
カルロス・ゴーン氏を知っていますか?
「カルロス・ゴーン」と聞くとあなたは何を思い浮かべるでしょうか?
ルノーで大胆なコスト削減策を実施し、目覚ましい成果を上げたコストカッター
破産寸前に追い込まれた日産を復活させた敏腕のCEO
カルロス・ゴーン氏はこのように、様々な功績を残しています。
今回は、世界で最も注目される経営者の1人といわれるカルロス・ゴーン氏に迫ります。
カルロス・ゴーン氏の経歴
出典:www.asahi.com
1954年3月9日、カルロス・ゴーン氏はレバノン系の両親のもとにブラジルで生まれました。
中等教育までは父の祖国レバノンで、高等教育をフランスで受けたゴーン氏は、パリの名門校・エコール・ポリテクニークを卒業後にパリ国立高等鉱業学校で工学博士を取得します。
カルロス・ゴーン氏がさらに経営を学ぶべきか迷っていたちょうどその頃、ある出来事が起きました。
ブラジルでの事業を進めるために、”ポルトガル語ができ、フランスで教育を受けてきたエンジニア”を探していたミシュランに誘われ、彼の輝かしいキャリアはスタートします。
20代後半から30代にかけて驚異の若さでブラジル事業の再生を実現し、次に歴任した北アメリカ市場では事業の責任者として企業買収・統合という難しい仕事をこなしました。
その後、次の活躍の舞台としてカルロス・ゴーン氏は民営化間もないルノーを選びます。
不採算事業所の閉鎖や経費の圧縮を実施し、赤字だったルノーの経営をたった数年で黒字へと転換させたその手腕は「コストカッター」「コストキラー」と呼ばれることもあるほどです。
日産復活の歴史
出典:jp.wsj.com
1999年当時、2億円の有利子負債を抱えた日産は倒産寸前でした。そんな日産はルノーと資本提携を結び、カルロス・ゴーン氏をCEOに迎え経営の立て直しを図っていきます。
コストカットを主軸にした「日産リバイバルプラン」を発表し、「この目標を達成できなければ辞任する」とまで言ったカルロス・ゴーン氏は、自分自身はもちろん役員にもコミットメントを求めました。
プライオリティとコミットメントを重視したゴーン氏の下、2003年6月に負債を全額返済、2003年度には約12%まで落ちた国内シェアを20%近くまで回復させました。
その後2002年には3か年経営計画「日産180」を実施し、新型車投入などを実施。
2005年5月からはルノーのCEOも兼任し、フォーチュン・グローバル500中の2社を同時に率いる世界で初めてのリーダーとなっています。
カルロス・ゴーン氏の5つの名言
そんな数々の成功をおさめてきたカルロス・ゴーン氏は、一体どういう人柄なのでしょうか?
それを彼自身の名言から覗いてみたいと思います。
出典:www.blackenterprise.com
“改革を実行したのは私ではなく、従業員たちです。私はテコであり、触媒にすぎません”
“教科書なんて要らない。大切なのは人々の意見に耳を傾けること”
不採算部門の廃止など時には、冷徹な経営者という印象も持たれがちであったカルロス・ゴーン氏ですが、コストカット以上に従業員のことを思う姿勢をうかがうことができます。
“客観的な事実の把握なくして、適切な対策は生まれません”
時に人はかかったお金やかけた時間を無理に取り戻そうとして、失敗しているにも関わらずその状況から離れられない時があります。
そんな時はカルロス・ゴーン氏の言葉にあるように、物事を常に客観的に見て状況を分析できるような冷静さが必要になるのかもしれません。
出典:www.clarionenterprises.com
“希望のないケースなどは見たことがありません。
十分なエネルギーを持って事に臨めば、どのような問題であっても解決できます”
成功している経営者らしく、希望やチャンスを貪欲に求めるカルロス・ゴーン氏。
難しい局面を乗り越えてきた彼の言葉は、色んなことをすぐに諦めがちなわたし達の心に深く響きます。
“リーダーとは一体何か。私の答えは一言に尽きます。
「変革者」、すなわち現実を実際に変える人です。
これは、政治でもビジネスでも社会でも同じことです”
別の視点で物事を見て組織をまとめ、導ける人こそリーダーなのです。
例え部下が1人でも、変化を起こせることがリーダーに相応しい。
あなたは組織に、部下に、または自分自身に、変革を起こせているでしょうか?
カルロス・ゴーン氏の今後
出典:forbesjapan.com
2016年1月、対談で「役に立っていると実感できる限りは続ける」と、CEOの継続について述べたカルロス・ゴーン氏。
途上国の成長や人口増加、環境問題への取り組みなど、まだまだ自動車にはやるべき仕事が残っていると考えています。
そういった使命感を強く感じているカルロス・ゴーン氏は、日産・ルノーのCEOとしてこれからも活躍が期待されています。
カルロス・ゴーン氏まとめ
世界的な不景気の影響もあり、日産やルノーはその業績を低下させている中、再びカルロス・ゴーン氏の経営手腕が注目されています。
また、しばしばレバノンの大統領候補としても名前があがるゴーン氏。
彼自身は政治には興味がないと明言していますが、民族問題や宗教問題など重く難しい不安の中で人々は確かな手腕のリーダーを欲しているのかもしれません。
カルロス・ゴーン氏の手腕は今後どこで振るわれるのか、必見です。