会社経営は事業を運営する上ではどうしても資金が必要になるものです。

「お金さえあれば、やりたいことができるのに…」と思われる経営者の方も多いのではないでしょうか?

とは言っても、「借金はあまり負いたくない」と考えるのが経営者の心理だと思います。

 

経営者の中には“無借金経営が一番企業にとっては大事”と考える方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。

 

今回は、無借金経営が本当に企業にとってプラスになるのか、そのメリット・デメリットについて解説したいと思います。

無借金経営のメリットとは?

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出典:www.sheelamasand.com

無借金経営のメリットについては正直それほど述べることはありません。簡単にメリットを挙げると以下のようになります。

 

①利息を支払わなくてすむ

②借金返済に追われなくてすむ

③外部の取引先からも信用される

 

以上の点が無借金経営のメリットと言えます。要は「(借り入れがある状態よりも)外部への支払いを気にせずに経営が出来る」ということです。

無借金経営のデメリット=借り入れることのメリットは?

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出典:www.inc.com

「借り入れを行うことにメリットは無い」と思われる方もいるかもしれませんが、借り入れを行うことで以下のようなメリットを挙げることができます。

 

①外部の取引先からも信用される

②金融機関から情報収集が可能になる

③負債の規律づけ機能が働く

④レバレッジ効果が働く

 

それでは1つずつ説明していきましょう。

 

①外部の取引先からも信用される

あれ?と思われた方も多いかもしれません。そうです、無借金経営のメリットと同じことを書いています。しかし間違ってはいません。

金融機関から資金を借り入れるということは、金融機関側が“貸し付けたお金をこの会社からなら回収することが出来る”という前提の下に貸し付けたことになります。

すなわち、与信について銀行からお墨付きをもらっているわけです。これが外部の取引先からも信用される要因となります。

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出典:www.sciencedaily.com

 

②金融機関から情報収集が可能になる

金融機関とパイプを作っておくことで、いざと言うときに金融機関側から必要な情報を入手することが可能になります。

金融機関は持っている情報量、組織力がそもそも違います。当然他社の財務状況等の情報を教えてもらえることはないですが、場合によっては「○○の会社が売りに出された」といった情報が入手できることもあります。

また、筆者自身も一般事業会社で海外進出を手伝っていた際、某大手金融機関から現地の外資規制のレクチャーを受けたり、現地の会計事務所や弁護士事務所の一覧表を頂いたり、現地出向者の住居探し等を手伝ってもらった経験があります。

こういった時には「やっぱり現地に支店とかある企業は組織力、持ってる情報量が桁違いだ」と感心したことをよく覚えています。

 

③負債の規律づけ機能が働く

負債が存在する場合は、企業は利子や元本を支払わないといけません。これは経営者にとって自由に使える資金が減少するということを意味します。

したがって、結果的に経営者による無駄な投資が抑えられ、経営者に効率的な経営に対するインセンティブを与え、経営者の規律づけが負債の存在によって可能になります。

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出典:www.forexbrokerz.com

 

④レバレッジ効果が働く

レバレッジ効果とは、負債の利用により、株主資本利益率を高めたり低めたりする効果のことをいいます。株主資本利益率は以下の算式で算定することができます。

 

ROE(株主資本利益率)=ROA(総資本営業利益率)+(ROA-負債利子率)×負債/自己資本

 

この算式を眺めてみると、(ROA-負債利子率)>0の時に、負債を利用すればするほど、レバレッジ効果を享受することができ、株主資本利益率の向上につながります。

少し小難しい話になりましたが、投資から得られる利益率よりも借入金の利子率が低いならば、積極的に借り入れを行い事業に充てることで株主資本利益率は上昇するということになります。

その他、負債を増やすことで、利子の節税効果が働き企業価値が高まるということも挙げられますが、この場では割愛します。負債を利用すれば企業価値が高まるのだと覚えておいてもらえればいいと思います。

 

 

いかがでしたでしょうか?借り入れを行うことは、一概にデメリットがあるとは言えません。デメリットよりも大きな効果をもたらす場合もあります。

しかし、一方で闇雲に借り入れを増やせばいいという訳でもありません。自社の資金繰り状況等を頭に入れながら慎重に行うことが必要です。

今後、事業拡大を図っていきたいという考えがある経営者の方は、一度外部の専門家と今後の展望等について相談しながら、借り入れの要否を検討してみるのもいいかもしれません。

 

 

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