フリーミアムの定義

「フリーミアムとは何ですか?」と聞かれて正確に答えられる人はどれほどいるでしょうか。
フリーミアムとは「無料で基礎的なサービスを利用することが出来る一方で、さらなる高品質のサービスや機能を利用するためには料金が発生する仕組みのビジネスモデル」のことです。

出典:写真AC
上記の画像のように左手に持っている黄色の箱が無料で利用できるサービスや製品とし、右手に持っている青色の箱が有料で利用できるサービスや製品とします。フリーミアムビジネスは黄色の箱を選ぶ人が大多数を占めるにもかかわらず、ほんのわずかな青色の箱を選択する方々の存在によって成り立つビジネスモデルです。

実際にスマホアプリなどではフリーミアムの形を取ったビジネスモデルが数多く存在します。
たとえば、無料のスマホゲームで「序盤は無課金でサクサクとストーリーを進めることが出来たのに中盤以降から急に難易度が上昇した」という経験。
その際に有料版限定の機能がその無料アプリ内にて販売しており、無料版では機能性能等が足りず有料版にすることの誘惑から購入したという人もいるでしょう。

ではフリーミアムのビジネスモデルが主流となったのはどのような経緯があったからでしょうか。
過去から現在までの流れを追っていきたいと思います。

フリーミアムの変遷


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実際に今、私たちの周りにはたくさんのフリーミアムのビジネスモデルが多く溢れており、上記で述べたようにフリーミアムビジネスで成功しているビジネスは数多いです。
時代の流れからすると明らかにフリーミアム時代と言えるでしょう。

しかし1世代前は異なる仕組みが主流でした。
いわゆる「ウォーターサーバーは無料で支給ですが水は定期購入してください。」といった場合や、「携帯機器本体は無料でプレゼントしますが、月々の通話料通信料はかかります」といったものです。
無料という響きでお得なように感じますが月々のランニングコストがかかってしまうために、結局はお金を払っている状態になるという仕組みでした。

しかし現代になり無料の戦略も形式が変わりました。上記で述べたようにユーザー全体の一部が有料で使ってくれれば大半のユーザーは無料でも構わないという仕組みです。

そして、まさにこの仕組みを成り立たせるために大きな役割を果たしてくれたのが「デジタル化」というものでした。

デジタル化が進んだことによってデータの複製を容易に行えることが可能になり、一つ作ってしまえば10人に配るのも100人に配るのもコスト面でそれほど大差なく低いコストで行えることが出来るようになったのです。

これこそ、フリーミアムというビジネスモデルが誕生しここまで普及した理由であり、「ユーザー全体の10%が有料で使ってくれれば残りの90%のユーザーは無料でも問題ない」という仕組みが成り立つことになったのです。

この仕組みがフリーミアムの本質であり
この仕組みを理解することこそがフリーミアムにおいて最も大切なこととなります。


フリーミアムのリスク


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しかし上記で述べた流れで成立したフリーミアムにも課題は存在します。数々のフリーミアムモデルのビジネスが成功を収めることなく終わっていくこともまた事実なのです。
フリーミアムのビジネスが失敗する時に最も共通して発生していること、それは「ユーザーにとってそのサービスが無料で当然」という認識で固定化されて終わることです。
無料で利用してもらったは良いものの、その後の有料版に魅力を見出すことが出来ず終わってしまった最も悲しい末路だと言えるでしょう。

そのためフリーミアムのビジネスを行う際には
無料で利用する時点でそのサービスが便利で必要不可欠なものだと、きっちりユーザーに思わせなければなりません。
そしてその上で、

②ユーザーに無料時のサービスと有料時のサービスの価値の差を強く意識づけしなければなりません。
簡素な言葉で言い換えるならば、
➀日常的に無料でそのサービスを使うことが当たり前になり
何らかの要因から、
②-1有料版にせざるを得ない or ②-2有料版への魅力が止まらない!
のどちらかを創ることができれば、フリーミアムビジネスの成功率は格段に上がるでしょう。

※今回は②-1を「環境要因」そして②-2を「依存要因」と名付けることにします。

フリーミアムの「環境要因」による成功事例

先ほど紹介した「有料版にせざるを得ない」という状況とはどういう場面のことでしょうか。数ある種類のフリーミアムモデルにおいては、期間制限型や人数制限型などが挙げられます。
よくその状況に置かれた方々が口をそろえておっしゃるのは「使えないと困る!」という声です。クラウドサービスなどで頻繁にみられる光景でしょう。


出典:Drop Box
具体例としては"Drop Box"が挙げられます。このサービスは「無料で利用してきた容量では今後は足りなくなってきてしまうので、お金はかけたくないが有料版にするしかない!」という制限された状況によってユーザーを有料版へと推し進めるという一つの事例です。
見方を変えてみると
「無料版を堪能し尽くした」=「無料で利用していたら容量がなくなった」という環境によってユーザーが有料版への選択を迫られている状況であることが分かると思います。

また別の具体例として"Slack"というチャットツールが挙げられます。こちらはメッセージ数の上限を10,000件と明確な基準を設けることによって有料版にしなければ引き続き利用することが出来ないという絶対的な状況へと仕向けています。
先程と同様の環境要因が働いていることが分かるでしょう。

フリーミアムの「依存要因」による成功事例

またもう一つの「有料版への魅力が止まらない!」という状況とはどのようなサービスでしょうか?
こちらは数ある種類のフリーミアムモデルにおいて、 冒頭で示したように有料アイテム課金型や機能制限型などが挙げられます。
その状況でよく聞かれるのが「もっと便利に、もっと使いやすくなりたい」という声です。機能制限が解除されたり、限定コンテンツなどのサービスを受けることが出来たりと、幅広いシーンで頻繁に垣間見ることが実際に出来ると思います。

出典:cookpad
例えば"クックパッド"です。こちらのサービスは料理レシピのコミュニティウェブサイトとして多くの主婦層から不動の人気を獲得しています。
こちらのサービスは無料でも問題なく使用することが可能なのですが、有料版へと移行することによって管理栄養士やダイエットのプロが考えたレシピを閲覧することが出来るという機能が追加されます。
つまりこのフリーミアムは、日々の献立を考える際に日常的に使用している依存度の高い人々にとって、クックパッドを「有料版にすると、より便利にもっと使いやすくなるという魅力溢れるコンテンツ」になっているのです。

こちらも見方を変えると
無料版からさらに便利になった有料版を「使用したいという積極的な欲求」から有料版へと動機づけられていることが分かるでしょう。

また有料版になることによって割引などのコスト削減ができるサービスを提供している場合も存在します。
その具体例としては"Amazon"が挙げられます。こちらは有料会員になることによって送料が無料になったり色々な特典がついたりします。つまり普段Amazonを使用するランニングコストの削減を行える形になっているのです。現在では音楽やビデオなどの+αとしての限定特典を付けたりしてユーザーにとってより魅力的なコンテンツへと充実させるべく機能制限型のフリーミアムモデルが働いております。

フリーミアムで成功するための差を分けるポイント

フリーミアムビジネスで成功を収めるかどうかのポイントとは、ユーザーにとってそのサービスが必要不可欠なものであり、かつ有料版と無料版の差別化が綺麗に行えているかどうかです。

無料版を使用していたユーザーに明確に有料版の魅力を伝えることが出来るかどうかは、どこまでユーザー目線に立つことができ、また無料版で出来ることと有料版で出来ることの絶妙な線引きを行うことが出来るかにかかってきます。

その際にフリーミアムのビジネスモデルとして成功した上記2種類のビジネスモデルの要因、環境要因なのか依存要因なのかを見極め、落とし込むことによって、フリーミアムビジネスとしてはじめて成り立つのではないでしょうか。

新規事業を失敗させないためには


企業が新規事業で失敗しないためには、フリーミアムモデルをはじめとする新規事業に関する知識をしっかりと理解し、その上で課題をしっかりと深掘りし、解決策を見つけ、小さく改善を繰り返していくことが大切になってきます。

フリーミアムモデルの最低限の知識を知っている、いわば新規事業創造のための型を知っているということは失敗のリスクを直接的に下げることができることに他なりません。

カスタマージャーニー、エンパシーマップ、AARRR指標、PMF、CPF、VRIO分析、ユニットエコノミクスなどなど……。

みなさんはどれほどの知識があるでしょうか?

知識があるというだけで、失敗のリスクは劇的に減ります。
そして知識を活用できる段階に入ると失敗のリスクはさらに下がります。

これから起業や新規事業を興す人が先ほど挙げたような語句を理解していないと、成功させることはかなり難しいと思われます。

しかし、知識はもちろん学べばいいのです。

これまで起業や新規事業、マーケティング系の記事を書いてきた起業tvの運営会社アントレプレナーファクトリーとAmazon経書関連40週連続1位の『起業の科学』執筆者田所雅之氏がコラボした、新規事業創造の型を身につける動画サービスが「enfacスタートアップサイエンス」です。

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