遅咲きの起業家、成功の秘訣とは
起業に至った経緯
もともと、私が前職でリクルートに入った経緯も、起業をしたかったからです。
私は、前職を45歳で辞めています。辞められなかった理由はいろいろあるのですが、遅きに失した部分はあったと思います。45歳という年齢が最後のチャンスだと思いました。
「これをやろう、あれをやろう」というのは一切なしで、まずは起業しようというところから入ったというのが本当のところです。
60歳まで働くとして、あと15年このままでいいのか。
「俺は、起業したいと思ってこの会社に入ったんだよな」ということで、最後の最後は、自分で自分がどんなものか試してみたかったという気持ちが強くなったのかもしれません。
バリューゴルフが掲げる「社員会計者主義」
色々なことを、前の会社では教えてもらいました。
今の会社の中でも言っているのですが、例えば「社員会計者主義」という主義があります。社員は全員経営者のつもりで仕事をしろというものです。
営業マンでもなんでも、自分の利益、それから原価を把握して、自分のPL(損益計算書)を作ったり、自分の課のPLがあったりします。
これによって、非常に原価意識並びに利益意識が醸成される組織になっています。
こうして儲けを出す意識が最初から身についていたので、そこは非常に前職に感謝しています。
一方で、足りなかったのはお金です。
「こういうことやりたい、ああいうことやりたい、これもしたい」ということは山ほどあるのですが、やはり優先順位を決める。プライオリティを決める。それに対していくら投資が必要かということを考える必要があります。
銀行も、できたばっかりの会社には振り向いてくれませんでした。それをやる人材もさることながら、事業を拡大していくお金が、1番足りませんでした。
軌道に乗った瞬間
ゴルフ事業に進出して、フリーペーパーを発行したことが1番最初のエポックでした。
1番目が、先ほど申し上げました「1人予約ランド」という予約システムです。
このサービスを開始し、急成長しました。
”誰もやっていなかった”ゴルフ市場
制作事業だと、会社ができたばっかりの時は、制作だけでなくイベントから何から全部やるわけです。
「なんでもやります」みたいなことを言うんですけれども、「なんでもできるということは、裏を返すと、なんにもできないということだよな」と気がつきました。
それがすごく悔しくて、「何々屋さん」って言われたい、というような気持ちを強く持ちました。
そこで、じゃあ何をやろうかと考えたのですが、私たちは情報誌で育った人間なので、情報誌を作ろうと考えました。
そこに行き当たった経緯としては、リクルート出身の人間が多かったので、リクルートがやっていない分野や市場を、毎晩会議をして探しました。非常に楽しい会議でした。
67個、リクルートでも世の中でもやっていない分野が出てきました。その中で最後3つに絞ったもの、それがゴルフと釣りとダンスでした。
そこで一番入りやすそうだったのがゴルフだったというところで、ゴルフの市場に出ました。
起業家に必要な2つの力
起業家に必要なことは、2つあると思います。
1つは人脈です。人脈を作れない人は起業家にはなれないと思っています。
もっと言えば、人脈を大事にする人です。その延長線上にあるのが、人脈があるので商品が売れるということです。
そして2つ目は、自分で売り歩ける、自分で売れるという能力です。
やはりいいサービスを作っても売れなくてはダメですし、市場にチャレンジしていくためには、それなりの人脈も持っていないと、そして人脈を作れる能力を持っていないと厳しいと思います。