11月21日、ケアプロ株式会社は、地域ヘルスケア産業支援ファンドから資金調達した。調達額は明らかにされていない。調達した資金は検体測定室の出店計画に充てられ、医療界の課題解決のスピードアップを図る。
ライターの視点
地域経済活性化支援機構という言葉が、あまり聞き慣れない方も多いかもしれません。
前身は2009年10月設立の株式会社企業再生支援機構です。2014年9月、地域経済活性化支援機構は「地域ヘルスケア産業支援ファンド」という官民ファンドを設立しました。運営者は子会社であるREVICキャピタルと経営コンサルティング企業のAGSコンサルティングです。
今回、投資対象となったのは予防医療事業(セルフ健康チェック)や在宅医療事業を手がけるケアプロという会社です。
ケアプロはSFC Entrepreneur Award 2007で”The Best New Market Award”を受賞したり、「日経ソーシャルイニシアチブ大賞2013」で国内部門賞に選出されるなど、さまざまな場で評価されています。
ヘルスケアビジネスは「地域における雇用の創出」「地域コミュニティの活性化」「医療費の抑制」の一石三鳥の効果が期待できる分野だと言われています。
経済産業省も厚生労働省と連携し、「地域ヘルスケアビジネス推進フォーラム」を地域ごとに開催し、2014年9月に東京で1回目が開催されました。
大企業では、来年度から健康診断にメンタルヘルスを実施しないといけない法律が決まっていますし、国だけでなく、企業・個人のヘルスケアへの関心も高まっているようです。そういった市場の成長性が出資につながったのではないでしょうか。
ケアプロは2015年1月、駅構内では初となる検体測定室「小田急ケアプロ登戸店」をオープンする予定で、今後5年で50店舗の出店を計画しています。
検査は「血糖値」「中性脂肪」「肺年齢」「骨チェック」など用意されていて、1項目500円から受けることができます(1コイン検診と言われています)。受診者は結果をその場で確認でき、看護師が自己採血サービスをサポートするなど、「安い」「早い」「安心」を提供しています。
ケアプロが提唱する『通勤・通学・買い物の途中に、ちょっと立ち寄り、ちゃんと健康』は実現できるのでしょうか。注目してみましょう。
会社概要
ケアプロは「革新的なヘルスケアサービスを提供して健康的な社会づくりに貢献すること」を理念とした会社である。予防医療事業(セルフ健康チェックの直営店・出張イベント)や在宅医療事業(訪問看護ステーションの運営)、健康データ管理事業(ケアプロモニター定性・定量調査)を手がけている。設立は2007年、本社は東京都中野区にあり、代表取締役は川添貴志氏である。