ワクワクと癒しを実現させた、有田焼万華鏡
手に取れば心がおどり、癒される...そんな玩具をご存知でしょうか?
みなさんも幼い頃に見て衝撃を受けたであろう「万華鏡」ですが、今回ご紹介するのはただの万華鏡ではありません。
日本ではその名前を知らないほどの知名度がある「有田焼」と、長く世界中の人々に愛されてきた万華鏡の最強タッグを実現させた、「有田焼万華鏡」です。
出典:www.arita-mangekyo.jp
万華鏡をのぞいた時に味わえるワクワク感と、有田焼を見たときに体感できる心の安らぎや感動を同時に味わえるモノは、世界中を見てもなかなか存在しないでしょう。
有田焼という大きな伝統にひとつの彩が加えられ、さらに伝統に光が当てられて、強くてまばゆい光を放っています。
このタッグは、危機に瀕していた有田焼を救うことになったのです。
有田焼のピンチを救った佐賀ダンボール商会
有田焼はすでに400年以上もの大きな歴史があります。しかし、ここ最近は需要が減り、売上も大きく減少していました。
ピーク時には150億円を超える売上がありましたが、2011年にはそれが21億円にまで激減していたのです。
有田焼を展開している佐賀ダンボール商会は、有田焼復活の切り札として万華鏡とのコラボを考え出しました。
それぞれが確固たる伝統品であり、世界でも知名度があるもの同士ということで、注目が集まることは必至でした。
その予想どおり、円筒形の部分に有田焼を使用した万華鏡はまたたくまに広まり、1年で1億3000万円の売上を計上。
それからつくった有田焼万年筆については、洞爺湖サミットで好評を博すなど、佐賀ダンボール紹介は有田焼を見事復活させたのです。
出典:www.njh.co.jp
佐賀ダンボール商会の代表取締役社長である石川慶蔵氏は「有田焼の復活なくして地域の活性化はありえない」と、有田焼を復活させるために日々知恵を絞り、情熱を燃やし続けました。
そして、有田焼は非常に素晴らしい品物であるという固い信念があったからこそ、安らぎと楽しさを一緒に味わえるようなコラボ商品ができあがり、その商品を通して石川氏の熱い想いが伝わったのです。
医療面でも貢献?
出典:aritasu.jp
有田焼万華鏡を作り始めたのは、石川氏が大病を患い入院したことが大きなきっかけでした。
当時、石川氏が病室で万華鏡を覗いていると、まわりの患者さんや看護師の方がこぞってのぞきにきて喜んでいたそうです。
その光景を目にした石川氏は「万華鏡で多くの方に喜びを与えたい」と、退院後に伝統工芸である有田焼を使った万華鏡を作ることを決めました。
有田焼が醸し出す安らかな雰囲気が患者さの心に安らぎを与え、ワクワクすることで気力がみなぎってくるのです。
病気の治療に大事なのは「楽しむこと」という医師もいるように、病気の治療にもっとも重要な要素を有田焼万華鏡は提供しているのです。
まとめ
佐賀ダンボール商会が作り上げた有田焼の商品は単なるおもちゃとしての万華鏡ではなく、落ち込んだり悲しんだりしている人の心を元気づけるという点においても、大きく貢献しています。
今では、伝統工芸を復活させたこの有田焼万華鏡は地域にとってなくてはならないものになっています。
佐賀ダンボール商会の地道な力強い取り組みによる有田焼の復活は、多くの伝統工芸にも当てはめて考えることができるのではないでしょうか?