全米で大ヒットしたSPANX
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ぷりんと上がったヒップライン、美しいボディラインを演出すべく多くの女性が洋服の下に必ず着用しているのが矯正下着です。輝かしいハリウッドセレブや、2014年に日本に上陸して以来多くの日本人女性が愛用していることでも有名なのがSPANX(スパンクス)です。
ボディラインを隠してくれるのに、着心地がとっても楽なSPANXは、若干29歳の女性サラ・ブレイクリー氏によって創業されました。
絶対諦めない女性、サラ・ブレイクリー氏
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今を輝くアメリカ企業のファウンダーというと、在学中からビジネスを開始した方ばかりが思い浮かぶかもしれませんが、ティーンの頃から一直線に起業家を目指し続けた者だけが成功しているわけではありません。SPANXを創業したサラ・ブレイクリー氏も紆余曲折を経て起業した人物の一人です。
ブレイクリー氏は、弁護士の父親とアーティストの母親の元、1971年アメリカ・フロリダ州に生まれます。難関州立大学の一つであるフロリダ州立大学を卒業後、父親のような弁護士を目指しますが、2度の受験を経てもロースクール入学可能なスコアまでは届かずに断念してしまいます。3ヶ月間のフロリダのディズニーランドのスタッフを経て、オフィス用品の会社に就職し、2万ドルのファックス機器の営業になった彼女は持ち前の愛嬌、美貌や営業能力で25歳の時には全米セールス・トレーナーにまで登りつめます。
女性なら誰もが持つ悩みを製品化に
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SPANXは一営業マンだった彼女の悩みから誕生しました。1年のほとんどが30度を超えスコールも多いフロリダではパンツスーツでの営業は一苦労です。ストッキングなしではパンティーラインが透けてしまうし、履けばムレるしオープントゥパンプスをきれいに履きこなすことはできません。しかも小柄な彼女にはぴったりの補正着下着がなかなかなかったのです。しかし、あるパーティーに出席した際に自分でストッキングの足部分を切ったことがSPANXにつながります。
このSPANXの原型とも言えるアイデアをより実用的なものにすべく、営業の仕事を続けながら製品化を計画、工場を回り、販売してくれる店を開拓しては友人・知人に購入をお願いする、断られることばかりの先が見えない作業をたった50万円の貯金をやりくりしながら行ったのです。
主婦に人気のトーク番組を持つオプラ・ウィンフリー氏のスタイリストにSPANXを送ったことから番組で取り上げられ、今ではビヨンセやニコール・キッドマンを始めとする多くのセレブが“必要不可欠!”と絶賛することで、ほとんど広告料をかけずに年間売り上げ2億5000万ドルを達成しているのです。
失敗を怖がらない心
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TIME誌の“影響力のある100人”やForbes誌の“世界で最もパワフルな女性”にも選ばれ、プライベート・ジェット企業を営む億万長者の旦那様を持ち、自身もセルフ・メイドのビリオネアであるサラ・ブレイクリー氏。そんな彼女の成功の秘訣は挑戦し続ける力でした。
幼い頃から彼女の父親はブレイクリー氏と弟に「今日は何に失敗したの?」と毎日質問していたと言います。現代社会では、成功が大いにもてはやされる一方で、失敗は惨めなこととされています。しかし、失敗することよりも恐ろしいのは、挑戦すらしないことではないでしょうか?幼い頃から失敗をポジティブに認めてもらい続けてきたことが、その後の営業やSPANX創業時の断られ続けるという辛い状況に耐える力を彼女に与えてくれていたのです。
ブレイクリー氏は華やかな肩書やバックグラウンドを持ち、成功したわけではありません。自分の悩みを普遍的なニーズへと昇華させたアイデアを諦めなかったこと、諦めなければ成功する、そんなシンプルな方法が現代のアメリカン・ドリームを実現させたのです。