ミシュラン星付き級の料理人が腕をふるい、高級店の3分の1の価格で提供する。
そんな珍しい経営の方法で話題を呼び、次々と「俺の」シリーズの店舗を拡大している会社をご存知でしょうか?
今回は、俺の株式会社がなぜそれほど人気を集めたのか、その秘密に迫ります。
俺の株式会社とは?
出典:http://www.oreno.co.jp
実は、創業者の坂本孝社長は、中古本販売チェーンを運営するブックオフコーポレーション株式会社の創業者でもあります。彼は1990年にブックオフを創業し、16年間で1000店舗まで拡大させました。
その後、日本でのファーストフードの台頭により、一流の料理人が作った和食の素晴らしさ、和食の美味しい料理の店舗を忘れてしまっている人があまりにも多いと気づくタイミングが訪れます。そこで和食文化の危機を感じた坂本氏は、「飲食業界の将来のために立ち上がらねば」と考え、2011年9月に俺の株式会社を創業。東京・新橋に「俺のイタリアン」をオープンしたことから、事業はスタートしました。
その後、2012年には、証券業界から飲食業界に転じた異色の経歴の持ち主で、社長の右腕として活躍することとなる安田道男常務と共に「俺のフレンチ」、「俺の割烹」などを続々とオープンしました。
常識を覆す、坂本社長が掲げる方針
出典:http://www.oreno.co.jp
坂本氏の方針は明快であり、「ミシュラン星付き級の料理人が腕をふるい、高級店の3分の1の価格で提供すること」、そして「社員のキャリアパスプランの構築」である。
その方針の元で、顧客を1日3回転以上させ、フード原価率60%超えであったとしても、利益を確保すること。そして料理人が1人前になるのに10年かかると言われる業界で、個別のプロ養成プログラムによりわずか2年でそれを実現しようとしています。
さらに、経営理念に「飲食事業を通じての地域社会への貢献」を掲げており、特定した地域内に集中して店舗を出店する”ドミナント効果”を狙った出店戦略をとっているのも、1つの特徴と言えます。
行列をつくるために
出典:https://stat.news.ameba.jp/news_images/20130716/20/bd/01/j/o06000287kakuza2.jpg
「俺の」シリーズの店舗に行列ができる理由としては、①ミシュランの星つき高級店で活躍してきた料理人を起用②最高級の食材を惜しげもなく使用③驚きの低価格での提供、などが挙げられています。
さらに特徴的なのは、他社の店舗だけでなく「俺の」シリーズの他の店舗との競争により、自分の店舗にいかに長い行列ができるかの工夫が重ねられているということです。行列をつくるためには、自社内でのカニバリズムも厭わないのです。
まとめ
「基本立ち飲み形式」「高級食材をふんだんに使用した料理が、驚愕の価格で出されている」という、今までになかった出店方法が話題を呼び、その感動を味わったお客さんの口コミが、また新たに行列を形成していくのです。これはまさに、狙い通りといったところではないでしょうか。
そして注目したいのは、型破りなビジネスモデルの一方で、経営学の基本に忠実な「ドミナント効果」を狙った出店戦略がなされていることです。
これからも店舗拡大を続けるであろう俺の株式会社は、間違いなく、飲食店で地域社会に貢献して行ってくれることでしょう。
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