「CRM」聞いたことありますか?

2016年にビジネスの世界で注目を集めているキーワードの1つが「CRM」です。
みなさんは、この「CRM」についてご存知でしょうか?
今回は、2016年、知っていて損はない「CRM」の実態を探っていこうと思います。

CRMの歴史とは?

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出典:www.vapartners.ca
CRMは“Customer Relationship Management”の頭文字を取った言葉で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
一人ひとりの顧客に関する情報をもとに、顧客と良い関係を築きながら末長いお付き合いを目指すマーケティング手法のことを指します。
CRMでは、顧客情報を管理するためにシステムを導入することがほとんどであるため、取り入れるシステムそのものをCRMと呼ぶこともあります。
 
1990年代後半、CRMは画期的な仕組みとして大きな注目を浴びました。
しかし、初期はシステム導入のために多額のコストを費やすばかりで、成果を出せないケースが多発してしまったのです。
これは、CRMシステムを導入しただけで満足してしまったり、うまく使いこなせなかったりしたことが原因だと言われています。
 
こうして、「難しい」「コストがかかる」というイメージによって一時は下火となったCRMでしたが、最近になって再び関心を集めています。
その主な要因は、現代のマーケティング戦略にあると言えるでしょう。
バブル経済期などとは異なり、現代の市場においては新しい顧客を次々と捕まえることが難しくなりました。こうした状況の中で、すでに抱えている顧客に対してアプローチをかけることが重要視されているのです。
 
ここで効果的なアプローチを手助けするのがCRMです。CRMは、それぞれの顧客の性別や年代、利用状況などを把握することで、一人ひとりの顧客に適した対応や商品案内を可能にします。良質なリピーターを確保できる手段として、CRMが求められているというわけです。 

押さえておきたいアルファベット3文字用語

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出典:www.womenshealthmag.com
CRMに関連する用語には、CRMと同様にアルファベット3文字で表されるものがいくつか存在します。そんなアルファベット3文字用語も合わせて押さえておきましょう。

SFA(Sales Force Automation)

SFAとは、「営業支援システム」と訳される通り、営業担当者が効率的に業務をこなせるようにするための情報システムのことを指します。
 

ERP(Enterprise Resource Planning)

ERPとは、企業が持っている資源を有効に活用できるよう、統合的に管理していく手法のことを指します。
資源管理のために取り入れるシステムそのものをERPと呼ぶこともあります。
 

SCM(Supply Chain Management)

SCMとは、原材料の加工から商品として顧客の手に渡るまでの物資の流れを「サプライチェーン(供給の連鎖)」ととらえた上で取られる手法です。
サプライチェーンの中で効率よく取引ができるよう、取引をする物資についての情報を管理・共有することを指します。情報管理のために取り入れるシステムそのものをSCMと呼ぶこともあります。
 
これらはCRMと同様に情報システムを用いて問題解決を目指すものですが、どれも社内環境を整えることに重点を置いています。
それに対し、「顧客情報管理」と訳されるCRMは、その名の通り顧客に目を向けたものです。
顧客のことを考えてマーケティングを行うことができる点が、CRMの強みだと言えるでしょう。

CRMを導入するとどう変わる?

実際にCRMを導入すると、どのような変化が見られるのでしょうか。一例として、CRMを導入している企業をご紹介します。
 

ソフトバンク・テクノロジー株式会社

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出典:web.kamel.io
ソフトバンク・テクノロジー株式会社は、働きやすく、かつ業務を効率よく行えるようにすることを目指してCRMを導入しました。
CRM導入前は、情報管理の方法が個々に任されていたため、顧客データの集計にかなりの時間を要していたと言います。CRMを導入したことで、手軽にきちんと顧客管理ができるようになりました。
さらに、個々が入力した顧客データは営業チームのメンバーにも共有されるため、個人の力に左右されない営業活動を可能にしています。
 

三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社

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出典:www.informatica.com
三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社は、コストの削減とアフターサービスの強化を目指してCRMを導入しました。
CRM導入前は、顧客からの問い合わせを受け付けるためのコールセンターが6つに分かれていた上、それぞれ異なるシステムを使っていました。
CRMの導入に伴い、一部のコールセンターを統合し、すべて同じシステムを使うようになりました。
その結果、さまざまな場面で時間をかけなくて済むようになったり、どのコールセンターでも同じ品質のアフターサービスを提供できるようなりました。

CRMベンチャーの例

近年、勢いのある企業の多くは、マーケティング戦略においてCRMを重視しています。
たとえばAmazonやGoogleでは、顧客1人に対して1つのIDを持たせ、そのIDによるサービスの利用状況を取りまとめています。
そうすることによって、サービスAに登録した内容をサービスBにも反映させたり、利用履歴からおすすめサービスを紹介したりと、顧客が「便利だ」と感じる仕組みを実現させています。
近年、CRMを専門的に扱うベンチャー企業も増えてきました。ここからは、その中から2つのCRMベンチャーを紹介していきます。

株式会社インフォキューブ

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出典:weekly.ascii.jp
Webマーケティングを手助けするためのCRMを提供しているベンチャー企業です。
マウスの軌跡を示すデータなどから、Webサイトを訪れた顧客がどのような順序でページを閲覧し、どんな内容に関心を持っているのかといったことを解析することで、購買につなげる手助けをしています。
 

株式会社ジオベック

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出典:www.geobeck.com
美容系の業種に向けて、顧客関係管理システムを提供しているベンチャー企業です。
美容系の事業に役立つ顧客情報を一元的に管理することを可能にしています。
CRMらしく、管理している顧客情報をもとにして、顧客へのアプローチや様々な分析をするための機能も充実しています。

CRMまとめ

効果的なマーケティングを行うためには、顧客の行動パターンや顧客が本当に求めていることを知る必要があります。そこで欠かせないのがCRMなのです。
上手にCRMを取り入れられれば、あなたの会社が“勝ち組企業”に仲間入りすることも夢ではないかもしれません。

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