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CGMの盛り上がり
メディアといえば、新聞や雑誌といった紙媒体に始まり、テレビやラジオなどの電波を利用した媒体が長年の主流でした。
しかし、通信技術が発達し、インターネットが台頭してきて以来、様々な形のメディアが登場し続けています。
そんな数あるメディアの中でも、昨今注目を集めているのがCGMです。今回はCGMについて紹介します。
そもそもCGMとは?
出典:liginc.co.jp
CGMとは“Consumer Generated Media”の頭文字を取ったもので、その名の通り、「消費者によってつくられるメディア」のことを指します。
各種ブログをはじめ、Yahoo!知恵袋のようなQ&Aコミュニティ、TwitterやFacebookなどのSNSもCGMの一種とされています。
一般的なメディアに掲載される情報は、そのメディアを運営する編集者やプロのライターによって作成されることが多いものです。
しかしCGMでは、消費者の手で書かれた口コミなどの情報がコンテンツとなり、メディアを構成しています。
消費者目線の情報を得られることが、CGMの特徴であると言えます。
CGMが注目された背景
出典:twitter.com
CGMが注目されるようになった背景には、インターネットを通じ、誰もが簡単に情報を発信できるようになったことがあります。
その最たる例が、個人が持つWebページやブログです。
ホームページを作成するための知識がなくとも、ブログサービスなどに登録するだけで、個人が思い思いに自分の考えを発信できるようになりました。
また、「2ちゃんねる」などの電子掲示板もCGMが注目を浴びることになった一因といえるでしょう。
個人によって多方面からリアルタイムな情報が書き込まれることで、ときにテレビのニュース以上にすばやく臨場感あふれる実況をも可能にしています。
こうした個人の情報発信力を結集させることで、それまでになかった形で暮らしに役立つコンテンツなどが提供できるようになり、CGMが脚光を浴びることとなったのです。
CGMのポイント
上手にCGMを成り立たせるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、その中でもとくに重要な5つのポイントを紹介します。
①消費者用の個人ページを設ける
出典:www.gruenes-personal.de
インターネットの特徴として高い匿名性が挙げられますが、気軽に情報発信ができる一方、発信された情報が信頼されにくいというデメリットがあります。
CGMにおいて、情報を発信する消費者一人ひとりが個人ページを持つことで、発言者の存在が明確になり、たとえハンドルネームを使ったとしても信頼性を得ることができます。
また、情報を発信する消費者自身に発言への責任を持たせ、根拠のない情報や悪意のある発言を控えさせる点でも効果的です。
②情報をカテゴリごとに整理する
出典:naldzgraphics.net
ただ消費者からの情報を並べておくだけでは、単なるブログやSNSでの発言と何ら変わりのないものになってしまいます。
CGMを成り立たせるためには、アクセスしてきた人が目的に合った情報を得られるよう、提供された内容をカテゴリに分けておくことが必要です。
③気軽に共有してもらえる仕組みを用意する
出典:www.bodyandsoul.com.au
消費者からの情報がなければ、CGMは成り立ちません。
たくさんの情報を提供してもらうためには、多くの人にCGMの存在を知ってもらう必要があります。
そこで、既存のユーザーが情報を提供した際、同時にTwitterやFacebookなどでシェアしてもらえるようにしておきましょう。
ユーザーから提供してもらう情報そのものも、あまり小難しい話ではなく、気軽に共有してもらえるような内容にすることも大切です。
④「私もやってみたい!」と思わせる見せ方をする
出典:www.verticalresponse.com
既存のユーザーにCGM内の情報を共有してもらい、多くの人の目に触れたとしても、シェア内容を見た人が次のユーザーにならないことには、CGMの衰退は逃れられません。
利用者自身が必要な情報をリストアップしておくことができる機能など、利用することでメリットを感じられる要素を設けると、ユーザーの獲得につながるでしょう。
この際、既存のユーザーが共有した情報の中でメリットが見える形にしておくことが重要です。
⑤情報操作は絶対に避ける
出典:www.clipartbest.com
CGMがCGMとしての本領を発揮するのは、たとえつたない表現だったとしても、実体験に基づいた情報が提供されている場合に限ります。
「より質の良い情報を届けよう」などとヘタに手を加えたものは、不思議と見透かされてしまうものです。ヤラセだと思われてしまえば、CGMに対する信用問題にも関わりかねません。
いかがでしょうか?
以上の⑤つのCGM成功のためのポイントを押さえ、消費者の生の声を集めることに注力していきましょう。
CGMで成功したサービスは?
出典:girlschannel.net
CGMで成功したサービスの代表格といえば、レシピ紹介サイト「クックパッド」です。
2016年1月現在、クックパッドには226万のレシピが掲載されていますが、その大半がユーザーの投稿した内容で構成されています。
CGMとしてこれほどのボリュームを得られたのは、投稿してもらうレシピそのものの価値を重視し続けたためだと言えます。
レシピを見た人が料理を作ってみた様子を投稿できる機能を設けたことで、1つのレシピに新たなアレンジなどの幅を持たせられた上に、レシピの投稿者に「役に立っている、投稿してよかった!」と思わせることに成功しています。
ポイント稼ぎなどを目的とせず、レシピというコンテンツを提供すること自体にモチベーションを与えられたことが、CGMで成功できたカギだと言えます。
CGMの失敗例は?
出典:www.upsidelearning.com
CGMで失敗してしまう例としては、コンテンツの需要や供給が足りずに盛り上がらないというケースもさることながら、よかれと思って取った手法が裏目に出てしまうというものも少なくありません。
例えば、あるレンタル電子掲示板サービスでは、誰もが簡単に掲示板を持つことができるという点が受け、多くのユーザーを獲得しました。
しかし、各ユーザーの掲示板への愛着が強く、収入減となる広告を思うように挿し込めなくなってしまい、結果として、財源が確保できずにCGMとして運営を続けることが難しくなってしまったのです。
また、あるコミュニティサイトでは、気軽に情報提供ができるようにとの配慮から匿名での投稿環境を整えました。投稿内容に関する責任は運営者が負うことにしたのです。
すると、誹謗中傷や批判といった悪質な投稿が殺到してしまい、裁判沙汰となった上、運営者に対して多額の損害賠償が請求される事態を招いてしまいました。
CGMを運用する際には、思わぬところで取り返しのつかない状況を引き起こしてしまわないよう、十分に気をつけなければなりません。
CGMまとめ
いかがでしたか?
ポイントさえしっかりと押さえれば、上手にCGMを成り立たせることができると思います。
CGMに興味のある方は、ぜひ1度取り組んでみてはいかがでしょうか。