1兆円規模のペット産業、さらなる拡大が期待される

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出典:picjumbo.com
日本でもペットにお金をかける人は年々増えています。少子高齢化に伴い、ペットを飼う高齢者などが増加し、ペットの数は2005年に子供の数(15歳未満)を抜き、その差は年々広がるばかりです。
 
2015年の犬と猫を合わせた数は約2000万匹を記録しています。またペットに対する位置づけは家族の一員という認識が広がり、ペットに費やす支出も増えており、現在1兆5千億円弱までペット業界は拡大しています。
 
ペットフーズやペット用品も順調に伸びていますが、今後有望なのがペット医療関連だと言われています。その中でもペット保険の将来性に注目が浴びています。2009年には113億円規模が5年後の2014年には3倍の340億円まで拡大しています。まだ5%程度の加入率を見ても、今後の成長に期待が持てます。
 
このように有望な日本のペット産業ですが、年間7兆円を超えるアメリカには遠く及びません。ペット産業が活況なアメリカの中でも、ユニークなサービスを展開するBark & Co社が脚光を浴びています。

犬の総合商社「Bark & Co」?

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出典:bark.co
Bark & Co社は犬に関わる様々なサービスを提供する会社です。主力商品であるBarkBoxは、月に一回犬が喜ぶ製品の詰め合わせが届くサービスです。その他にも、犬向けの製品に特化したオンラインショップのBark Shop、かわいい犬の写真を掲載するサイトのBark Post、犬を被写体としたカメラアプリのBark Camなど、幅広いサービスを愛犬家達に提供しています。
 
様々なサービスを揃えるBark & Coですが、それらには一貫した信念があります。創業以来、犬が喜ぶ製品を提供することにフォーカスしている点です。犬が喜べば、飼い主は必ず喜ぶという考えに基づいています。この点を追求しているところが、他の競争相手と違うと、CEOのMatt Meeker氏は強調します。

既存のサービスに不満、ないなら自分でサービスを創る

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出典:bark.co
ベンチャーキャピタルを運営していた Meeker氏は、自身が飼っている大型犬用の製品を探しますが、自分が気に行った製品はサイズが小さかったり、サイズは丁度良くてもデザインや品質がイマイチなものしかありませんでした。数日かけて何軒もの店に足を運んだ Meeker氏でしたが、満足するものには出会えませんでした。
 
犬用の製品は、種類やサイズが少ないと感じた Meeker氏は、全ての愛犬家達が欲しくなるような幅広い製品を提供するスタートアップを立ち上げようと考えます。
 
過去に、SNSサービスを提供するMeetup社など3社のスタートアップを立ち上げた経験がある Meeker氏は、Carly Strife氏とHenrik Werdelin氏を誘い、2011年にBark & Co社を起業します。
 
最初に営業を開始したのは、Bark Boxでした。犬向けの詰め合わせギフトを毎月送るというのは、ユーザーに支持されるか分からなかった創業者達でしたが、初出荷した94個のBark Boxは愛犬家達の心を掴みます。
 
この反響に自信を持った創業者達は、本格的に活動を開始します。ユーザーから見れば、犬のサイズだけを申告し申し込めば、毎月自分の愛犬に様々なものが届く手軽さが魅力です。
 
2014年にはユーザーが20万人を超えたBark Boxは大成功を収めます。ユーザーの90%が長期利用者という数字が示すように、Bark Boxは確固たる存在感を示しています。またユーザーの80%が女性である点も特筆すべき点です。

犬オタクが愛犬家にサービスを

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出典:bark.co
Bark Boxで大成功を収めたBark & Coですが、犬好きに向けたサービスを広げて行きます。会社自らが犬オタクを集めて作ったと宣言するBark Postは、犬オタク達が探しまわって集めた犬のかわいい写真を掲載するウェブサイトです。愛犬家達のコミュニケーションの場ともなっているBark Postは、サービス開始から約半年で1000万ヒットするなど愛犬家から注目を集めています。
 
他のサービスも好調で、累計2500万もの製品を愛犬家に届けるまでに成長します。さらに新たなサービスにも挑戦をしています。本社を置くニューヨークの一部のエリアのみの営業ですが、出張獣医サービスのBark Careを開始します。年間US$99(11,500円)を払うと、獣医を予約して自宅へ来て貰うことが可能です。少し愛犬の調子が悪そうで、獣医まで連れて行くほどではないと思えるような場合、手軽に診療を受けられる点が好評です。
 
売上の順調に増やしているBark & Co社は、2015年は前年比約+50%の売上増を記録します。その中でもBark Boxの売上が大きく伸び、売上増の70%はBark Boxが貢献したと Meeker氏はコメントします。
 
既にペット産業の中では大きな存在感を示すBark & Co社は、2016年に資金調達に成功したことを発表します。Series CでUS$6000万(約70億円)を集めたBark & Coは、次の一手を考えているようです。犬が喜ぶどのようなサービスを提供してくれるか、Bark & Coの新たなサービスが気になります。

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