今回のインタビューは、Retty株式会社のCEO武田和也さんに、「Retty設立の経緯」「事業拡大のきっかけ」「起業する前に考えるべきこと」について伺いました。

(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:須澤壮太)

経歴
Retty株式会社代表取締役CEO
実名型グルメサービスRettyを運営。
2011年6月にRettyをリリース後、現在はユーザー数1000万人を突破、
実名口コミ150万件、店舗数25万店と日本最大級のNo1実名型グルメサービスを運営
過去に複数のベンチャーキャピタルより、累計14.5億円の資金を調達。
1年間サンフランシスコで事業を構想


起業をする前に、起業家たちがいろんな会社を作ったり投資をしたり、広告代理店事業もやっていたネットエイジという会社(現・ユナイテッド)に入りました。
3年だけ働いた中で、基本的な働き方は学んだ気がします。
3年で起業すると決めていたので実際3年で辞めたわけなんですが、僕はいきなり起業しなかったんです。
2010年頃に1年間サンフランシスコに行って、そこで少し視野を広げて、どんな事業をやるかを考えるために時間を取ったんです。
なぜかというと、会社をやること自体は誰でも出来て、僕も務めていた会社と同じような事業ならば出来ると思ったんですよね。
しかし、その当時、そのタイミングでそれをやったところで世の中が大きく変わるイメージが沸かなかったんです。
そう考えていく中で、結局何の事業をやっていいかわからなくなりました。
僕の視野が狭いこと、世の中を知らなすぎること、インターネットそのものをあまり理解していないという根本的な問題なのかなと思ったので、1年間時間を作って徹底的に調べ、考え抜く事をしました
1年弱サンフランシスコに滞在していたわけなんですが、その時は毎日いろんな業界を調べたり、アイディアを考えました。
なぜRettyにしたかというのは大きく3つあります。
1つ目は、僕は本当に事業をやるのであれば、そのサービスなり商品を買っている人でも使っている人が少しでも幸せになっているかというのは凄く大事にしたいなと思っていました。
サービスを使っているからその人の生活が少しでも良くなっているサービスは数多く存在すると思いますが、特に「食」の部分、おいしいものに出会うことができれば、ひと時であっても人生は少しでもハッピーになるということは自信を持って言えたので、レストランをマッチングするサービスっていいなと思ったんです。
もう1つは、事業として成立するのは凄く大事で、結局儲からないとどんなに理想を掲げていても最終的に続かないということを今まで学んできたので、ちゃんと収益が得られるかというところにしっかり軸を置きました。
最後に、その事業はグローバルで展開できるかということです。
アメリカにいる時に多くのサービスを見て思っていたのは、日本で起こるサービスはアメリカで生まれたものを半年後に出しているというのが本当に多いということです。
今でもそういうところは多少あると思うんですが、それをやっているといつまで経っても世界初のサービスは生まれないと実感しました。
ほとんどの領域でアメリカの方が進んでいたりするのでそうならざるを得ないんですが、その中で「食」や「ゲーム」などのいくつかの領域であれば日本の方がサービスのレベルは高く、「食」でならば日本が世界に先駆けて新しい価値を提供できると思い、「食」の分野を選びました。
日本はミシュランの三ツ星レストランの数はフランスよりも多いんです。
東京のレストランの数も世界の都市の中で1番です。つまり、量質ともに1番なんです。
こういった環境であれば、新しい選び方・多様性などのいろんな価値が生まれてくると思っています。
ユーザーの求めるニーズのレベルが高いんですよね。
そういう領域で新しいイノベーションを起こして、世界に広げていきたいなという想いはありました。
2010年の当時に、「インターネットの大きな変革期」ということに気づいたのが一番大きかったです。
スマートフォンの普及や、Facebookのようなソーシャルメディアがあのタイミングから世の中に一気に普及するという確信を持っていました。
それによって全てのジャンルの事業構造が変わると考えて、インターネットをベースにアイディアを出していきました。
最初にその確信があったので、考えるのは比較的に楽でした。

創業時の苦労とその中で気づいたこと


最初に作る人はおらず、僕自身もエンジニアリングはできなかったので、エンジニアを探すことが凄く大変でした。
一緒に始めたメンバーを中心に、ゼロから勉強して作るということをやりました。
ある意味創業時からピンチの状況でした(笑)
そこで思ったのは、大きな事を掲げ、世の中に求められていることを適切なタイミングでやろうとすると、自然と人は集まるということです。
お金も全然払えなかったですし、赤坂の5畳半くらいのボロいマンションでやっていたんですが、そんなところに非常に優秀な人が来るようになりました。
今振り返って思うんですが、あのタイミングで大きな目標やビジョンを持ってやっていたので、それに共感してくれた人が集まってきたのかなというのはあります。

資金調達に成功した理由


サービスが比較的伸びていたのでやりやすかったです。
キャピタリストの方が「スマホやソーシャルメディアを通じてお店の探し方が変わりそうだ」ということはなんとなく気づいている中で、Rettyが最初に出たとこともあったと思いますし、あとは何回も何回もミーティングをして、僕らの本気度が分かってもらえたのではないかと思います。
目指しているものが当時から大きく、そのような大きなビジョンを掲げているというところを評価していただいたのかなという気はします。
当時は今ほど資金調達しやすくなかったので、調達も非常に苦労しました。
 
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