お金の流れを通じてビジネスを理解したい
ー起業の経緯を教えてください
荒井: 私はませた子どもでして、小学校のとき、文集に「将来の夢」を書くと思いますが、あそこに「社長になる」と書きました。おそらく当時は、大きな会社に勤めて、出世をして社長になる、ただ偉くなりたいという気持ちだったと思います。起業しようと思ってそう書いたのではないと思いますが、子どものころからそういう夢を持っていました。
実際にアクションにつながってきたのは、大学3年生のときです。就職活動を始めたころに、なぜか私はそれになじめなくて、「会社をやってみようと思っていたなぁ」と思い出して、起業を意識し始めました。でもいきなり起業という度胸もなくて、ちょっと怖くて、起業する前に何か経験を積んでから会社を始めようと思いました。
何がいいかと思っているときに、大学の生協に資格学校のパンフレットが置いてあって、それを見ると「会計士がいい」と。企業の財務を通じてビジネスが理解できると書いてありました。私が一番いいなと思ったのは、お金の流れを通じてビジネスを理解することができるということでした。これだと思って、それで会計士になろうと思いました。
会計士になってから会社を始めましたが、私の頭の中は逆で、会社を始めるために会計士になりました。なので、辞めるときも違和感なく辞めました。
売り手も買い手も大きく変わるM&Aに心がときめいた
ーM&Aを事業領域として選択されたきっかけを教えてください
荒井:会計士として働いていたときに、上場の準備のお客さまが多く、非常に成長力が強く、事業展開の活発な企業が多かったです。自分が担当した会社の中の1社に、上場前からM&Aを活発にやっている会社があって、その会社を担当してM&Aというものに初めて触れました。
売ったほうも買ったほうも、会社が大きく変わるのを見て、心がときめき、M&Aの領域で起業することを決めました。