今回のインタビューは株式会社アイアンドシー・クルーズの佐藤真治さんにお話を伺いました。
(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:高田梨菜)
経歴
1983年、長野県生まれ。2006年中央大学法学部卒業後、新卒で人材系ベンチャー企業に入社し、法人営業、メディア運営、事業再生などを経験。
2009年アイアンドシー・クルーズの創業に参加、現在、取締役としてメディア事業の責任者をはじめ、経営全般に携わる。
世の中にスマートな生活を届けたい
-事業内容について教えていただけますか。
会社のビジョンとして、「世の中にスマートな生活を届けたい」「世の中をスマートな生活に変えていく」、そのような思いで作った会社です。
現在は「エネルギー」、「リフォームを中心とした住生活」、「自動車」の3つの領域のインターネットメディアの運営と、商社事業というリアルな物と流通という、2つのアプローチでサービスを展開しています。
-エネルギー分野は、具体的にどのようなサービスでしょうか?
もともと太陽光発電は訪問販売がメインで流通していましたが、業界の新しい試みとして、インターネットを使って太陽光発電の優良企業を紹介するサービスを始めたのがきっかけです。
そこから分野を広げ、住宅用の太陽光発電から、少し大型の太陽光や発電所を施工できる企業を紹介するサイトを作ったり、発電所自体を売買していくサイト、蓄電池と言われるエネルギーを貯める製品を紹介するサイトなどを運営しています。
そして、太陽光発電はリフォームの一部であるとの見方もあるので、太陽光発電を皮切りに、家全体をよりスマートにするリフォーム分野に進出していったという流れです。
リーマン・ショックを区切りとして元上司と起業
-学生時代の過ごし方などについて教えていただけますか?
何かを生み出していくことは学生時代から興味があり、学生時代やっていたことは、学内で初めて団体を作り、連盟や集合体を作って企画やイベントを行いました。
キャリアについて明確に考えていたかというと、そんなこともありませんでした。
学生として人と違うことにチャレンジしたり、学校の中で目立つ存在やカッコイイ存在になれるかを考えて、いろんなチャレンジをしました。
その後、就職活動をきっかけにインターンシップを開始し、それが人生において大きなターニングポイントだったと思います。
そこは社員9名ほどのスタートアップで、コンサルティングやベンチャー投資、人材紹介、斡旋をしている会社でした。
そこにインターンとして入り、おもいっきり仕事をさせてもらい、営業やクライアントに対してのサービスの提案や新規事業の立ち上げに携わりました。ビジネスの世界やベンチャーが面白いと思い、その会社へ入社しました。
-現在の職に至るまでの経緯を教えていただけますか?
その会社で3年間経った頃、リーマン・ショックがあり、かなり会社が影響を受けました。
上司だった役員と会社を作ろうと話していたこともあり、リーマン・ショックを一つの区切りとして、今の代表とアイアンドシー・クルーズを立ち上げました。
-最終的な決め手は何だったと思われますか?
なかなか退職するきっかけがなかったのですが、そのきっかけがリーマン・ショックでした。
エネルギー領域が伸びたのは東日本大震災がきっっかけ
-事業が軌道に乗るまでにどのようなことがあったか教えていただけますか?
将来成長していく分野で社会的に意義のある事業をしようと思い、一番最初に決めていたのがエネルギー領域でした。ですが、当時は儲からないというイメージや、市場として注目されていなかった業界だったので、どのようにマネタイズしていくか苦労しました。
自身ができることで会社として収益を上げながら、エネルギー事業に投資することを創業から2~3年の間でやってきたと思います。
外的な要因ですが、3.11の震災をきっかけに、再生可能なエネルギーに対する注目・関心が上がったことで、事業としてようやく軌道に乗ってきました。震災がなかったらここまで(のスピードで)成長できたかどうか怪しいと思っています。
もともとこの分野は(成長するまでに)時間軸が長いと思っていたところ、一気に短縮されて市場が拡大してました。
-マネタイズという点で2011年までどういうものを参考にしていましたか?
エネルギー事業は今とビジネスモデルは変わっていません。
太陽光発電に興味がある人に紹介して手数料をいただくモデルですが、興味がある人の母数が圧倒的に少なかったのです。
なので、マネタイズの方法を変えたというより、市場の盛り上がりや関心度の部分での苦戦が多かったです。
-様々な賞を受賞されるなど、事業が急成長している原動力は何だと思われますか?
1つは事業領域として、成長領域であることが絶対条件であることです。
もう1つは、市場におけるポジションを見ていて、産業規模は大きいけど非IT化の領域とか、大きいけど無駄があるとか。何もないところから何かを作っていくという戦略よりは、、今から伸びていくものや元々あるものをどう良くしていくか、に着目している視点が当たったのだと思います。
CarMe(カーミー)というサイトで言えば、自動車業界は日本の産業の中でも大きな部類です。
「メディアで見たらどうなんだろう」とか、「そもそもITと言うより紙の文化が強いのではないか」という視点から作ったサービスになります。
リフォームにしても、6~7兆円という比較的大きな産業にもかかわらず、訪問販売やチラシが多かったりするので、変えらえるのではないかと思いました。
このように成長市場や大きな市場にリーチしていったことが大きかったと思います。エネルギーに関しては、加えて震災が起きたことで市場が伸びた中で、弊社がポジションを取っていたことが成長要因だったと認識しています。
-そういう業界の変化を察知できるよう、何か準備できることはあるのでしょうか?
「世の中、もっとこうする方がいいのにな」とか、「ここって不満を持つ人が多いだろうな」とか、小さいことをきっかけに、事業を検討して行ったら上手くいったというケースがほとんどじゃないかと思っています。
市場予測や学術書を読んでから取り組むことはほとんどなくて、いろいろな企業や消費者の普段の生活の中で考えられるものが、圧倒的に多いのではないかと思います。
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