みなさんは、世の中には真っ黒のデニムがあるのをご存知ですか?
京都にある、黒紋付染一筋100年の京都紋付は、その長年の黒染め技術を利用したアパレルの展開を行っています。
着物などの和装を中心を黒染めしていた同社が、デニムやTシャツなどの洋装までもを黒染めすることを決めた背景には、どのようなエピソードがあったのでしょうか?
京都紋付とは?
出典:www.kmontsuki.co.jp
京都紋付は1915年、初代荒川金之介によって荒川染工場として現在の地に創業されてから、京黒紋付染一筋に黒を極めています。
黒染めで「深泥黒」など数々のヒット商品を世に生み出し、昭和天皇大嘗際における装束「小忌染」製作の御下命を賜り、再現製作行ったりもしていました。
そして、1996年に4代目社長となった荒川徹氏の手によって、京都紋付の黒染めが一変します。
それまでは和装の黒染めのみを行ってきた京都紋付でしたが、彼は2001年に洋装の黒染めの研究開発を開始しました。その約半年後、洋装業界では他に例を見ない深い色合いの黒染めの開発に成功します。
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最近では、そこで開発した技術を用いて自社製品ブランド「BLACK WHY」を立ち上げ、デニム、Tシャツなどアパレル製品を製造販売しています。
とにかく「真っ黒」に染め上げるという技術を強みとし、現在、京黒紋付染め、洋装、染替え事業 あらゆる素材の黒染め染色加工業を行っています。
黒染め業界では約60%以上のシェアを誇っています。
荒川徹氏が4代目社長になるまで
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京都紋付を経営する家の子として生まれた荒川徹氏は幼いころ、身近にいた職人さんに、大量の染料を使い何度も下染めを繰り返し、手の爪の中も真っ黒そして流れている血も真っ黒だということを聞かされて育ったといいます。
成長した彼は大阪の大学に入学し、卒業後は特に家業である京都紋付の会社を継ぐ気もなく、電子部品のプリント基板のメーカーに勤めていました。
ある日その会社の社長から、前日のパーティーで徹氏の父親と名刺を交換してきたということを聞かされ、父親の名刺を出されます。
その名刺には「二代目御黒染司」という肩書がありました。
その名刺を見たことが、改めて家業の染色業というものを考え直すきっかけとなりました。
様々なことを想いめぐらせた結果、歴史ある家業の後継者として事業を継ぐことを決心するに至ったのです。
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