今回のインタビューは、株式会社MAKEYの代表取締役CEOである中村秀樹さんに「MAKEYのこだわり」「事業に影響を与えた出会い」「今後の展開」についてお話を伺いました。
【経歴】
慶應義塾大学法学部法律学科在学中に起業。それまで、Labit Inc『すごい時間割』、Howtelevision,Inc『外資就活ドットコム』でそれぞれインターンとして半年ほど勤務。現在は、MAKEYにて創業メンバー3人と共同生活をしつつサービス開発に専念。

メイクプロセスとコスメ共有アプリ「MAKEY」

我々は「MAKEY」というメイクのハウツーサービスを運営しています。
いわゆる「クックパッド」のメイク版のようなサービスで、一般人の方々が普段のメイク方法を写真と文章で共有し合うプラットフォームです。
現在のユーザーの多くは「F0(エフゼロ)」と呼ばれる10代の女子中学生、女子高生といった方々になります。
閲覧者の方々がF0層の方たちで、投稿者の方々は本当に幅広く、20代後半の方々や主婦の方々も投稿されているという状況です。

セルフィー文化に可能性を感じた

我々は2014年の8月に会社を興して10月頃からサービスを開始したのですが、その時はちょうど「セルフィー文化」が流行り出したタイミングだったこともあり、市場が盛り上がっていました。
自分の顔の写真をSNSに上げるという文化が生まれてきたということや、スマホアプリによる加工技術が飛躍的に向上してきたということもあって、この領域を選びました。
他社も今年に入ってから美容系のサービスが増えてきましたし、美容というジャンルにCGM(Consumer Generated Media)の要素も掛け合わされたサービスも結構出てきたので、今この業界は盛り上がってきていると思っています。

「ユーザーファースト、データファースト」へのこだわり

事業をやっていく中でこだわっている点は、「ユーザーファースト、データファースト」です。
僕らが思っていることよりも、データによって分かったことを優先しようと考えています
これを僕らができている理由としては、「男性のみでサービスを開発している」というところだと思っています。
 
我々の価値観が全く適用されない領域でサービス開発をしているので、マーケットのニーズに合わせて臨機応変にサービスを変えていく必要があります
そういった意味で、「ユーザーファースト」が大きな特徴になります。
あとは、使ってくれているユーザーの属性を見ても、この業界は常に変わり続ける環境にあるんですよね。
特にF0層が注目するファッションの領域では流行が常にものすごいスピードで動いていくので、そこに対して臨機応変に対応していくことは必要不可欠だと思っています。
それに関しては、3人という少人数体制で行っているというところがまた1つ特徴でもあるのかなと思います。

ユーザーの声を聞いて初めてわかったこと

サービスを始めたときはまだ学生という身分だったので、友人のつながりで手伝ってもらっていたというところは結構大きかったと思っています。
そのおかげでいわゆる女子学生団体とも繋がることができ、一緒に仕事をさせていただいています。
我々がヒアリングやマーケットニーズを調査するときに、雑誌の情報などをピックアップしてきてもらったりして参考になるお話をいただいたり、こちらからは企業との実績づくりの部分で貢献していたり、女子学生団体とWin-Winの関係を築くことができています
 
その中でヒアリングをしてわかったことは、我々のサービスでは「顔の写真を投稿し合わないとメイクの方法がわからない」ということがありますが、顔写真を投稿するのに抵抗がある方が結構いらっしゃいました。
そのほかにも、セルフィー文化によって顔写真を投稿するという敷居はある程度下がったとは言っても、閲覧者側が「純粋にメイク方法を見る」というところに行きつかなかったりするんですね。
それも全く我々では分からなかったところでしたが、「ある子のセルフィーを見たときに、セルフィーだけを見て感情が入り混じった状態で判断してしまって、その子がつくったメイク方法まで見にいかない」ということから、そこで離脱してしまう状態が見られました。
 
その問題を解決するために考えたのが、「セルフィーと一緒に使ったコスメの画像も掲載する」というところでした。
そうすることで、閲覧者はそのコンテンツをセルフィーだけで判断することなく、「私と同じコスメだ」「気になっていたコスメだ、このコスメを使ったメイク方法を知りたいな」というふうに思ってもらうという方法で、アプローチの幅を広げていくことができたというところは、ヒアリングをしてよかった点だなと思います。

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