今回のインタビューは、銀座農園株式会社の代表取締役社長である飯村一樹さんに「高付加価値農業のプラットフォームビジネスを始めた経緯」「事業急拡大の2つのタイミング」についてお話を伺いました。

(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:須澤壮太)

【経歴】

コメづくりが盛んな茨城県下妻市に生まれ、親族も酪農、養豚、園芸農家といった農家一族。日本大学生産工学部建築工学科を卒業後、一級建築士として、企画・設計業務のほか、環境に配慮した建物リニューアルや有効活用提案などを行う。その後、ベンチャー企業にて不動産の有効活用や金融コンサルティング業務に従事し、株式上場の一躍を担う。
株式上場後は、投資事業や企業再生事業の部門長として組織を牽引。この頃から「衰退する地方都市をなんとかしたい、一次産業を元気にしたい」という想いが強くなり、2006年に地域活性化コンサルティングを開始、高松丸亀町商店街B,C街区まちづくりファンド設立の金融アドバイザーを務める。
そして、「日本の農業を元気にしよう」という理念のもと、銀座農園(株)を設立。建築・環境分野からのアプローチで、都市と農業が共存できるスマート都市農業を推進しつつ、屋上農園や植物工場といった新しい農業技術も導入しながら、次世代の農業技術にチャレンジしている。

「日本の農業を元気にする」ためのプラットフォームを

当社の企業理念は「日本の農業を元気にする」です。

具体的にはどのように元気にするのかと言えば、農家が減っている今、企業は農業に参入したいと考えていますが、どう参入していいかわからないという問題があります。

その中で我々は、農業を低コストに運営できる商品と農業生産のマニュアル、そして販売する出口といった、いわゆる農業における生産から販売までのサービスをワンストップで企業に提供しています

我々は、企業が農業に参入することによって農業に新しい革新が起きると考えているので、どんどん企業に農業へ参入していただいて、農業を元気にすることによって、日本の農業を世界に出していくことができると思っています。

どんどん新しい人に農業へ参入してもらうのが我々の仕事だと思い、そういうサービスを提供しています。

現在は茨城県の方で2か所経営しており、自社農場とパートナー農場を拡大していて、今は長野県、神奈川県、千葉県、あとは埼玉県の方で準備をしています。

農家と会話をするのが難しかった

企業の農業参入をサポートするサービスというのは今までなかったみたいです。
なぜかというと、農家は企業と会話をしたり新しいことを教えることが苦手で、「自分の姿を見ろ」といったような職人的な業界だったので、企業が参入しようにもなかなか難しかったということがあります。
我々は農業生産をしながら企業とも話ができるので、そういう部分で企業に対して価値を提供できているということで、問い合わせは非常に増えています。
 
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