マズローとは?

モチベーションの話をするときにはよく「マズローの欲求5段階説」の話が出てきますが、みなさんは耳にしたことがあるでしょうか?
マズロー(Abraham Harold Maslow)はアメリカの心理学者で、ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれました。
両親は貧しいロシアからのユダヤ人移民であり、7人兄弟の長男だった彼は、両親の期待を背負って学問の道へと進みました。
マズローは、人間性心理学を生んだ重要な人物だとされている。人間性心理学とは、精神病理の理解を目的とする精神分析と、人間と動物を区別しない行動主義心理学の間にある「第三の勢力」といわれています。
マズローは、人間の欲求を階層に分けたピラミッドを主張したことでよく知られています。
こういったマズローの欲求段階説は、貧しい生活やマイノリティへの所属、アカデミックでの成功などの生い立ちが影響しているのかもしれません。

マズローの欲求5段階説とは?

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出典:viral-community.com
マズローが提唱した「欲求5段階説」では、人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっていると主張しています。
それは、底辺から始まり、1段階目の欲求が満たされると1段階上の欲求を志していくというものです。
以下で5つの段階それぞれについてまとめています。

①生理的欲求

みなさん、特に意識をしていなくても眠くなってしまったりお腹が空いたりすると思います。
そういった、生きていくための基本的、本能的な欲求を生理的欲求と呼んでいます。
これが満たされなければ、人は不快感を覚えたり、イライラしたり、病気になったりしてしまいます。

②安全欲求

人間が生きていくための本能的な欲求が満たされたら、次は「安全欲求」を満たしていきます。
安心安全な生活、人生を送りたいという欲求がそれにあたります。例えば、「病気をせずに健康に長生きしたい」「雨風に濡れない家に住みたい」といったことがそれに当てはまります。
これは、生理的欲求と同じように、人間が生きていく上での基本的な欲求の1つとなります。
例えば、日々DVなどを受け生存を脅かされていたりする場合は、安全を確保することに必死になり、それ以外のことが考えられなくなることもあります。

③社会的欲求

安全欲求を充たすと、次は、「社会的欲求」を求めます。
これは、集団に属したり、仲間を欲しくなったりする欲求のことです。つまり、こういった欲求も、きわめて人間の基本的な欲求だといえます。
この欲求が満たされない場合には、人は孤独感や社会的不安を感じてしまいます。

④尊厳欲求

これまで紹介してきた3つの欲求は、「外的に充たされたい」という想いから出てくる欲求でした。
しかし、ここからは「内的な心を充たしたい」という想いから出てくる欲求に変わります。
「他者から認められたい」「尊敬されたい」といった欲求が、この尊厳欲求です。
「尊厳欲求」は”他人からの賞賛を求める欲求”ですので、グループへの帰属を前提としています。そのため、社会的欲求の次の段階に位置付けているのです。
そして、この欲求は2つの部分に分かれており、1つは「仕事の遂行や達成」です。そして2つめは、それを「他人から注目されて賞賛されること」です。

⑤自己実現欲求

自分が目標として掲げていることを実現したいという想いを「自己実現欲求」といいます。
自分で立てた目標を達成する喜びをモチベーションにできるという点が重要です。
自己を実現することで、人から賞賛されたいという欲求が少しでもある場合は、自己実現欲求とは少し異なってきます。ここでは、単純に”自己の実現”を求める無償性を含んでいなければならないのです。
 
ここまで5つの段階について述べてきましたが、マズローは晩年に、この上にさらにもう1つの段階があることを発表しています。
それは「自己超越」という、「目的の遂行・達成”だけ”を純粋に求める」というものです。
エゴもなく、見返りも求めず、ただ目的のみに没頭することを6つ目の段階としています。


仕事に活用して部下のモチベーションを上げるには?

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出典:www.itmedia.co.jp
ここまでマズローの欲求5段階説を説明してきましたが、これを生活にどう関連付けていけばよいのでしょうか?
例えば、仕事において「モチベーションが高い」状態とはどういった様子を指しているのかというと、主体的に仕事に取り組み、成果を追求している状態だと言えます。
仕事を進めていく中では、いかにモチベーションを高めていくかが仕事の成果や効率に大きく関係していきます。
モチベーションアップに必要なのは、「承認」などの動機付け要因となります。これは、マズローの欲求5段階説でいう第3(社会的欲求)、第4(尊厳欲求)の段階に該当します。
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出典:hypnosisabc.com
「承認」には、成長承認と成果承認、存在承認の3つの種類があります。
成長承認は、成果には考慮に入れずに、一生懸命頑張っている姿勢を認めることです。
これは「いつも頑張ってるな!」と一声かけるだけで、部下は上司が見てくれていると「承認」されたと認識します。
また、成果承認とは、最終的な結果や水準を認めることです。
ですが、成果だけを見ていると、営業成績が期待に届かなかった場合は、どんなに努力をしていても認められない場合も多いです。そのような場合は、鬱になってしまうなどの危険をはらんでいます。
そして存在欲求とは、その人に関心を持ち、存在自体を認めることをいいます。名前を呼んだり、食事に誘ったりすることで存在を承認していることになります。
存在承認の逆は「無視」にあたり、部下のメンタルを破壊してしまう恐れがあります。
 
部下のモチベーションを上げるためには、この承認欲求を3つの方法をうまく組み合わせて承認していくことが重要です。

マズローの欲求5段階説まとめ

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出典:www.simplypsychology.org
今回は、マズローと、彼が提唱した欲求5段階説について見ていきました。みなさんは、現在どの段階にいたでしょうか?
多くの人が、「自己実現」の段階まで行かずに、「社会的欲求」や「承認欲求」の段階で立ち止まってしまっています。
まず、「自己実現している、あるべき自分の姿」を考え、それに向けて何をすべきかを考えていくのが効率的だといえます。
ぜひ、欲求5段階説をうまく活用し、モチベーションUPを図ってください。

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