今回は、株式会社カブクの代表取締役である稲田雅彦さんに「幼少期や学生時代の過ごし方」「博報堂での経験」「トップとして大切にしていること」についてお話を伺いました。
(インタビュアー:嶋内秀之、撮影者:須澤壮太)
【経歴】
大阪府出身。2009年東京大学大学院修了(
カブク・稲田雅彦代表:「デジタルものづくりの領域は、全世界で戦える良い舞台」【前編】はこちら
Contents
町工場の多い町に生まれ、気づけばものづくりをやっていた
地元は東大阪で、町工場がすごく多い地域でした。そういった環境で育ったので、今思うと小さい時からすごくものづくりをやっていました。中学時代は、自分で楽器の機材を作ったり、エフェクターの機材を作ったり、あるいはゲームを改造したりということをやっていましたね。
高校・大学ではずっとバンドをやっていて、ライブハウスやバーでジャズやブルースをやるような音楽少年で、最初は海外の音大に行こうと思っていたのですが、そのための奨学金がおりないという事態が起こってしまいました。
そのときにどうしようか考えたところ、「楽器の機材でも作るか」と思いつき、電子工学科に移転をして大学に入りました。
大学でエンジニアリングを勉強しながら、DJをやっていたので自分のDJ機材を作ったり、クラブでもDJをしたりしていました。
そのあと、専門を人工知能という領域に変えて、人工知能にDJをさせたり曲を作らせるようなこともやったり、それでイギリスでライブするといったようなこともやっていました。
学生時代のキャリアビジョン
当時は、楽器メーカーに行こうか悩みましたが、クリエイター的な、技術を使ってメディアアートのようなことをすることもやっていたので、クリエイティブ的な分野にもすごく興味はありました。
単純に機材を作るというよりは、むしろソフト的なコンテンツを作るとか、あるいはそういうカルチャーを作るとか、そういったところにもすごく興味が出てきたので、最終的に博報堂への入社を決めました。
博報堂での「0から1をつくる経験」が起業に活きている
博報堂では5年近く働いていて、そこではいわゆる事業開発をやっていまして、社内での事業開発やクライアントと共同で行う事業開発を行っていました。
最初はマーケティングやクリエイティブのようなことをやっていて、テレビCMを作ったり、雑誌や新聞の広告を作ったりしていました。
広告の世界では特にそうだと思うのですが、「0から1のこと」をやる場合が多く、白いキャンバスに絵を何でも書いていいよというようなことが多いので、そういう「0から1を作る作業」がすごく起業に近いかなと思います。
人を巻き込んで会社の外で新しいことを
博報堂でも新規事業開発をしていて、博報堂グループ全体を交えた社内ベンチャー制度もあったので、社内で起業することも当然選択肢としてありました。
ただ、中でやるか外でやるかにはあまり大きな違いはないかなと思っていました。
僕の場合は、周りの人を巻き込んで新しいことをする場合には外でやる方が比較的やりやすかったというのがあり、外に出て起業する道を選んだという感じです。
起業時の葛藤
無いといえば嘘になりますが、ただ、そこまでのリスクは感じていなかったというのが正直なところです。
今後のベンチャーに期待すること
現在は、大学発ベンチャーが急激に増えつつあり、大学発VCもようやくこれから増えていくという状況です。
その中で僕が期待しているのは、IT以外の領域のベンチャーがこれからどっと増えてくることです。実際増えてきていますし、そうなるだろうなと思っています。
そこにはすごく可能性を感じています。
<PR>その税理士報酬適正ですか?何人でも税理士無料紹介「税理士ドットコム」