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なぜIPOできたのか
私個人の理由としては、先ほどお話した、私自身に夢があったからです。厳しい状況になると、「なんで自分は頑張っているんだろう?」「なんのために頑張らなきゃいけないんだろう?」と、立ち返るときがあると思います。
私には夢があり、それを実現するためには上場が必要です。もちろん上場はゴールではなく、通過点なんですけれども。夢を実現するために、今目の前の問題をクリアしていかなければいけない、という想いが常に自分を支えてくれていました。それがもしもなかったら、間違いなく諦めていたでしょう。
やりたいことに対する理由が強ければ、大変な状況に対してでも対峙できます。できるかできないかという能力の問題ではありません。諦めずにやれば次はできるかもしれないですし、違うやり方でやれば超えられるかもしれません。
それに向き合いきれるかどうか、それはやはり「自分自身がなぜそこまでやらなければいけないのか」という目的、夢の存在が大きい。そこがはっきりしているかどうかが、一番大事なんだと思います。
身近にいたIPO経営者の存在
私は2000年代半ば、リーマンショック以前だったと思いますが、その頃から今でいうクラウド型のビジネスをやっている関西出身の経営者と交流がありました。当時でいうと、シナジーマーケティングの谷井さんとか、ラクスの中村さん、マイネット上原さん、ロックオン岩田君と、勉強会をやっていました。一番最初に上場したのがシナジーマーケティングの谷井さんでした。
当時、他の経営者はまだ未上場の状態で、「どうすればクラウドは成長するのか」とか「何に困っているのか」「どういうことが上手くいっているの」という話を、みんなでシェアしていていました。
実はそのとき勉強会をしていたメンバーは全員上場して、私が一番最後でした。それはそれで「なんで自分だけ上手くいかないのかな」と悩んだりしました。これまで上場企業の社長は身近にいるわけじゃなかったんですが、メンバーが1人ずつ上場していく中で、「IPOっていうのが実現できることである」というか、身近に存在する事実としてあったのは大きいですね。
いなかったら、なかなか自分の中でできる事実、現実感として思えなかった部分があったと思います。世代も近い仲間同士がそういうIPOを実現している中で、「自分にもできるはずだ」と。それは自分に何かが足りないんだけれども、「決してできないことじゃない」と自分に対するイメージやある種の自信を持つことができました。
今思うと、それがなければ「もしかしたら自分には手の届かない話なのかもしれない」と心のどこかで思う部分があったかもしれません。そのくらい、自分の気持ちとの戦い、結構ギリギリの戦いというか、せめぎ合いというか。そういうものが常にあったと思うので。そういう意味ではすごく、当時のメンバーに感謝しています。
今全員揃うことはなかなかありませんが、たまに何人かと会うときに「あのときのメンバー、皆ちゃんと上場したけど、考えてみたらすごい確率だよね」という話をします。
今後の成長戦略
我々はマーケティングの分野で、マーケティングオートメーションの製品を提供していますが、マーケティングオートメーションの製品屋をやっているつもりはありません。「世の中のマーケティングの問題を解決して行く」というミッション・ビジョンを掲げています。
今のマーケティングはどんどんデジタル化されたり、大きく変わっています。「マーケティングについて、一体誰に何を相談していいのかわからない」という世の中になっていると思います。
広告代理店にすべてを相談すればいいのか、システムベンダーでマーケティングをしているところに相談すればいいのか、もしくはクリエイティブをやっているところに相談すればいいのか。誰に何を相談していいのか、だんだん難しい時代にはなってきています。
そんな中、我々はいずれ、「マーケティングのことならシャノンに相談したらいいね」という存在を目指しています。
そういう意味では、多くの人達にそれだけのバリューを届けていける組織になる必要があり、規模感としては今の何倍ものサイズ、目指しているのはおよそ5倍の100億円規模となり、多くの人達に我々のサービスを提供できるようにしていくことを目指してやっています。