どうせどの戦略も間違いだ。選び、そして磨け
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専門分野を複数持つΠ型人材こそ時代が欲している
❚イノベーション時代の経営とは(0:00~)
現代は「自由度」との戦いです。ビジネスモデルがサービス化し、社内だけでなくオープン化し、やれることがどんどん拡がっています。
『経営戦略全史』の中で書いたのですが、ヘンリー・ミンツバーグという面白い学者がいます。彼は彼なりの経営戦略論をつくっているのですが、結構な皮肉屋で、「どうせどの経営戦略も間違っているんだ」と言っています。
確かに、経営戦略論とは一種の一般化です。過去の成功事例があり、それを一般化したものです。未来に向かって正しいという保証はどこにもありません。しかし、何かを使わなければなりません。間違っていると分かっていても、何かを選んで、それを磨いて、自分なりに使っていくことが求められます。
もう1つ、現代で言えば、複雑化した新しいビジネスモデルを作り上げるためにも、あらゆるレベルで試行錯誤のスピードを上げていかなければなりません。エリック・リースは『リーン・スタートアップ』の中でMVP(Minimum Viable Product)という考え方を示しています。最も少ない資源で、お金がかからない手段で、どんどん試していこう、ということです。
ビジネスモデル全体を変える試行錯誤を行っていかないと新しいビジネスは生まれないと言えるでしょう。そのためには小さなチームでどんどん新しいことをやっていくことが必要です。突破力のある個の力が必須となっています。
❚イノベーション時代の個人とは(3:40~)
発想を出せる力と、決めて伝える力が必要とされます。PDCAサイクルを高速回転させ、ムダ玉をなるべく打たないこと。試行錯誤の中で失敗にめげない力も必要となります。
イノベーションが起こるときは必ず「担当者」の変更が起こり、大きなイノベーションの前後で、従来の役割を担っていた企業がなくなり、新しい役割を担う企業が誕生します。
自分の仕事がなくなっては困ります。自分が「担当者」の変更に強くなければなりません。そのために、Π(パイ)型人材が提唱されています。横に幅広い知識を持ち、1つの専門分野に特化するだけでなく、複数の専門分野を特化させる、これがΠ型人材です。この人材になるためには、幅広い関心・コミュニケーション力を始めとする共感する力が必要でしょう。視聴者の皆さんが時代に求められる姿とは、イノベイティブなプロジェクトを率いられるリーダーなのではないでしょうか。
❚発想力・決める力・生きる力(6:25~)
私のターゲットは起業tvをご覧の皆さんより、実はもっと低い年齢層を意識していて、小学生・中学生・高校生たちに、もっと発想力を豊かにしようということで話をしています。
子どもたちが自発的に発想力を豊かにしていこう、決めていく力をつけようとすると「岩盤抵抗勢力」が出てきます。親と先生の関わり合いも重要になります。力をつける過程で苦しいことや辛いこと、試行錯誤を乗り越えないと成長できないよ、と親や先生方には話しています。
ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)