11月28日、分散ストレージソフトウェアを開発するIzumoBASE株式会社は、グローバル・ブレイン株式会社から1.6億円を調達した。調達した資金は新機能の開発やパートナー企業とのソリューション提供の拡大に充てられる見込み。
ライターの視点
『ストレージ』って言葉、聞いたことはあっても実態は何なのかよくわからない人も多いですよね。おそらく「データを保存できる領域」のことであり、デバイスの中にあるものと外にあるものに分けられます。
IzumoBASEは、この「ストレージを真にインフラにする」ために設立されたストレージ専門会社です。「IzumoFS」というSoftware-Defined Storage(SDS)※の開発と提供を行っています。
前世代のSDSが特定の領域に限られた利用だったのに対し、「IzumoFS」は従来型ストレージから、拡張性や可用性をさらに高め、従来型ストレージでも実現の難しかった要件や機能をソフトウエアで実現し、次世代のSDSを担っています。
クリエーションライン株式会社や株式会社ネットワークバリューコンポネンツ、ユニアデックス株式会社などと協業しており、大手企業の複雑な案件にも安定して対応しているようです。
今回資金調達が実施できた理由として、出資者であるグローバル・ブレインの熊倉次郎氏は、「クラウド領域のソフトウエアベンチャーを数多く見てきた中で、IzumoBASE社はストレージに関する圧倒的な知見と技術力を持ち、今後ますます需要が拡大するストレージ市場において、高い優位性が示せる稀有な会社であると確信し投資を決定いたしました。今後は国内のみならず世界で戦っていける会社になることを期待しています。」と述べています。
たしかに、業界の成長性と業界内での優位性があれば、投資対象として魅力的だと思います。ベンチャー企業にとって知りたいのは、「いかに自分たちの優位性を伝えるか」だと思います。
今回の場合、代表の荒川淳平氏が情報処理推進機構(IPA)のスーパークリテータ選ばれていることが大きいでしょう。過去の調達ニュースのNota,inc. 洛西氏もそうでしたね。
国が認めるクリエイターだからこそ外部の企業との連携がうまくいき、資金調達もスムーズに進んだのでしょうか。ぜひ今後の動向に注目しましょう。
※Software-Defined Storage( SDS ):従来は専用のハードウエアで実現していた高拡張性や高可用性などを、仮想化技術によりソフトウエアとして実現したストレージです。ソフトウエア化することにより、システムごとの異なる要件に合わせてハードウエアを柔軟に変えることができ、その上で同一レベル以上の機能性を持った、費用対効果の高いストレージを提供することが可能となります。(プレスリリースより抜粋)
会社概要
IzumoBASEはストレージソフトウェア製品「IzumoFS」の開発・販売を行う。
「IzumoFS」は従来型ストレージよりも拡張性・可用性をさらに高め、従来型ストレージでも実現の難しかった要件や機能をソフトウエアで実現している。
設立は2012年、本社は東京都文京区にあり、代表取締役は荒川淳平氏である。