街頭で「THE BIG ISSUE」という雑誌が売られている光景を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
ビッグイシューは1991年にロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊しました。
ホームレスの人の救済(チャリティ)ではなく、仕事を提供し自立を応援する事業をしているビッグイシューのビジネスモデルを見てみましょう。

ビッグイシュー創始者・ジョンバード氏の考え

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出典:https://www.facebook.com/bigissue.jp
 
ビジネスの手法を使うが、その利益は社会を変えるために使う”と彼は言います。
政府は皆平等に同じものを同じように与えることができません。それが政府の限界です。
政府の援助はそれによっていくらかの人々を助けることはできますが、ほとんどの人々は同じ所にとどまるか、より悪い状態におちてしまいます。そうしたことから自分に責任の持てない人間が出てきてしまうのです。
彼は「問題の一部となったものが問題の解決策を担う」というのがビッグイシューの考え方であると語っています。

 英国から世界へ

ビッグイシューの始まりは、国際的な化粧品会社ボディショップの創設者であるゴードン・ロディック氏が、ニューヨークでホームレスの売るストリート新聞を見かけたことでした。彼は、ジョン・バード氏に市場調査を依頼し、その結果ビジネスとしてならロンドンで十分成立するという結論を出しました。
そして、ホームレスの表現活動に重きをおく雑誌ではなく「誰もが買い続けたくなる魅力的な雑誌」をつくり、ホームレスの人たちにはその雑誌の販売に従事してもらうというポリシーで、1991年にバード氏はロンドンで『ビッグイシュー』を創刊しました。
現在では世界40ヶ国のホームレス問題に取り組む100誌以上のストリートペーパーが加入しています。

ビッグイシュー日本版のビジネスモデル

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出典:https://www.facebook.com/bigissue.jp
 
日本では、ホームレス状態の人に雑誌「ビッグイシュー日本版」の販売の仕事を独占的に提供しています。
創刊から2013年3月末までに累計571万冊の雑誌を売り、販売者に8億2万円の収入を提供することができたそうです。
具体的には、300円の雑誌10冊を無料で提供し販売者となったホームレスの人はその売上3000円を元手に、以後は1冊140円で仕入れ、それを売れば160円がその人の収入になるというサイクルを回すというものです※。つまり、販売者は自分の判断で雑誌を仕入れて売る代理店のようなもので、雑誌をつくる会社のビジネスパートナーになるのです。
※現在(2015年8月時点)の定価は350円なので、180円が販売者の収入となっています(修正日:2015年8月12日)

 まとめ

「ビッグイシュー日本版」の販売を通して、ホームレスの人々の仕事をつくり、自立を応援する事業を始めて約10年が過ぎました。
この間に、「ビッグイシュー」の販売者となった人はのべ1,427人、現役販売者132人、さらに、新しい仕事を見つけて就職した人は162人になります(2013年3月末時点)。
ホームレスの方が自分で販売し売れた時の達成感が、その人の自信にもつながるのではないかと考えます。
ビッグイシューのように、世界の様々な課題をビジネスを用いて解決することは難しいと思いますが、これから力を入れていくべき分野でもあると思います。
 
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