.vc/fgc.html)
◎MOVIDA JAPAN Inc.(http://www.movidainc.com/)
◎株式会社サムライインキュベート(http://www.samurai-incubate.asia/)
シードアクセラレーターが果たす役割とは?
出典:www.propertydocumentverification.com
シードアクセラレーターは若い起業家のチャレンジに火をつけてきました。その結果、続々と起業者数が増加しています。
しかし、起業した後について、当然支援側も責任を持っていなければなりません。
出資先の経営が苦しくなったら出資額が回収しようとするのではなく、出資先がどうすれば回復するか一緒に考える気概が必要だと思います。
短期的な視点ではなく、中長期的な視点に立って、投資事業を行っていくことが今後も求められるでしょう。
シードアクセラレーターと一言でいっても、いろんなタイプがあることがわかります。
政府系は、日本から海外進出し、外貨を稼いでくれる企業に出資したいでしょう。
金融機関系は、出資先が大きくなった時に、融資しやすい関係作りを作りたいでしょう。
事業会社系は、事業をする上で、自社にない技術やノウハウを学びたいでしょう。
ベンチャー企業にとっては、彼らの目的を意識した上で、出資してもらう先(アプローチする先)を考える必要がありそうです。