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拡大し続けるフィットネス市場
近年の健康ブームから、フィットネス市場が男女ともに拡大しつつあります。中でも、「フィットネスウェア」と「ジム」に関してのビジネスが加速傾向にあるようです。
いまや若者からシニアまで、幅広い層の人の生活の一部になりつつあるフィットネス。ただ運動をするのではなく、スポーツやエクササイズを通してできたコミュニティを楽しんでいる人も多く見られますよね。
IBIS WOLDという米国のリサーチ会社の調査結果によると、2014年に米国でフィットネスクラブやジム会員になった人はなんと5400万人以上もいたそうです。
今回は、その中でもフィットネス市場で注目されているサービス、“クラスパス(ClassPass)”を創立した女性起業家、パヤル・カダキア氏をご紹介します。
クラスパス(ClassPass)ってなに?
出典:https://classpass.com/get
あなたはこんな経験をしたことはありませんか?
「ジムに通いたいけど、どこがいいか分からないなあ」
「ヨガを習ってみたいけど、どこでやってるんだろう」
フィットネス市場が盛り上がる今、溢れるほどのヨガ教室やフィットネスクラブが存在します。
数あるフィットネスクラブの中から自分に合ったものを見つけるのは時間がかかるし、手間のかかる作業ですよね。そんなときに活躍するのがこのクラス・パス(ClassPass)です。
これは、会員になり月99ドル支払うと、無制限でクラス・パスが提携するジムやクラブのクラスを受けることが可能になるというサービスです。アメリアのニューヨークを拠点に、現在は世界39都市でこのサービスを利用することができます。
「いつでも」「どこでも」という点がとても魅力的ですよね。また、ただジムを利用するだけではなく、ピラティスやキックボクシングなど、近年話題の授業を受けることもできる特典つきです。
「自分自身が困った体験を解決する」女性起業家パヤル・カダキア氏
この素晴らしいフィットネスサービスを考えつき、ビジネスにしたのは一体どんな人物でしょうか。
出典:www.forbes.com
パヤル・カダキア氏はForbesの取り上げた「注目の女性セレブ起業家8名」の中の1人でもあります。
マサチューセッツ工科大学の学生であったカダキア氏は、学生時代にこのビジネスアイデアを思いつきました。
ある時、インド舞踊ができる彼女はニューヨーク市でダンスクラスを探していたそうです。しかし、思いの外自分に合ったクラスを見つけるのは大変で、とても苦労した経験からこのビジネスの案を思いつきました。
2015年には売上が約61億円、そしてVCから約31億円の資金調達を成功させています。
クラス・パス成功までに乗り越えた、2度の失敗
出典:www.usatoday.com
カダキア氏はクラス・パスを成功させるまでに、2度の起業と失敗した経験があります。
1つ目は、2010年に設立したクラシビティ(Classivity)です。これはフィットネスクラブの予約をオンラインでスムーズに行うためのサービスだったようですが、利用者数に伸び悩み、失敗に終わったようです。
2つ目は、その2年後の2012年に設立したパスポート(Passport)。これは新しいフィットネススタジオで10回ほどの無料体験を提供するサービス。ユーザーは何度もそこに通いたいという願望から、いくつものフェイクメールアドレスを作成し登録をしてしまう事態が起こってしまいました。
2度の失敗から学んだこと
この2度の失敗から、カダキア氏は気がつきます。
「テクノロジー技術を使って、ただフィットネスの機会を与えて、ユーザーをフィットネスクラブに閉じ込めるだけじゃダメだ」と。
そこから彼女は「フィットネスを通じて人の心を動かす」と、方向転換します。
このやっとできたビジョンと、2度の失敗を経て築き上げられたサービスこそ、このクラス・パスなのです。
You only learn by doing(やってみないと分からない)
成功するまでに様々な壁に当たってきたカダキア氏が念頭に置いている言葉があります。
「You only learn by doing(やってみないと分からない)」
何度も苦難を乗り越えたカダキア氏こそ言える言葉かもしれません。
「やってみないと分からない」という気持ちを持ち続けて新しいことに挑戦し続けた彼女の努力は報われ、なんと今ではクラス・パスの企業価値は約4億ドル(409億円)といわれています。また、アメリカ本土のグーグル傘下の投資会社であるグーグル・ベンチャーズからの資金調達にも成功しました。
何か新しいことをしてみる。何か新しい地に行ってみる。今までしたことのないことをするのには躊躇いがあるかもしれませんが、たとえ失敗したとしてもその次のステップに繋がる道になるのではないでしょうか。
あなたもチャンスを自分のモノにして下さい。