収益の大半を占める月極駐車場に関わる事業とは?
➖事業内容に教えてください
菅田:我々は、企業理念の「遊休不動産を活躍する不動産に」を実現するため、主に遊休不動産をターゲットにした事業を展開しています。現状、月極駐車場に関わる事業が大半の収益を占めていますが、こちらは大きく2つの事業に分かれています。
1つは、インターネットを介した月極駐車場の検索サイトを運用し、そちらの問い合わせによる仲介業務が1つです。もう1つは、遊休で10〜20台空いて困っていらっしゃるオーナーさんの駐車場を、我々が一括で借り上げ、それを第三者に転貸するというサブリース事業が、もう1つの収益の柱です。
不動産×ITで、現地に行かなくても、駐車場情報をスマホ1つで簡単に探せる
➖事業の差別化のポイントをいただけますか?
菅田:我々は創業したときから、コーポレートサイトのトップページに「不動産×IT」というキーワードを置いていました。どうしても不動産の領域というのは、テクノロジー的に非常に遅れている部分が多々あり、ここでしっかりと「不動産×IT」を打ち出し、きっちり勝負していけば勝てるんじゃないか?というのが、そもそもありました。
月極駐車場はいろんな不動産屋さんがやっていて、登録されている宅建業者だけでいうと、全国で12万社もあり、半ば飽和している状況です。実は月極駐車場は、不動産屋さんもあまり触りたくない商品です。通常は家を仲介し、家の仲介手数料をいただきますが、駐車場は家より単価が低く、あまり不動産屋さんも触りたくないのです。
そういった部分を、我々が情報集約し、ポータルサイトを運用しています。元々は、月極駐車場の情報自体は全然マーケットに流通しておらず、それを我々が一元化し、情報をひたすら集め、それをユーザーさんに提供することで、非常に探しやすくなりました。
通常は現地に行くか、現地の不動産屋さんに聞かないと見つけられなかった駐車場が、今はもうスマホ1台で簡単に遠隔地でも探せるようになっています。そういったところにニーズがあったんじゃないか、と考えております。
実業をベースにしてIT化すること
➖不動産や駐車場の領域で上手くいかなかった会社と比べ、どのあたりが良かったのでしょうか?
菅田:1つ大きなところは、我々は実業をベースにしてIT化していることです。あくまでも不動産に×(掛ける)ITをしている状態です。昨今見ている感じですと、テックのほうから入り、不動産のことはあまりよくわからず、テックだけで押しているところは、あまり上手くいっていない、と感じます。
資金調達までは上手くいきますが、結局マネタイズできず、そのまま立ち消えていくところが多かったです。そういった意味では、我々は実業を起点にし、実業で本当に必要なテクノロジーを随時入れる進め方をしています。そのあたりが他社と比べると堅実だったのかもしれないですね。