CTOとしての苦労とは?

エンジニアが働きやすい環境を


極力技術的な判断を現場に任せるようにはしています。ただ、「責任転嫁」が重要なポイントだと思っています。提案は現場からの提案ですが、それが予算内でできるかどうかの最終的な判断は僕がするというプロセスにしています。
基本的には「転職」はすごく重要な評価のツールになっていると思います。あんまり転職に関する考え方を狭めようとはしていません。なので、転職情報誌が机にあったり転職サイトを見ているから注意するということもありません。
ただ、僕ら経営者は、そこで転職されたら困る訳なので「比べてもこの会社にいた方がいいよね」というのを意識して管理しなければいけないかなと思っています。

オープンな市場を作る


僕らが十数年キープしているメリットは、「海外赴任の可能性」です。我々が経営者としてやらなければいけないのは、「自分たちが作ったシステムが外部に共有されること」だと思っていて、オープンな市場を作っていくことによって、この会社でつくった経験が他のところでも見えて、転職する際に使いやすくなるという状態にしようと思っています。

CTOになるなら、経営の数値に対する意識が必要


歴史的な話をすると、もともと CTOはアメリカだとCFOの部下として最初に登場したんです。どちらもコストセンターになりやすいので、コストをどうマネジメントするかという点で、上にCFOがいたということがあります。
そこからも汲み取れるように、経営の数値に対して意識がないとダメだと思います。
例えば、「パイソンがなぜいいのか」という問いに対して、技術的側面を答える人と、組織づくりという面で言語を見れる人がいます。そういった後者の視点を持っている人はCTOに向いていると思います。
逆に、言語の理論的なところを追求しすぎて雇用市場を考えなくなってしまうと、経営がおろそかになってしまうので。どんなにその言語が嫌いだったとしても、プロジェクトの推進速度やリソースの必要性で言語の選択ができるようなタイプは、CTO向きだと思います。

現場の不満と戦いながら、どうコントロールするか


経営していく上で、雇用をどうするかという話になった時ももちろんありました。事業を縮小しないといけないタイミングは必ずあるわけで、実はそれは1年前から見えていたりします。
特に僕らは継続したビジネスをやっているので、前年の新規顧客が少なければ次の年はもちろん少なくなり、売り上げは必然的に変わってしまいます。その年に、正規雇用の人たちをリスクの高いところに割り当てるというのは良くないと思います。
ですが、既存事業より新規事業が楽しいので、現場からは「なんで楽しそうな仕事を外注がやっているの?」という声もありますが、「この事業が切られるリスクが高いからだ」ということは言えないわけです。そうすると、不満と戦いながらどうやってコントロールするかということが重要になります。
「新しい事業を組み立てるのは将来につながるので、自分たちがやるべきだ」ということもあるとは思いますが、その事業をやめるとになった時に社員を切ってしまうことはできないので、その辺の判断は自分のビジョンの中でどこまで見えているかにかかってきます。そこでの葛藤はやはりありますよね。

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