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観光には荷物がつきもの
旅行するときに荷物がなければ楽ですよね。観光には自分の荷物やお土産等、何かと持つ必要があります。
その問題は日本人より観光のために来日した外国人の方が深刻です。
まずホテルを予約しているため、そこまで自分の荷物を運ばなければいけません。加えて、チェックインするまでの観光は、大きなキャリーバックを引くこととなります。
さらに、キャリーバックを預けるコインロッカーを探すにも英語を話せる駅員さんを探さなければいけませんし、探し当てたとしても大きいサイズのロッカーは全て使用されてしまっていることもあります。
この問題を解決するのが、株式会社セームページが提供する世界初シェアリングエコノミー型荷物預かりサービス「Tebura」です。
2016年6月から開始されたこのサービスは、日本よりも外国で注目を集めています。その理由は、荷物を”忍者”が取りに来てくれるからです。
今回は「Tebura」のサービスの紹介とビジネスモデルを分析していきます。
なぜか忍者が荷物を取りに来てくれる「Tebura」
出典:japangap.jp/
「Tebura」は、ホテルにチェックインするまでキャリーバックを引きながら観光するのが面倒くさい、もっと身軽になって観光を楽しみたいというニーズを満たしています。特に、日本へ観光に訪れる外国人に多くの需要があるようです。
また預かった荷物は、飲食店や貸会議室の空いたスペースに保管されます。スペースを提供する代わりに収益の70%を店や会議室を運営する側に還元する、Win-Winなビジネスモデルを構築しています。
この「Tebura」というサービスは、画像と見出しの通り、なぜか荷物を忍者が届けに来てくれます。ではなぜ忍者が荷物を届けてくれるのでしょう。
代表の高木昭博氏は
”海外で優秀なエンジニア・プログラマーの事を『Ninja』と呼びます。我々は、プログラマーの日系企業ですのでNinjaを名乗っております”
と語っています。
プログラマーとしての想いが強い様子がわかります。
「Tebura」の社会問題を解決し、社会に還元するビジネスモデル
出典:tebura.ninja
上の画像が「Tebura」のビジネスモデルです。飲食店や会議室などの空いているスペースを荷物置き場として活用します。いわゆる、シャアリングエコノミーという考え方です。
ユーザー(観光客)からの料金の70%は、スペースを提供しているオーナーに支払い、30%を自社の取り分とし、さらにそのうち20%は震災支援などの寄付金としています。
社会問題を解決するだけでなく、震災支援という社会への還元をするという素晴らしいビジネスモデルと言えますね。
飲食店を運営する側からすれば、全く価値のない空いているスペースを使うことでお金が生まれ、さらに集客につながりますし、観光客は荷物のことを考えずに日本を楽しむことができます。
また国際サミットのような大きな国絡みのイベントが開催される際、その周辺のコインロッカーはテロ防止のため使用禁止になるため、このサービスの需要が高まります。
そして、ユーザーが増えれば増えるほど、震災支援や災害復興支援などの寄付金額が増え、みんなハッピーになるという算段です。
ここまで聞くと、どうも持続可能性が気になります。果たして儲かるのでしょうか。現在は客単価平均は1050円だそうです。つまり自社への利益は平均252円となります。
どうやらTeburaはユーザー認知を拡大中で収益よりもとにかく使ってもらうことを重視しているそうです。ある程度のユーザー(観光客と飲食店の両方)規模になると値段を変更する戦略をとっているということですね。
シェアリングエコノミーというビジネスを展開する上で一番大切なことはユーザーがたくさんいるということです。その点を抑えているTeburaが今後どのような成長をしているのか期待が集まります。
シェアリングエコノミーの考え方はまだまだ広がりを見せている
飲食店や貸会議室の空いたスペースを荷物置き場に利用するというTeburaのビジネスモデルは、私たちに「そんなの何でもありじゃないか」と考えさせられます。
シェアリングエコノミーはまだまだ私たちが思いつかないような「あんなものまで」という範囲まで広がるかもしれません。
AirbnbやUberの登場により注目されてきたシェアリングエコノミーですが、まだ誰も発掘していない原石がありそうです。