アメリカでは女性起業家は男性の2倍
現在、アメリカ企業のトップが女性であることは、珍しくありません。
実際、ある調査では、アメリカの全企業の内23%の会社は女性が経営する企業というデータがあります。
皆さんが良く目にする大企業のトップも女性である場合が散見されます。ペプシコのインドラ・ヌ―イ氏、ヒューレット・パッカードのメグ・ホィットマン氏、デュポンのエレン・クルマン氏などが有名です。
以前より女性のトップが目立っていたヘルスケア・教育サービスでは、既に61%も企業が女性によって経営されています。さらに歴史的に男性が中枢を務めていた自動車業界でも、2014年にメアリー・バーラ氏がGMのCEOに就任しました。
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しかし、女性がプロフェショナルな分野へ進出し始めたのは、アメリカといえども約20年前からと言われています。それ以前は、女性は管理部門や秘書部門へ配属される傾向が強く、特に大企業では重要なポジションに付けないケースが多かったようです。
そのような環境下、野心的な女性は自ら起業を行います。この20年間の統計でみると、女性の起業家は男性の2倍の数を数えます。その先駆者で20年以上も経営者を務めている経営のプロがいます。それがStrobe社CEO Julie Schoenfeld氏です。
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Schoenfeld氏 完璧なプロフィール、起業家からプロ経営者へ
Schoenfeld氏は、タフツ大学でエンジニアリングを学んだ後、ハーバード大学でMBAを取得します。
エンジニアでMBAを保有する超エリートの学歴を得たSchoenfeld氏は、ヒューレット・パッカードに勤務します。Product Line Managerとして働き、その後、転職し主にマーケティングの分野で頭角を現します。
1998年にNet Effect社のCEOに就任したSchoenfeld氏は会社の価値を上げ、同社はUS$2.88億(約315億円)で他社に買収されます。
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しかし1990年代のアメリカでは、女性の経営トップはまだ一般的ではありませんでした。そこでSchoenfeld氏は、起業を行うことを決断します。
2000年にOEwaves社を起業したSchoenfeld氏は、順調に会社を大きくします。彼女に転機が訪れたのは2007年でした。デジタル出版のソフトウェアを開発するPerfect Market社のCEOに招かれたのでした。
OEwaves社のボードメンバーを続ける傍ら、Perfect Market社でCEOに就任したSchoenfeld氏は、技術的なエリアからマーケティングまで幅広い分野で自ら陣頭指揮を行い、同社を成功に導きます。
2014年にPerfect Market社は、コンテンツマーケティングソフトウェア会社大手のTaboola社に買収をされます。買収額は非公開でしたが、高額での売却であったことは疑う余地がないと、業界関係者は言います。
Schoenfeld氏のさらなる挑戦
Perfect Market社はTaboola社に売却されましたが、その後のSchoenfeld氏の動きは迅速でした。Taboola社のアドバイザリー・ボードメンバーに名を連ねながら、2014年に新会社Strobe社を設立し、CEOの職に付きます。
Strobe社は自動運転のテクノロジーを開発する会社です。2015年にデジタルウーマン、トップ50(Digital LA)にも選ばれたSchoenfeld氏は、新たな分野で自らのデジタル技術で、勝負に出ます。
最後に
Schoenfeld氏は、女性起業家にとって成功する秘訣は何かと聞かれて、次のようにコメントしています。“STEM教育(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)は女性にとって批判的な場合があるが、非常に重要なものである。女性が高校に入る前の早い段階で、テクノロジーやエンジニアリングの世界に触れることが大切である。スタートアップを行う上で、STEMの教育を受けていることは大きな武器になる”
さらにSchoenfeld氏は、“売上をゼロから100万ドルにするステージが一番苦労する。売上1000万ドルを2億ドルする方がはるかに簡単である”と歴戦のプロ経営者ならではのコメントを出しています。
女性経営トップが少なかった20年前から、経営者を続けているSchoenfeld氏の言葉には重みを感じます。