カナダ発、現在アメリカ・カナダを中心に人気をもつオンラインチャットサービス「Kik」。 BlackBerryのメッセンジャーをモデルに開発するも訴訟を起こされ、数々の壁を乗り越えて、現在の成功に至ります。
Kik と創業者のTed Livingston氏のジェットコースターのような人生をご紹介します。
人生最高のアドバイス~起業のキッカケとなったインターンシップ
Livingston氏がエンジニアリングを専攻していたカナダのWaterloo大学は4ヶ月のインターンシップを6回受けることが卒業条件になっていました。そこでLivingston氏はBlackBerryの親会社RIM社を選びました。これが彼の人生を大きく変えた出会いとなりました。
RIM社のインターンで着実に実力と自信を実践レベルでつけていったLivingston氏は、これ以上大学で学位をとるのは無駄だと思うようになりました。今大学を中退すれば間違いなくプロダクトマネージャーのポジションにつけることを確信していたのです。
しかし、そのときに当時の上司より、「人生で受けたアドバイスの中で最高のものだった」というほど貴重なアドバイスをもらうことになります。そのアドバイスは要約すると次のようなものでした。
「Ted, 君はここが好きだし、とてもよくやっている。でも大学を中退してここで正社員として働いては駄目だ。君はモバイル携帯のことを本当に良くわかっている。ここを出て、起業すべきだ」
Livingston氏はこのアドバイスを受け入れ、2008年最後のインターンが終わったら起業することを決意します。
ユーザーの3分の1を占める ブラックベリーに訴えられる
200万人のユーザーを持ち業界からも注目を浴びるようになってきた矢先、人生を揺るがす問題がおこりました。BlackBerryがKikをAppストアから削除したのです。そして2週間後には訴訟の通達が送られてきました。BlackBerryがもつ3つの特許を侵害したというものでした。
3分の1がBlackBerryユーザーであり、他の携帯ユーザーも必ず何らかの形でBlackBerryユーザーと関わるためKikのサービスは大打撃を受けました。
「業界にいるすべての人間は終わったと思っていたはず」
しかし、そこで終わりではありませんでした。幸運なことに訴訟の連絡が入る一日前に投資ファンドRRE Venturesと投資のディールを結んだばかりでした。「BlackBerryに訴えられるかもしれないが、それでも契約する」という条件を入れていたのです。
投資額は減額されましたが、これによって救われた同社はどうにか持ちこたえることができました。そして持ち株を減らし売却することで流動資産を増やしただけでなく、Livingston氏は母校であるWaterloo大学へ百万ドルの寄付を決意します。
これはただの寄付ではなくKikのような起業アイディアを支援するプログラムを立ち上げるためで、後にカナダ政府も賛同しています。このときLivingston氏はわずか23才でした。
苦難を乗り越え、前進中
すべてを覆すような大問題の解決策を数週間で思いつき実行したLivingston氏。「訴訟はまったく不公平なものであるし、個人的にも大変遺憾な問題」と思いながらも、BlackBerryなしで今後どう生き残っていくかを考えるきっかけになったと言います。
今では1億人を超えるユーザーを抱え順調に成長を続けるKik。決してあきらめない精神力と解決にフォーカスする行動力がLivingston氏の強みと言えます。
不測の事態を予測するため、徹底して考え抜くことが重要です。あらゆるリスクを想定し、不測の事態に備えましょう。
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