ITと農業の新たな出会い
出典:farmship.co.jp
今、世界には73億人の人々が住んでいます。増え続ける世界人口は2100年には112億人に達するとも言われており、急激な人口の増加が食糧不足を招くのではと懸念されています。
多くの人の命を支えるには多くの食べ物が必要ですが、日本は食糧自給率の低下や農業人口の高齢化・減少が深刻な問題になっています。
そんな日本の農業が抱える問題に最先端技術を使って解決しようとしているのが、株式会社ファームシップです。
ファームシップでは、ビッグデータを使った大規模な植物工場を運営しており、農業の生産性の向上と食料流通の合理化を通して、日本の農業の新たなミライ作りに挑戦しています。
株式会社ファームシップの取り組み
出典:farmship.co.jp
株式会社ファームシップでは、静岡県富士市にある国内最大規模を誇る研究所兼植物工場で安定した野菜の栽培を実現しています。
このような水耕栽培での農法は、水と光があれば狭い空間でも育てられること、不要な菌がつかずに育てられるため衛星的にも良いことなどから今最も注目されている栽培方法なのです。
また、株式会社ファームシップの工場では機能性を持った野菜を作ることができるため、消費者のニーズや販売者の意見を取り入れた形や栄養価を変えた野菜が栽培されています。
普通のライトよりも短期で野菜が育ち、電気代も抑えられるというメリットがあるLEDライトで栽培された農作物を市場に流通させるだけではありません。
農家の流通支援も行われている株式会社ファームシップでは、海外への販売にも力を入れられており、近年の和食ブームを通して本物の日本の野菜を世界中の人々にも届ける役割を担っています。
株式会社ファームシップ代表取締役・安田瑞希氏
出典:vimeo.com
イノベーティブなシステムを農業に導入した株式会社ファームシップで代表取締役を務める安田氏は福岡出身の1981年生まれ、若きCEOです。実家がもともと花卉農家という安田氏は農業の面白さも大変さも肌で感じながら育ちました。
農業の未来に不安を感じながらも明治大学農学部へ進学、卒業後に渡米します。アメリカの大規模農業法人にてバラの生産管理及び販売業務に従事しました。
そこでMBAホルダーが経営の舵を取り、会計士が財務を行うといった「経営のプロが行う農業」に感銘を受けて帰国します。
公認会計士の資格を取得し、新日本有限責任監査法人やウォール・ストリート・ジャーナル・ジャパン社勤務を経て、大規模植物工場事業運営会社の事業企画責任者として再び農業の世界に戻ったのです。
2014年に大学時代からの盟友でもあった北島正裕氏と同社を設立され、古いしきたりときれい事だけではできない厳しさがある農業の世界で、農業の新たなカタチを模索しています。
ファームシップのこれからの船出
株式会社ファームシップでは、インドネシア、台湾やイギリスの企業と提携や新たなビジネスの展開が計画中です。
日本国内だけでなく世界的にもより効率的でそれぞれの文化に合った野菜を栽培することは、これからの市場拡大に向けた農家に向けられた課題でもあります。
TPPや気候の変化といった、個々の努力だけでは乗り切れない難しい時節に直面している農業界ですが、多くの人を笑顔にし、農業の魅力を世界に発信するために今日も株式会社ファームシップは大海原を航海中しています。