コンピテンシー導入のための7ステップ! 評価モデルをどのように構築していくのか
コンピテンシー導入の7ステップとは
今回は、コンピテンシー導入のステップを7つに分けてみます。
1.全体のプランを決める
最初にコンピテンシー導入のための全体の計画を策定します。
なぜコンピテンシーを取り入れることにしたのか、コンピテンシーを取り入れたあとの目標は何なのかも確認しておきます。
2.コンピテンシーの抽出を行う
コンピテンシーは高業績者の行動特性です。自社の中でその基準にある社員を選び、ヒアリング、アンケートなどを用いてコンピテンシーの抽出を行います。
このとき、上で示したようなコンピテンシー項目をある程度絞っておくことで、抽出がやりやすくなります。
また、自社で調査するだけでなく、参考になりそうなコンピテンシー・リストをチェックするのもいいでしょう。いくつかの一般的なコンピテンシーは公開されています。
3.コンピテンシー・リストの作成
コンピテンシーの抽出が終わったら、いよいよコンピテンシー・リストの作成に取り掛かります。
どのように評価を行うのかを示す評価モデルの作成も同時に行います。詳しい作成手順は次の章で紹介します。
4.評価を行ってみる
コンピテンシー・モデルができたら、実際に評価を行ってみましょう。
評価モデルに従って、自己評価、そして複数の他人評価を実施します。この時点で評価が難しかったり、差異が小さすぎたりした場合は改善の余地ありです。
5.コンピテンシー研修とキックオフ
社員全員に対してコンピテンシーの研修を行います。
評価方式やそれぞれのコンピテンシーの意味の共有、各部署内でのルール決めなどが求められます。
キックオフミーティングも大切です。
「これから始めるぞ」という意識を全社員が持たなければコンピテンシーの効果は大幅に下がってしまうでしょう。
6.導入開始
待ちに待った導入開始です。
7.導入後の効果測定と修正
コンピテンシー導入によって何が変わったか、その変化と当初計画してた目標のギャップはどの程度か、修正すべき点はどこかを測ります。
7ステップ終了後も、経営環境が変化するたびにアップデートが必要になります。
大手人材コンサルティング会社のコーン・フェリーの調べでは、コンピテンシーありの高業績企業の約7割が2,3年でモデルをアップデートしているようです。
コンピテンシー評価モデルの作り方
最後に、前章のステップ3で飛ばしたコンピテンシー評価モデルの作り方を紹介します。
コンピテンシー評価モデルは抽出したコンピテンシーを設定した項目ごとに分類して整理したものです。
さらに、それぞれのコンピテンシーの定義、行動基準を設定し、日々の職務の中で具体的にどのような行動が当てはまるのかを明示していきます。
例)「部門内で効果的なコミュニケーションをとっている」
→「部門内で、報連相を適切な手段で行い意思疎通を図っている」
→「部門内で、メモや文章を書き、明確かつ簡潔な情報伝達を行っている」
評価は5段階で行うことが一般的です。どの程度その行動ができていたのかをチャックしていきます。
評価欄は、「自己評価欄」「他者評価欄1」「他者評価欄2」などとするのが良いでしょう。自分と他人では、その行動ができているのかの評価はかなり違うものです。そこに気が付くことも成長につながるでしょう。
コンピテンシーの分類、具体的な定義づけ、評価基準、及び評価シートが揃えば、基本的なコンピテンシー評価モデルは完成です。あとは、それぞれの会社に合った形でアレンジしていくと良いでしょう。
コンピテンシーでスター社員大量育成
出典:free-illustrations.gatag.net
コンピテンシー導入には大変な手間がかかります。それでも、コンピテンシーが社員の育成・評価にもたらすメリットは大きなものです。
優秀な人の真似をすることは、成長の基本です。学ぶことは学ぶ(まねぶ)ことから始まります。ぜひコンピテンシーを取り入れて会社の育成・評価体制を強化しましょう。