私は自身で会社の印鑑を作り、添付書類をそろえ申請書類を作り、自ら法務局に足を運び、会社を設立しました。最近では、このような本人申請が増えているように感じます。
起業する際は、個人事業主よりも会社組織の方が信用があります。例えば、創業融資を受けたり、助成金等を申請する場合でも、法人の方が、都合のよい場合が多いです。一方で、起業の時にお金を節約したいというのも現実的な悩みです。
今回は、法人の中でも簡単かつ低コストで設立できる「合同会社」という法人の設立登記を、本人申請で行う際の手続きについて、私が会社を設立した当時の実例と反省を踏まえて、ご紹介いたします。
合同会社とは?
出典:http://www.fastweb.com/career-planning/articles/common-internship-interview-questions-and-answers
合同会社は株式会社と比べて大幅に設立・運営コストが安く、会社運営の自由度が高いので、特に新たに起業する方にとっては使い勝手の良い会社形態です。
他にも、飲食店、美容院、ネット販売等で既に商売している個人事業主の方の節税、資産家の方の相続や税金対策での資産管理目的会社などでも活用できます。
そのため、合同会社は、以前は知名度が低かったものの、現在ではそのメリットから、年間2万社近くの合同会社が新たに設立されています(H26年度実績)。また、いくつかの大手企業や外資系企業も合同会社という形態を利用することが増えています。
合同会社の本人申請設立手続き
出典:http://executivelp.com/leadership/read-contract/
それでは合同会社の本人申請による設立手続きを具体的に見ていきましょう。
(1)設立の前に準備すること
会社を設立しようと思ってもいきなりは設立できません。これは専門家の司法書士の先生に頼んでも同じです。まずは、設立予定日の1か月ほど前までに先に以下のものを自分で準備してください。
①会社で使用する実印
私は、面倒なのでネットで印鑑を発注しました。実印、銀行印、認印、スタンプの4点を購入し3万円程度でしたが、実店舗でももっと安く購入できるので、そのあたりはご自身の予算、時間、こだわりに合わせて対応してください。
②代表社員の実印と印鑑証明
③他の役員の印鑑と住民票(実印と印鑑証明でも可)
②③で注意するのは、代表社員の個人の実印と印鑑証明です。
実印の印鑑登録に期限はありませんが、自治体ごとに登録するので、過去登録していても住民票を移した場合や、一度も車や家を購入したことがなかったりする場合は、新たに登録が必要です。私や他の役員は、車や家の購入をしたことがあるので実印も印鑑証明も簡単に準備できました。
代表社員以外の役員は、住所の確認が取れればいいので印鑑証明までは必要ありませんが、私の場合は、志を同じくする大事な役員であるので、同じように実印を押してもらい印鑑証明もそろえてもらいました。
④各役員が出資金を振込み済とわかる代表社員の銀行等の通帳(記帳済みのもの)
代表社員の個人の口座に対して所定の出資金を各役員から振り込んでもらう必要があります。ATMでの現金入金はダメです。
口座番号と振込日・金額がわかるページをコピーにとって、黄色やピンクの蛍光マーカーで該当部分に線を引いておいてください
⑤20万円程の現金(含む出資金)
私の場合は、資本金には一切手を付けず、印鑑の費用、交通費、印紙代など全て個人で設立費用を立替えておき、会社設立後に出た利益から会社に精算を受けました。
とはいえ、起業していきなり利益を出せるとも限らないので、定款の印紙代4万円、設立の登録免許税6万円、印鑑で数万円、交通費や謄本取得費用その他諸経費分で6万~7万円として、最低20万円ほどは準備しておきましょう。
⑥定款に記載する事業目的
起業した場合、どういう事業をするのか事業目的を定款に記載しないといけません。もちろん登記事項として登記もされます。
本来は、司法書士の先生に相談するのが一番いいですが、上場企業等で公開されている定款や無料のインターネットサイトの目的事項を参考に自ら作成してもかまいません。