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誰もが一生のうち3年間を過ごす場所
出典:www.gratisography.com
人生における3年は長くはありませんが、決して短いものではありません。これほどの時間を費やしている場所...それはトイレ。
世界トイレ機関(WTO)の調査では、1人がトイレを利用する回数は年間で2500回と算出されており、わたしたちは1日に平均8回もトイレに行っていることが判明しました。
この場所が本当にお気に入りだと感じる人はあまり多くないと思いますが、日々の生活には絶対欠かせない場所であることは間違いありません。
そんな私たちに最も身近で少し遠い存在でもある“トイレ”問題を解決すべく開発されたのが、株式会社バカンの「Throne(スローン)」です。
「トイレが空いているか1秒で分かる新しい世界」へ
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1日の大半を職場で過ごす人の中には、「トイレに行くタイミングが難しい」と感じている人も多いようです。
1フロアに何百人もの人々が働いているような大きなビルでは、昼休み時のトイレ確保は死活問題です。昼間に並ぶのは当たり前、仕事中にふいに生理現象を感じても全く開く気配がないという状況さえあります。
一方、ストレスフルな職場では、トイレをちょっとした休憩室代わりに使用している人もいます。トイレの空き状況を今すぐに知りたい!という切羽詰まった問題が生じているにも関わらず...。
出典:www.throneservice.com
そこでこのサービスの出番です!今までありそうでなかった、トイレ使用状況の可視化を実現したサービスThrone(スローン)。センサーという目に見える物質とITという目に見えないシステムを組み合わせてできた、まさに“今”のトイレ使用状況がわかる、痒いところに手が届くサービスです。
初期費用は1個室当たり9,800円、月額490円という低コストからサービス提供されています。まさに“トイレ大国”、“おもてなし”の国・日本ならではのサービスではないでしょうか?もちろん他の国でも応用可能なので、サービスの潜在的な市場は非常に大きいと思われます。
「ヒト」に対する感謝の気持ちを原点に
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Throne サービスを運営しているのは、2016年4月に誕生したばかりの株式会社バカン。“バカン”とは、英語で“空席の〜”を意味する“Vacant”を由来とした造語で、空席情報を収集・提供し、空室も含めた空間にこだわる会社にしたいという思いから名付けられました。
創業者は1983年生まれ、宮崎県出身の河野剛進氏です。河野氏は東京工業大学大学院修了後、三菱総合研究所で市場リスク管理や金融領域の研究に取り組みます。その後グリーにて事業戦略・経営管理・新規事業立ち上げ支援を経験し、東京大学発のスタートアップ企業・エルピクセル株式会社にて経営企画室長を務めます。そして、起業に至りました。
出典:www.vacancorp.com
九州の小さな町で育った河野氏の起業への道のりの根底には、孫思いの祖母を始めとする愛情豊かな家族や素晴らしい友人に恵まれたことへの感謝と恩返しという想いがあったようです。
「卒業後10年以内に起業したかった」という河野氏の思いの強さも、その思いを汲んで河野氏を採用してきた企業側の懐の深さにも、既存の価値観に捕らわれず新たな枠組みを作り出そうという気概を感じることができます。
「Vacant-First(空室優先思考)」をグローバルスタンダードに
河野氏自身トイレが好きということもあり、現在はトイレの空室情報に特化したサービスを運営しています。しかし、今後10年間はもっと広いマーケットでの空間情報の展開や、IT関連事業、IoT関連事業を運営する構想も練っていると発言しています。
人気のお店で何時間も行列に並ぶのも良いですが、「空いているお店があるのならそこに行ってもいいんじゃない?」という選択肢は、わたしたちに新たな価値観を提供してくれそうです。今後の展開に期待しましょう。