今回のインタビューは、一般社団法人MAKOTOの代表理事である竹井智宏さんに、「MAKOTOの取り組み」「仙台の起業風土」「都市部の起業家との違い」についてお話を伺いました。
 
MAKOTO・竹井智宏代表が注力する"福活ファンド"「起業に失敗したら見向きもされないのは不条理」【後編】はこちら
 
【経歴】
1974年生まれ。東北大学生命科学研究科博士課程卒。東日本大震災を契機に一般社団法人MAKOTOを設立。日本初の再チャレンジ特化型ファンド「福活ファンド」を組成し、起業家の投資育成を実施。2015年、日本ベンチャーキャピタル協会より「地方創生賞」を受賞。起業環境整備にも注力し、東北最大のコワーキングスペース「cocolin」。東北随一のクラウドファンディングサービス「CHALLENGE STAR」も展開。

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MAKOTOの取り組み

私たちは、2011年の東日本大震災を機に、ベンチャーキャピタルをやめて立ち上げた起業家支援団体です。
「東北の起業家の支援」というところにフォーカスを当てて、ありとあらゆることをやっているベンチャー支援の総合商社のようなものです。
柱としては大きく3つあり、1つ目は「起業環境を構築する」というところですね。
これは例えば、コワーキングスペースが仙台駅から徒歩10分ぐらいのところに位置するんですけれども、大体50名ぐらいの起業家の方に登録して使っていただいています。
それから「クラウドファンディング」のサービスとして、自前で『Challenge Star(チャレンジスター)』というものを運営しており、これまで40件ほどの起業家の方々に使っていただいています。
あとは例えば仙台市役所と一緒に、起業家のイベントなども作っています。これはつい先日終わったところで、757名の方にお集まりいただけるような大きなイベントを、毎年開催しています。
 
2つ目の柱としましては「ファンド事業」を展開しています。15件ほどのファンドを『福活ファンド』という名前でやっています。
これは非常に尖ったコンセプトのファンドで、1回会社経営に失敗してしまった起業家の方々に再チャレンジのチャンスを提供するファンドです。
ですので、投資条件が「1回失敗している人だけ」となっており、成功している人に関しては「ちょっと失敗してからまた来てください」というような形のファンドなんです(笑)
 
3つ目の柱としましては、「地方創生事業」ということですね。
地方自治体と組ませていただいて、その街の起業家を応援する。それから、街にまた起業家を呼び込んでくるといったことを、複数の市区町村、都道府県と事業として展開しています。

ハンズオン支援の実例

私たちは、株式上場を目指す会社の支援から、例えば「飲食店を開業します」といった方の支援まで、幅広く取り組んでいます。
上場を目指す会社としては、例えば東北大学発の技術を使ったベンチャー企業に投資をしながらハンズオン支援をしています。
事業計画のブラッシュアップであったり、資金調達のお手伝いというところで、他のベンチャーキャピタルからも投資してもらった事例もあります。
それから、草の根の起業家の支援もあり、例えば起業家のレベルによっては「じゃあ、やりたいことを一緒になって、もうちょっと明確に考えていこう」というところから支援したりするので、非常に幅広い形でやらせていただいています。

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