求められるリーダー像

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リーダーに求められているものは何でしょうか?
誰よりも仕事ができることが大切なのでしょうか?
 
リーダーに必要な能力は、チームメンバーに求められる能力とは大きく異なります。
メンバー管理、モチベーションの維持、チームのビジョンの策定と共有など、さまざまなスキルが要求されることになります。
 
そのような中、今リーダーには”才能のマグネット”になることが求められているそうです。これは一体何なのでしょうか。
 
今回は、アップルやフェイスブックをクライアントに持つコンサル会社ワイズマングループの社長、リズ・ワイズマン氏と、『エッセンシャル思考』の著者、グレッグ・マキューン氏らが提唱する「才能のマグネット」について紹介します。

才能のマグネット―人を惹きつけるリーダー

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出典:gahag.net
才能のマグネットは、才能のある人材を惹きつけ、彼らの能力を存分に発揮させることができる人のことをいいます。
優秀なリーダーである才能のマグネットはチームメンバーから最大の貢献を引き出し、仕事にやりがいを持たせます。
 
その結果、才能のマグネットのチームには人材の好循環が生まれます。
 
最初に、自身と魅力のあるリーダーがいます。彼は、優秀な人材の才能を見出し、能力を引き延ばすので、さらなる優秀な人材が生まれます。メンバーの市場価値があがるのです。
結果として、そのチームは「成長の場」という評判が出てきます。そうすると、意欲・才能のあるメンバーがまた集まってくるのです。
 
こんなリーダーになれればいうことなしですね。
では、一体どのようなことをすれば、才能のマグネットになることができるのでしょうか?
リズ氏らはその著書の中で「四つの実践」について述べています。

才能のマグネットの四つの実践

① どこにでも人材を探す

才能のマグネットは、自分の周辺だけでなく、広い範囲で常に新しい人材を探します。それと同時に、人の才能がさまざまな形で表れることを知っています。
才能の多様性を認め、既存の枠にとらわれない採用が才能のマグネットのやり方です。
 
現代ではこのやり方を助けるツールはいくらでもあります。Facebookやその他のSNSなどがいい例です。交流会などへの積極的な参加も重要です。

② 天賦の才を発見する

ここでいう天賦の才とは、自然に身に付いていて、簡単に自発的にできるもののことです。その性質から、メンバーの自発的な努力が期待できます。
また、この才能は本人にとっては当然のことであり、意識されていないことも多いです。
 
注意深い観察を行い、彼らの天賦の才を発見して、それを教えてあげるのが才能のマグネットの仕事です。

③ 才能を最大限に活用する

才能を見つけたら、その才能が発揮できるような環境を作らなければなりません。どれほどの才能があっても、それが活用できなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
 
時には組織構成や組織の常識を覆してでも、才能の発揮できる場所を用意することが才能のマグネットの目標です。

④ 障害を取り除く

周囲の人間の成長を妨げる人がいます。他人を上から抑えつけたり、足を引っ張ったりする人のことです。
このタイプのメンバーがいた場合、チームの成長に著しい悪影響があると思われます。早期に注意し、改善がなければ、本人がいかに優秀でも排除することが才能のマグネットの責任です。
また、リーダー自身がこのような障害にならないようにも気をつけましょう。

才能のマグネットたち

マーク・ザッカーバーグ

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Facebookを創り上げたマーク・ザッカーバーグ氏も才能のマグネットの1人です。彼は、チームが働く環境に気を配り、優秀な人財が才能を発揮できる場所を構築しています。
ちなみに、彼が採用の際に意識していることは「その人の部下になりたいか」だそうです。才能のマグネットには、メンバーを尊重する資質が求められます。

稲盛和夫

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京セラ、KDDIを創立し、JALの再生に貢献した稲盛和夫氏も、才能のマグネットとしての資質を見せています。稲盛氏は「従業員の幸せが第一」と述べています。
チームの理念を統一し、チームとしての安心感を与えることで才能の発揮に寄与しているでしょう。このようなチームには、さらなる優秀な人材が集まってきます。

松下幸之助

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経営の神様といわれる松下幸之助氏も才能のマグネットといえます。人の可能性を信じ、社員を信頼して仕事を任せ、その持ち味を発揮させ、成長を加速させました。この松下氏の人材観が、無名の町工場だった松下電器の大成長に寄与していることは間違いないでしょう。
 
もしあなたが彼らの下で働いてみたいと思ったなら、それは才能のマグネットの引力を体験しているということなのです。

企業の宝、才能のマグネット

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才能のマグネットは、人材の才能を伸ばし、企業の業績も伸ばします。
まさしく、才能のマグネット自身も企業の宝といえる存在です。
 
経営者にとっては、自分自身が才能のマグネットになることに加え、各リーダーたちが才能のマグネットになるよう働きかけるべきでしょう。
 
リズ氏とグレッグ氏の著作「メンバーの才能を開花させる技法」にはこの他にもリーダーに役立つ技法がたくさん載っています。ぜひ一度読んでみてください。

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