認知限界と組織マネジメント

gahag-0040981396-1
出典:gahag.net
“認知限界”という言葉を知っていますか?
 
認知限界とは、1人の人間が情報を正しく認知・処理できる能力の限界のことです。
もともとは組織論を研究していたハーバート・サイモンが提唱したもので、人は認知限界を克服するために組織を構築すると言いました。
 
そして、組織論における認知限界のもう1つの意味として、「経営者が認知・理解できる従業員数の限界」というものがあります。
一般に150人を超えると十分な管理は難しくなると言われています。実際に、社員30人の頃はそれぞれの社員の気持ちを考えられたかもしれませんが、50人、80人、100人と増えていくにつれてそれは難しくなるでしょう。これはどんな優秀な経営者でもぶつかる問題です。
 
普通に働いていたと思っていたのに突然退職を切り出した社員。
目に見えないところで綻びが出たチーム。
 
これらの問題の原因の一部には、認知限界が潜んでいるかもしれません。
 
そのような認知限界を克服するためのツールがあります。
今回は、経営者が従業員の気分と本音を把握するホットラインツール「スマイルスコア」について紹介します。

スマイルスコアとは

logoss03
出典:smilescore.jp
スマイルスコアは、従業員の気分や調子、考えていることなどの情報を経営者が把握する手助けをするツールです。
 
従業員は1日1回、自分の気分や調子を11段階で評価して回答します。コメントを付け加えることも可能です。この情報が経営陣に伝わり、従業員それぞれの状態について把握することができます。
 
他にも、従業員は匿名で経営者にメッセージを送ることができ、悩みや考えを経営者に直接に伝えることができます。匿名なので、比較的気軽に使用できる機能です。
 
経営者側は、個人スコア、チーム(部署)ごとのスコアを一覧やグラフで見ることができ、問題を抱えていそうな従業員や、フォローが必要そうな従業員を見つけることができます。また、匿名のメッセージもそれまで隠れていた課題の発見に繋がります。
 
これらの機能により、スマイルスコアは、離職率を改善し、チームビルディングを成功に導き、結果として安定した収入と強い組織を作り上げようとしています。
 
「いくらぐらいで使えるのだろうか」と思ったあなた。
導入費用も初期費用が10万円、年一括プランなら月額500円/人で利用できます(2017年3月3日時点)。意外とリーズナブルと思いませんか?

実際の活用例~株式会社ホープ~

伝達図
出典:smilescore.jp
では、実際にスマイルスコアを使った株式会社ホープの感想を見てみましょう。
 
ホープは、自治体の支援を目的とした事業を展開している会社で、企業と広告のマッチングサイト「LAMP」などを運営しています。
 
ホープの公式サイトを見てみると、「社員紹介」や「社員の一日」、「社内風景」などのコンテンツが豊富にあり、社員を大切に思っていることが伝わってきます。
 
現在のホープの従業員数は約100名(2016年)。2016年6月に東証マザーズに上場したホープは、300人規模の会社を目指すためにスマイルスコアを導入しました。
 
ホープの社長である時津孝康氏は、30名規模のときは創業者が引っ張り、100名規模までは役員と協力してコミュニケーションを取れたと語ります。しかし、300人規模への拡大を考えたとき、課題に直面しました。
 
ホープでは、経営会議などでスマイルスコアの情報を共有し、スコアの低い社員に声をかけるようにしています。また、匿名機能からの意見については、すぐに検討して朝礼や社内SNSなどでフィードバックするようになっています。実際に、女性ならではの意見などの普段気づきにくい投稿もあったと言います。
 
さらに今後、ホープではだれがどのような仕事をしたいのか把握するための情報ソースとしてスマイルスコアを活用し、ジョブローテーションに取り組んでいきます。より適材適所な人材活用が期待できそうですね。

組織マネジメントのソリューション

lgi01a201310171400
出典:free-illustrations.gatag.net
やはり人数が増えてくると組織マネジメントは難しくなります。それまで取っていたマネジメント手法では上手く行かない時が来るのです。
 
その時に、どれだけ迅速かつ的確に対応できるかが、経営者に問われる能力だと思います。
 
新たな課題に直面したときのために、さまざまなマネジメント手法やツールを探し続けることが大切です。

【よく読まれている記事】
総利用者数300人突破!! 「起業の科学」著者田所雅之氏による、ここだけでしか見れないコンテンツ

『enfacスタートアップサイエンス』は、世界で5万回シェアされたスライド「StartupScience」制作者の田所雅之氏が、書籍300冊、経営者のブログ500本、自身のシリコンバレーでの起業経験と1000人以上の起業家を取材する中で体系化した知識を、動画ラーニングのenfacが、いつでもどこでも学びやすくまとめた動画学習コンテンツです。


2017年6月より1年間をかけて企画・撮影した105本。今後も、毎月2-3本新しいコンテンツをリリースし、学びを深めていくことをサポートします。
コンテンツを学習することで、「試行錯誤で時間を浪費する」「チーム内で噛み合わないコミュニケーションを続ける」などの無駄を省き、チームが本来の目的や使命に向かってより効果的に進むことができます。

これ以上は記事がありません

読み込むページがありません

おすすめの記事