今回のインタビューは、ブランディングテクノロジー株式会社 代表取締役社長の木村 裕紀氏に、「上場に向けて大変だったこと」と「ビジネスモデルの移行」、「今後の成長戦略」についてお話を伺いました。
(インタビュアー:株式会社アントレプレナーファクトリー代表 嶋内秀之)
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【2本目(7分05秒)】
組織・事業・資金で大変だったこと
ー今まですごく順調に来られたと思うんですが、とはいえ大変だったこと、組織や事業、資金面等で教えていただけますか。
木村氏:フリーセルに参画してから3年で7倍ぐらいの売り上げ、3億を21億にみたいな形ですごく業績は伸びました。
経常利益も2億、3億という形で、業績的にはIPOをできるぐらいになっていましたが、若手主体であったということもあり、内部管理体制というものが非常に弱くて、なかなか監査証明がおりずに苦労しました。
そうこうしているうちに、ライブドアショックがあって、リーマンショックがあって。あれだけ第二次ITバブルで年間200社ぐらい上場していたのが、年間20社とか30社ぐらいまで落ち込むぐらいまで下がってしまって、外部環境も変わってきて、当時我々のビジネスも半年で6000万ぐらい赤字になる時期もありました。
さすがにIPO云々と言うよりは、外部環境の変化にビジネスモデルを対応させていかなければならない局面に当たり、そこに乗り越えていくのに1年半ぐらいかかったことが大変でしたね。
フロービジネスからストックビジネスへ
ーそういった経緯もあって、ビジネスモデルをフローからストックへ移行していったのでしょうか。
木村氏:そうですね。その当時まではほとんどフロー型で、売り上げの8割がスポットの売り上げのフローで立ってるという形でした。現在は8割がストックになっているので、やはりストックの積み上げ型のビジネスモデルに変えていくところは意識してやっていました。
ーストック化の転換はどのような点を意識されていたのですか。
木村氏:サービスの体制をしっかりと作っていくことに意識しました。現在沖縄やベトナムにも会社があるのですが、オフショアに足場の拠点で生産体制を作って、低価格でも質の高いサービスを作ることで、お客様満足度を高めて、長期継続的にリピートしていただくような体制作りを心掛けていきました。
ー生産体制を確立していったということですね。
木村氏:そうですね。あとはフロント人財の育成として、経営の上流からお客様と議論ができて企画を立てることができて、我が社だから発注していただけるという考え方を強めていったというとこも挙げられます。
上場までの苦労
ー組織面でもブランディングが強い背景が伺えました。そこから上場までの苦労などありましたら、お聞かせください。
木村氏:組織面ですね。今から5年前の2014年の3月。元々創業の人間と私と共同代表でやってたんですけども、グループを1回分割するというようなことがありました。
グループ6社ぐらいあったのを双方に分けてという形で、1回資本を分けて整理したのですが、その時、経営に関わってた古参の幹部が一旦抜けたりといったところで、組織を作り直さなきゃいけない状況になりまして。元に戻るまでは1年半ぐらいかかり、非常に苦労しました。
社名変更について
ー上場のタイミングで社名を変更されていますが、その辺の背景などをお聞かせいただければ。
木村氏:創業からフリーセルという社名は変えずに使っていたのですが、いよいよ上場が見えてきた時に、会社自身が世の中に出て、認められたり、多くのステークホルダーに知って頂けたりできるチャンスになる思い社名変更の判断をしました。
平成30年で、来年からもう新しい新時代になる事も分かっていたところなので、新時代に合わせて、新社名で新しい上場会社として出発できる、リスタートしていける。それはすごくチャンスだなと、これまでの営業が強いという自社のイメージを前向きに変えていく一番良い機会だなということで変えた形です。
また、上場する時に、自分達の会社のリブランディングというのを1つの事例にすることで、今後上場を目指しているような会社であったりとか、ベンチャー企業スタートアップ、中小企業に対しても、こういうタイミングで変えていくと会社が伸びていけるんだなということを、背中で示す良い機会にもなるかという風に捉えてます。
今後の成長戦略について
ーありがとうございます。最後に、今後の成長戦略。ここからどのように事業や組織を伸ばしていくのかについて、教えてもらえますでしょうか?
木村氏:上場している先輩方の会社を色々見ていますと、ある一定の多角化をして伸びていて成功してるっていう会社もありますし、やはり一本筋が通って1つのことに特化し続けて、その周辺を大きくしていって伸びてる会社もあります。
じゃあ自社に合うのはどちらかと考えたときに、基本的には1つ軸を作ってそこの周辺を大きくしていくっていうのが王道だなと考えました。
「ブランドを軸にした中小企業様のデジタルシフト」というテーマは、2020年代の日本において非常に重要なテーマだなと思っていまして、これからブランディングがより一層意識されて大事になってくる時代になってくると考えています。
「ブランド」「中小企業」「デジタルシフト」このテーマにこだわって、とにかく特化して深掘りし、事業を大きくしていきたいと考えてます。