行き詰った時どうしますか?

引用:gahag.net
経営を行っていく上で立ちはだかる様々な壁。
人材育成が上手く出来ない、市場の変化についていけない、経費削減が思うようにいかない、新規事業が波に乗らない、ライバル社と差別化が図れないetc...
様々な困難が立ちはだかるのは日常茶飯事です。
そんな状況を目の前にしてどのように対処していきますか?

今回は経営戦略の一つであるデコンストラクションという手法を学ぶことによって、行き詰った時の打開策の見つけ方を考えていきましょう。

デコンストラクションの意味


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デコンストラクションとは、バリューチェーンの再構築です。

ボストンコンサルティンググループ(BCG)が提唱した経営戦略で、そもそものデコンストラクション(deconstruction)の日本語訳は「脱構築」となります。

一言で脱構築を説明すると、既存の構造を俯瞰し再度新たに構築することです。

デコンストラクションは、経営を行う上で通らなければいけない様々なシチュエーションを、異なった視点から観察し分析します。
デコンストラクションを行うことによって新規事業や新しいビジネスモデルを生み出せる可能性があります。

さらに言えば、既存のビジネスモデル、既存の流通チャネル、既存のバリューチェーンを多角的な視点で見直すことによって変革を起こすことも出来ます。

デコンストラクションを行いたい、そうは言っても日頃から意識していない限り多角的な視野を持つことは容易ではないでしょう。
どこに意識を集中すれば、新規事業や新しいビジネスモデルを生み出すきっかけを見つけることが出来るのでしょうか?

次の章では、世界でも有数の戦略系コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ(BCG)が提唱している「5つの目の付け所」をご紹介します。

デコンストラクションを行う際に目を付けるべき5つのポイント


引用:gahag.net
ボストンコンサルティンググループが提唱している5つのポイントは以下の通りです。

➀費用対効果の低い所はどこか
②自社の事業が顧客のバリューチェーンの一部なのか、それとも全部なのか
③自社の事業でネットワークによって影響を受ける所はどこなのか
④自社の戦略的資産の中で負債となるものは何か
⑤どんな新しい活動・能力が必要となるか

上記の5つのポイントに絞って、自社のビジネスモデルがどのような特徴を持っているのか整理してみましょう。
自社の事業が他社と比較してどのようなポジティブに位置しているのか、広い目線でも考えていきましょう。
目を付けるべきポイントがある程度絞られた中で行うことで、主観を程よく取り除いた客観的な視点で分析することが可能となります。
第三者的視点で冷静に見つめ直すことが出来た時に、デコンストラクションを行うための最初のきっかけに気付くことが出来るのではないでしょうか?

デコンストラクションを理解するために必要なもう一つの知識についてもご紹介しましょう。

デコンストラクションとバリューチェーンの関係性


引用:gahag.net
デコンストラクションを行う際に、具体的に行うことは主に2つだけです。
バリューチェーンの分解、そしてバリューチェーンの再構築です。
デコンストラクションを行うためにはバリューチェーンを分析し、バラバラにし、再度作り直すことを行うことで、今まではなかった変革を起こすことが可能となります。

ここで、そもそものバリューチェーンの意味を再度確認しておきましょう。

バリューチェーンは大きく分けて二つの要素で構成されています。
一つが主活動と呼ばれる流れで、もう一方が支援活動と呼ばれる部分です。

主活動の一連の流れ

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バリューチェーンにおける主活動は時系列順にスタートからゴールまでの一連の流れがあります。
➀購買物流(Inbound logistics)⇒②製造(Operation)⇒③出荷物流(Outbound logistics)⇒④マーケティング・販売(Marketing,sale)⇒⑤サービス(Service)
上記の5つの要素が主活動を構成する項目にあたります。

デコンストラクションを行う時は上記のような主活動の流れの中で、自社の事業が対象としている部分はどこにあたるのか、脅威は何なのか、ということを考えながら分析しなければなりません。

支援活動の項目

バリューチェーンにおける支援活動は時系列に関係なく、原則どの時も必要となってくる項目です。
➀全般管理(Firm infrastracture)、②人事・労務管理(Human resource management)、③技術開発(Technological development)、④調達(Procurement)
上記の4つの要素が支援活動の主な内容にあたります。

デコンストラクションを行う時は上記のような支援活動の中に、費用対効果が低い部分はないか、自社のみならず業界同士を比較してみたときのこの市場の弱み強みはどこか、ということを考えながら分析しなければなりません。

バリューチェーンを改めてしっかり理解した上で、デコンストラクションの事例をご紹介しましょう。

 

デコンストラクションにおける新ビジネス創出の4つのプロトタイプ

型を事前に知った上で、自社のビジネスモデルを当たはめることは効果的なやり方の一つです。
目の付け所によって全く違う特徴を表面化することが出来るので、様々なビジネスモデルに対応することが出来るはずです。

レイヤーマスター(専門分野特化型)

ある特定の分野に圧倒的な付加価値を付けることによって他所を寄せ付けない競争優位性を確立するという企業です。

バリューチェーンを全て持ってる企業が、自社のビジネスモデルの中で他者と差別化するために行うものです。

実際はメーカーなどのバリューチェーン全てを抱え込む企業ほど、その中で特化するという意識が欠如しがちな傾向にあることも事実です。

成功事例としては、半導体に特化したインテルやOSに特化したマイクロソフトなどが典型例として挙げられます。

オーケストレーター(外部資源利用型)

最も重視したい活動に対して注力する一方で、他の活動についてはアウトソーシングするなど外部資源を活用するという企業です。
まさに選択と集中という経営戦略を体現した型となります。
企業が使えるリソースは限られているために、資源が分散してしまうことはリスクだと考える企業が行う一つの手法でしょう。

成功事例としては、パーツ生産などの項目はアウトソーシングに頼り、パソコンダイレクト販売をするDELLやHP社などが典型例として挙げられます。

マーケットメーカー(既存チャネル改善型)

既存のバリューチェーンを分析し、業界全体として弱みとなっていたチャネルに目を付け、チャネルとしての新しい市場を創り上げる企業です。
まさにバリューチェーン全体を俯瞰するほどの広い視野を持って第三者的観点から冷静に分析した時に、チャネルの効率化という点で他者と差別化できると判断したのでしょう。

成功事例としては、中古車販売における不透明な値付けを買い取り専門店とすることで明確化したガリバーなどが典型例として挙げられます。

パーソナルエージェント(顧客第一主義型)

顧客目線になって顧客にとって利便性の高いサービス機能が何かという点で消費者を支援する形のビジネスモデルを創り上げる企業です。
販売代理店として存在していたビジネスモデルではなく、顧客のニーズに一番応えるために購買代理店としてのポジションを確立させました。

成功事例としては、多数の販売店舗の情報やアドバイスなどを情報を集約させた楽天やAmazonなどが典型例として挙げられます。

総評:デコンストラクションとは

デコンストラクションの意味、目の付け所、活用事例など、ここまでご紹介してきました。
実際にデコンストラクションを行うためには、まず自社のことをしっかりと理解することが必要不可欠となってきます。

自社分析を客観的に行った上で、ミクロからマクロへの視点に移行し、広い視野での位置づけを把握することで、弱み強みが見えてくるはずです。

自社の資源がどれくらいあるかを相談し、弱みを補うのか。それとも強みを伸ばすのか。
経営判断を繰り返し繰り返し行っていくことによって、デコンストラクションを行うことが出来る糸口を掴むことが出来るでしょう。

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