今回のインタビューは、株式会社レシードの大江栄年代表取締役にお話を伺いました。

(インタビュアー:菅野 雄太、撮影者:高田 梨菜)

経歴

1983年和歌山県すさみ町生まれ
19歳 ギターリストとして講師業、作曲作編、スタジオミュージシャンとしてプロ活動を行い生計をたてる
21歳 ビジネス世界を知り、経営の世界に入る
23歳 通信ベンチャーを立ち上げる
25歳 ITベンチャーを4人で立ちあげる
26歳 webベンチャー会社で3年コンサルティング業務を行い通販、販促、物流、設備業界を中心に200社以上のクライアントへの新規開拓、コンサルティングを行う
29歳 2012年4月株式会社レシードを起業

成長し続ける海外事業


-御社の事業内容について教えていただけますか?
基軸としている事業部は、インターネット通販会社のコンサルティングを行っています。通販会社の収益化と経費削減の支援です。収益化に関しては、マーケティング面、ホームページ制作から広告など、いろいろな戦略を考えています。
経費削減に関しては、販促物や物流などの見えにくいコスト改善などの支援事業を行っています。そしてもう一つ、SPプラットフォーム事業です。
世界中の販促物やセールスプロモーショングッズを日本やアジアで作り、それを世界中に配送するというシステムを構築しています。ある分野に関しては日本ですでにNo.1を獲得しており、大手IT企業とも取引しています。
実はそのビジネスモデルで、中国・インドネシアなどの貿易航路を確保しながら通販会社の物流面、世界中からの配送ルートなどをサポートする事業も行っています。
-売り上げとしては海外事業の方が大きいのでしょうか?
約70%程度の売り上げ率です。成長率でいうと、SPプラットフォーム事業が年間200%以上成長しています。

自分で天職を見つけ事を成すという使命


-どのような環境で幼少期を過ごされたか教えていただけますか?
幼少期は一言で言うと、やんちゃ坊主ですね。あまり人の言うことを聞かなかったです。自分で考えて行動したかったので、自分がいいと思ったものは突き進むという感じでしたね。
勉強は好きだったので、比較的良くできたと思います。余った時間で絵を描いたり、趣味の時間に使っていました。
-ご実家はどういった家系だったのですか?
水道屋です。商売の家系で、大学に行くという発想はゼロでした。
卒業したら手に職をつけるという環境の中で育ってきたので、常に自分で事業を考えたり、何か新しい道を見つけなければならないという環境がありました。
それはキリスト教の影響も結構大きいかもしれないです。
プロテスタントの考えでもあるのですが、自分の天職を見つけて、それを仕事で事を成すことが神に対しての使命だという考えが刷り込まれていたような感じでした。
自分で何か事をなさなきゃならないということで、小さな頃から何かを探したり、人と違うことをしようという幼少期を過ごしてきたと思います。

音楽業界が儲かると思った

-その後、音楽の専門学校に進まれたということで、そこに至る決め手はあったのでしょうか?
決め手はシンプルで、14歳の時に受験勉強はすべて終わっていたので、「果たして何のために進学するのか」、「このまま何の目的もなくやると自分は絶対ダメになる」ということを高校に行く前の夏休みに真剣に考えました。
当時の音楽業界では、多くのアーティストが大ヒットしていました。「音楽業界は儲かる」と思い、プロデューサーになったら一番儲かると思いました。
でも、楽器か何かの技術がないとダメだと思い、ギターが一番安価で年齢がいっても技術的に追いつく、曲も作れる、歌も歌えるということで、総合的にこれが一番手っ取り早いだろうと判断しギターを始めました。
高校の時はほとんど遊ばず、1日最低18時間以上、音楽理論と技術を勉強しました。それぐらい熱中してやっていました。

エンターテイメント性を生かした価値を世の中に提供できたら


-ミュージシャンではなくビジネスの世界に踏み込まれた経緯を教えていただけますか?
音楽の専門学校に入って1年ぐらい経った時にはもう、商売を始めました。
自分のクラスのメンバーを全員生徒にしたり、結婚式場に演奏しに行ったり、曲を提供したり、ジャズバーで演奏したり、19歳から21歳まで音楽で商売をしていました。
その頃、実家の商売があまりうまくいかない状態になったので、「このままでいいのかな」と振り返りました。
「何のために音楽をやったんだとろうか」と考えた時、音楽は別に好きでやったわけじゃないんですよね。
一つの商売として成り立つこと、良い演奏をしたり、良い演奏をしたり良い曲を提供することで、自分が作ったサービスで人が喜んでくれる、そういう価値が提供できることに対して、自分は一番価値を感じていました。
そこで、音楽を置いて経営という世界で、ビジネスを通して自分のエンターテインメント性を活かした価値を世の中に提供できたら最高だと考えるに至ったのが決め手でしたね。
それまで社会を全く知らず、名刺の渡し方も電話の取り方もわからなかいところから、一から営業を通して鍛え上げました。

基礎を誰よりも徹底的にやる

-実際にビジネスマンとして働き、学べたことはありますか?
学べたというより、自分で全部考えたというところが強いと感じました。。
基本的に僕は基礎を大事にするので、基礎に対して徹底的に時間を費やしました。
例えば、テレアポなら何コールに対して何分でアポが取れて、どれぐらいの数値と計測化をするのか、それをコントロールするにはどういう勉強方法が必要なのかを全部計測しました。
その結果1日8時間ぐらい自分の録音を聴き続けて自分を研究し、それを基礎として営業の勉強をしました。自分のプレゼンテーションを録音して、文字起こしして何がダメなのかを研究しましたね。
これをやっていた理由として、音楽での経験が活きています。音楽は特に、「人の演奏したものを全部譜面化しろ」と先生に言われてよくやっていたので、それは営業でも一緒だなと思います。
その人の発音、なぜその言葉を使ったのかを全部フレームワーク化・仕組み化して、それを丸覚えすることが自然とできたので、営業の世界に入って1~2ヶ月以内には大きな成果が出せました。
-成果を出すためには基礎が大事ということでしょうか?
基礎を誰よりも徹底的にやらないとダメということです。だから音楽でまず始めたのは、音楽理論をマスターするということと、テクニックを全部基礎の部分からマスターするということを1日18時間ぐらい行いました。
特に人に営業の指導をしていると、基礎を飛ばしてすぐにテクニカルな部分に頼ろうとしてうまく成果が出ず、スランプに陥る人は結構多かったです。誰よりも基礎をこつこつやるべきですね。
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